雪合戦奮闘記 in 中新田

2002年 旅の軌跡

エンドー


  2月某日、宮城県は中新田町において、「スポーツ雪合戦in中新田」が行われました。参加者は8名。東京から宮城県古川まで高速でン時間。早稲バンには毎度苦労かけます。宿泊は宮城県東北農政局に勤務する伝説のOB,治部健太郎さんの社員寮です。

  そもそもこの企画はOBの伊藤さんが新聞の催事欄から見つけてきてみんなに持ちかけたもので、関東育ちの人々はスキー場にでも行かない限り、一面銀世界なんてのは見たことがないようでみんな張り切っていました。なかにはスノーボードのウェアをまとってきたたらちゃん(注:工藤)や、10年前くらいに流行ったようなデザインのスキーウェアをまとったOB下平さんの姿も見受けられました。みんなヤル気マンマンのようです!もちろんオレも!

  ところが。冶部寮で一泊して翌日、早稲バンで大会会場の中新田町立体育館駐車場まで行ってみると…なんとそこには駐車場が!何を当たり前のことを…なんて思わないでください、雪がないのです!きれ〜なコンクリート丸出しのただの駐車場です。「どうやって雪合戦をするんだ…。」力走する早稲バンの車内、言葉を失う一同…。

  実は自分は宮城県出身で宮城は意外にもコテコテの雪国ではないことは知っていました。しかし動揺は隠せません。このままだと企画者の伊藤さんか宮城県出身のオレが非難の矛先になりそう。でも主催者側が前日のうちにダンプトラック何台分の雪を山奥から運んでいたようで、雪球を作るには十分な量の雪が確保されていました。

  さてさて安心して開会式へ。参加チーム数46。東京代表チームの我が「LOVE・WING」は最南端および最西端からの出場チームでした。町長さんやら県会議員さんの挨拶では「遠く東京からお越しくださったチームの方もいらっしゃるようで…。」と、ことあるごとにウチのチームに触れていただき、なかなか気分のいいものでした。やっばとーぎょーもんがめずらしんだなあや。なんちゃって。その後容姿端麗なお姉さんが出てきて楽しく!清らかに!「雪合戦体操」をしました。準備体操も終了し、コンディションは万全です!

  スポーツ雪合戦は1チーム7人、1ゲーム3セット。障害物の置かれたテニスコートほどの広さの中で両陣営分かれ、さらには自分の陣地にチームフラッグを立てます。審判の合図とともにゲームスタート。相手を全滅させるか、相手チームのフラッグを奪えば1セット奪取、先に2セット奪取したほうの勝ちです。今大会ではまず各ブロック3チームで予選リーグを行い、内1チームが決勝トーナメントに進みます。予選突破がまずは目標です。

  さらにはこのスポーツ雪合戦、専用の「雪球製造マシーン(手動。形は取っ手の付いた大型のたこ焼きマシンを想像してください。)」で1試合に付き270個!もの雪球(野球ボールくらいの大きさ)を自分たちで作ることになっているのです!これがなかなか難しく、そしてキツイ!下手すると試合前にバテてしまいそうです。しっかりガッチャンガッチャンやらないと雪球持った途端に手の中でグシャッともろくも崩れてしまうのです。

  試合開始直前、ようやく雪球を作り終え、さあ最初の対戦相手は、確かどこかの精米所のひとたちでした。機動隊みたいなヘルメットをかぶり、試合開始!リーダーの伊藤さん、いきなり一発の玉も投げることなく死亡。他のメンバーもバッタバッタと、ああ〜あ!1セット目は惨敗であります。作戦もへったくれもあったもんじゃありません。そしてあの雪球、直撃するととっても痛いことがわかりました。腿に当たったらしばらく赤くなってました。おおげさでなくあの機動隊ヘルメットは必要です。結局このチームには2セット目も続けて獲られてしまい、ストレート負け。くっやっすぃ〜!

  次の相手は、どこかの製作所のひとたちでした。今度は作戦を立てました。まず開始直後に全員で同じ人を狙う、これは成功しました。命中する確率が高くなりますからね、相手は機関銃で撃たれたみたいに体を激しく揺らせて死んでいきました。ただしこれじゃあ最初の一人は確実に倒せますが、所詮一人だけ。その後はまたさっきみたいにあぶだらかんだらな泥試合に。でも多少要領を得てきた気もします。みんなで一斉にフラッグめがけて突進しました!…!グシャ!バシ!バシャ!、全員撃ち殺されました。1セット目、うーむ、惜敗。このまま全敗しちゃったら、どのツラさげて東京に帰れっていうんだ、リーダー伊藤さんの心に炎が燃え盛っていました!2セット目、さっきと同じ作戦!で、伊藤さん決死のダイブ!フラッグを奪いました!貴重な1勝です!でも3セット目負け。予選突破を果たすことなく、早稲田ハング冬の陣は終わりました。

  しかし負けても悔いはない。なにしろこの大会には招待チームとして「世界チャンピオン!」が来ていたくらいなのですから。そんなレベルの高い大会で伊藤さんがもぎ取った1セットは貴重です。試合後はコート脇で記念撮影。ピースしてたら渋谷が試合の流れ弾に当たって痛そうでした。その後は雪球ストラックアウトでいつもの早稲田ハングらしく、ほのぼのと楽しみました。それに「東京からはるばる…」ってことで敢闘賞をいただき、ネギ一箱と米を2箱もいただいてしまいました!

  はいはい冬の陣終わり!景品で自炊パーティーじゃ!ってことで、一路鳴子温泉郷へ!何軒か探し回り、「農民の家」という農民の人々が金を出し合って建てた自炊の宿を発見しました。自炊鍋はもちろんおいしかった。みんなで食べりゃなんだってうまいんだ!でもこの宿でオレが最も書きたいのは風呂での思い出です。伊藤さん、渋谷、中西と温泉をはしごしてて最後に入った風呂。湯気で奥のほうが霞んで見えない。と、奥のほうから尺八の吹き音が。なんと尺八の生演奏です!なんと言う贅沢!21歳にしてこんな贅沢を味わったらこの先なにがあっても満たされないのではないか?というほどに贅沢でした。混浴だったようでおばちゃんたちも入っていました。そのおばちゃんたちが尺八に合わせて歌い始めました。しばしそのハーモニーに聞き惚れる4人。そばにいた話好きのじーさまの説明によると奏者は早稲田出身のたいそう名のある人のお弟子さんだそうで「そりゃあうめえわけだ」と思ったものです。

  翌朝、温泉に入ると生卵を抱いて湯につかる伊藤さん。温泉卵を作っていたんだそうで、部屋に戻り、割ってみると当然生のまま。それが信じられないかのように凍りつく伊藤さん。

  今日はオレはそのまま里帰り、でもせっかく仙台に来たんだから牛タンを食わねばということでみんなで一路仙台市街へ。到着。じつはオレは仙台に9年住んでいて一度も牛タンを食べたことがない。あれはおいしかった。やわらか〜い。

  そのあと予想はしていたがやはりオレんちに来ました。散らかった部屋とかアルバムとかチェックされて。みんなが帰ったあと、大事な仕事がありました。雪合戦に地元のテレビ局が取材に来ていたのです。その放送日が今日。録画です。しっかり映ってました。伊藤さんのインタビューとか。帰りの高速を疾走中であろうみんなに電話で報告。電話の向こうから疲れをまったく感じさせないみんなの元気な声が聞こえます。あ〜楽しかった。おわり。

おしまい

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