エベレストサミッターと日帰り富士登山

〜2013年 旅の軌跡 富士山編13〜


7月6日

  夜出で富士山の須走口へ。7月に山開きしたばかりで、須走口のあざみラインはまだマイカー規制前。23時過ぎの到着で五合目の駐車場へと向かう。が、先着のこぱから満車のお知らせ。登山口までどれくらいかわからないが、手前の空いたスペースに係員に誘導される。とくさんとの合流もできず。今夜はこのまま車中泊。日付が変わるような時間にも関わらず、今から登り始める人、多し。日の出をどこで迎えるつもりだ?

7月7日

  5時起床。晴天の日差しと快適な気温で、今日は楽しい登山になりそうだ。と、目の前に神戸ナンバー。とくさんの車だ。おはようの挨拶とともにエベレスト&ローツェ登頂おめでとう。お土産をいただいて、登山口へと向かう。

  5時半待ち合わせで須走口の売店のおばあちゃんにお茶をいただく。とくさんはこぱと、とくさんの知り合い、愛知のUのさんとと東京のMおかさん。他3人はとくさんもまだ会ったことがなく、facebookで知り合った人だとのこと。しかも先に行ったそうで、後を追う形でウチらも6時前に出発した。

  朝からTシャツでも暑いくらいの日差し。日の出からまだそんなに経っていない五合目は、山中湖と雲と太陽でいい景色だ。初対面のメンバーに、ヒマラヤ帰りのとくさんに、久々のコパ。おしゃべりしながら、あっという間の1時間で六合目。山麓にはいい景色が広がっているが、山の上の方には雲がかかっている。ウチらが上に着く頃にはすっきりと晴れていてほしいところ。

  さらに30分で本六合目。泊まり客を送り出した山小屋の、布団を干す様子が何かネパールっぽくていいかも。日差しは暑いが、早朝の風は冷たく、標高の高さなりの微妙なコンディション。七合目で3000mオーバー、日差しが無くなっていきなり涼しくなってきた。ここら辺で先行する3人に追いつきたいところだが、どうやらまだ先を行っているようで、facebookで連絡をとりながらの登山。経験者ばかりの5人、何も気を使うことなく、ラクなもの。Uのさん、Mおかさんの二人は女性ながらも山慣れしていて余裕そうだ。

  本七合目、八合目と徐々に風が強くなり、太陽はどこへやら。麓の晴れた景色を見渡しながら、向かうは雲の中。登るのにはちょうどいいかもしれないが、休むのには肌寒い。防寒着の出番があるとは・・・。と、ここで、次の本八合目で先を行くパーティが待っているとのこと。とくさんと二人、ダッシュで先を急ぎ、やっとの初対面、I井さんだ。他の二人は剣が峰に行きたいので、先に行ったとのこと。どうやら初めましては頂上で、ということになりそうだ。

  6人になったところで、Mおかさんが腰痛により下山。天候もいまいちだし、まあ無理して登るほどでもないかと。ここから先は景色も無く、雲の中で水滴交じりの風に耐えながら。時折爆風が吹き抜け、子どもが吹き飛ばされたりしていた。幸い大事には至らず。油断できないコンディションに。砂利や小石がバチバチと当たって痛い・・・。

  こんな天気だからか、登山客は少なく、快適に登れた。本八合目からはあっという間で、終始おしゃべりで飽きることなく登頂。久須志神社、3710m。視界わるし、雨も風も強し、そして寒い。開いていた小屋に避難して、雨風をしのぎ、ランチ。最後の二人、NむらさんとN郷さんにもやっと会え、下山したはずのMおかさんが頂上に現れて、みんなで集合写真。Mおかさんは休憩中に、腰痛も回復し、思い直して登ってきたとか。Nむらさんは帰りのバスの都合でわずか数分の出会いのみで先に下山。なんて展開だ。

  剣が峰に行くほどのこともなく、天候が回復する見込みもなく。5回目の富士山は山頂からの景色を全く楽しめずに、さっさと下山の方向で。砂走りが続く下山ルートをさっさと雲の下まで。本八合目くらいまで下れば、もう雨は無く、強風も下りの暑さが上回り、再び防寒着はザックの中へ。Tシャツにウォーマーでも暑いくらいの、夏の登山が戻ってきた。

  砂走りの整備されたコースに入ってからはとくさんは独走。ウチらもバラバラのペースでひたすら下る。走って下る。で、わずか2時間ちょっとでの下山、15時頃に須走口に戻ってきた。5人でスタートし8人に増え、写真だけ9人になって(誰かの友達が居た)、須走口には7人でゴール。寄せ集めもいいところのメンバーながらも、おかげさまで楽しめた。そして、車の元へ戻ってびっくり。とくさんの二台前にこぱの車。真夜中の到着とはいえ、こんなに近くで3人がメールのやりとりをしていたとは笑える。

  帰りはあざみライン入口の道の駅でとくさんのお土産をいただき、御殿場駅へI井さんを送り、街中の銭湯、玉の湯で汗を流し、解散。エベレストサミッターが「行く」とか言わないことには、わざわざ登ることもなかっただろう富士山に満足。東名用賀までN郷さんを送り、寄せ集め富士登山を終えた。一番の収穫は新しい山友達か。

  最後に、とくさんからの一番のお土産は、エベレスト山頂の石。これを受け取った人は、この石を山頂に置いて、また別の石を取って来て、次の人に渡す、とかって話だった気がする。いつかはエベレスト。いつかは世界最高峰。その大変さは想像を絶するものの、その気でいれば、いつかはたどり着けるはず。夢の一つとして、見続けてもわるくない。

おしまい

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