登頂率8分の7の富士山登り

〜2005年 旅の軌跡 富士山編5〜


8月6日

  今日から夏休み。いい響きだ。今年の夏休み最初のイベントは海&富士山登山。で、まずは沼津で越前守を拾う。飛びっ子たちの山登りをサポートしてくれるはず。知らない人ばかりの中に、よくぞ来てくれた。ローテンションでがんばってくれ。千本浜の夏の海で暑さに早くもバテる。バテても海に遊びに行くムサコーからのLOVEホットラインで合流。富士山登頂を果たして、こっちもバテバテか。1,2年は知らない子たちばかり。やまだカーに乗っていた、Rょうへい、Bーさん、Yまお、3人の知った顔を見て、ホッとしました。ていうかYまお、仕事は?!また有休とな。

  着いたのは島郷海水浴場。ワニを膨らませて、ひろしすでに臨戦態勢。やばいっ出遅れた。一緒に海で暴れる。ムサコーの女帝やまだ、紅一点で後輩達を手玉に取っていた。さすがだ。海の家のおばちゃん情報を頼りに温泉へ。疲労回復〜。もうあとは飯食って寝るだけ。ってそんな気分のムサコーさんとはここでお別れ。昨日みんなが踏んだ頂上は、今日ウチら、AHOSEI+αが踏むぞ。孤高の地へと赴く二人に温かい贈り物。ムサコーの愛の詰まった携帯酸素をもらい、沼津を後にした。スカイビューのみなさん、お邪魔させてもらってありがとう。楽しかったです♪

  海での遊び疲れを引きずったまま、夜からの登山スタート。登れるのか?!ありえないぞ、この疲れ。ぎりぎりで滑り込んだひらを拾って、5合目に着いた頃には、他の人はすでに6合目。追いかけるのか。追いつくのか?!どうする?!標高2000m、夏とは思えない冷え込みに富士山の高さを思い知らされる。夏休み最初の夜は非日常空間、満点の星空の下でオールだ。

  富士山は携帯電話が使える、ところもある。みんなの場所を確認しながら追走。はえ〜よ。6合目、きっと誰かが!との期待もむなしく仲間は見当たらず。まさが先頭を切って道無き道を登ってるとか。そんなに急がなくていいってば。

  日付が変わるまで誰にも会えないのか。って思い始めた23時30分。本6合目でぼへ〜って、かずえ〜!ついに合流。ん、ひとり?他の人はさらに先へ?!かずえだけ待っててくれたのか。お〜、心の友よ〜♪

  一人増えてテンションも一人分アップ。そのままの勢いで7合目へ。ついに残りの4人に合流。感動の再会。あまりに騒ぎ過ぎて、山小屋の人に怒られる。当たり前だな。夜中の0時頃。普通に深夜なんだから。抑えきれないテンション、どうしようもないって。

8月7日 ・・・に日付が変わった。

  7合目だよ、全員集合。予定より4時間以上遅れての顔合わせ。越前守、改め福ちゃん(今回のみ)と私を除いてAHOSEI。まだ出てきてない名前は、こば、ゆき、ゆうた、だね。久しぶり〜。AHO合宿が昨日まであったっていうからハードスケジュールだな。何はともあれ、パーティーがそろっていよいよここからスタート、みたいな。行こうぜ、日本一の頂へ。

  みんなが揃ったノリで忘れてたけど、実際にはすでに睡魔と疲労が溜まってきているはず。普通の人ならね。空気の薄さもそろそろ感じはじめてるんじゃ?でもさすがは飛び人たち。問題ない?

  夜空を駆ける流れ星をいくつも見るも、願い事はいくつ叶うのか。そんなこんなで本7合目。なかなか次の「○合目」に進ませてくれない富士山。そんなもん。自衛隊の富士登山訓練?!迷彩柄の隊員たちがガンガン登っていった。こんな訓練ならイヤじゃないぞ。食べ物と飲み物があるならね。

  だんだん人の数が増えて進みが悪くなってくる。ツアーのガイドは砂走りの下山道を登りだした。危うくウチらもだまされるところだった。登りにくさに気づいたが、福ちゃんは気づかずに登ってしまった?!いつの間にやらはぐれてるし・・・。かずえ、ゆきもいない・・・。人多すぎ。うお〜みんなどこ行った〜?

  飽きてくる深夜に風が強まり、体感温度は氷点下。あまりに先に進まないので、本8合目で日の出を待つことにする。山小屋裏の秘密の場所へ侵入したゆうた、まさ。5分で追い出される。仕方なく山小屋の横で皇帝ペンギンのように、身を寄せ合って縮こまる5人。ひら、こば、ゆうた、まさとお互いの体温を奪い合って太陽を待ちわびました。冷え切った体で横たわるまさ。生きてる〜?!

  雲海の彼方が明らむ。一点の光から、無数のまばゆい光へ。待ち焦がれ、恋焦がれたこのとき。雲の海から太陽が昇る。言葉を失う感動の瞬間。まさが生き返った。ひら〜、こば〜、ゆうた〜、抱き合って喜び、大の字に立って全身に温かい光を浴びる。

  一方その頃、はぐれた3人は9合目でご来光。福ちゃん、ゆうき、かずえも寒さに、いや空気の薄さに苦しんだか。ていうか、日が出て温かくなった頃に再会。3人が下りてきたんだよ、瀕死のかずえを引っ張って。9合目の鳥居が高山病の入り口。一気にキタそうだ。山小屋にかずえを放り込むやさしく運び込む。ムサコーの愛をその枕元に置いてあげる。かずえの分も頂上を味わってきてあげる。なんて素晴らしいAHOSEI愛なんだ。山小屋に迎えに来るからね。と、一時放置して、先へ進む。

  ここからはひたすら渋滞。ご来光を見て満足した人たちが、頂上へと集まる。いったいみんな何でそんなに群がるんだ?何にそんなに群がるんだ?富士山の頂上って、そんなにいいんですか?!いいんです!登った人にしかわからないもんなんだよ。8月7日、7時45分。標高3710m、富士山頂、久須志神社にゴール☆

  天空の世界は快晴。風はちょっと強め。眼下には広大な雲海が広がる。ただ高いだけだけど、日本一高いとなると、何かそれだけでもう十分、みたいな。登頂率8分の7。でもうれしさは8人分♪疲れてるけど、みんなニヤけてるってば。その頃、本8合目の山小屋では、来年のリベンジを誓うかずえさんが寝ていたとさ。

  昨日はスカイビューが登頂。今日はAHOSEI+αが登頂。明日はアルバトロスが登頂予定。飛びサークルに流行りの富士登山。来年はまた別のサークルが登っているはず。でもみんな一番高いところまでは行かないっぽい。「もういいっすよ、ここで」十分登頂したってことで。最高地点踏もうと思ったら、もう40分くらいは歩かなきゃ。太陽の当たる斜面には迷彩柄の絨毯が干されていた。自衛隊員のみなさん、相当な人数が燃え尽きて横になってる・・・。遠くから見ると草が生えてるみたいだ。

  天空の世界をしばし楽しむ。ただいるだけで、この非日常空間が楽しい。天にも昇る、そんなテンション。こんな高いところから飛んでみたいな。って、みんな思ったでしょ?!雲が出来ていく様をこんな間近に見られるなんて、ありえないよね。いくら見てても飽きない、わけが無い。寒いって。しかもふとわれに返ると眠いし。個人的には富士山三度目。またそのうち来るんだろうなあ。

  お帰りの際はこちらからどうぞ。帰りたくないけど帰らなきゃ。だって待ってる人がいるから。下りはまた別の道。砂走り。走るように下れる、このコースの見せ場の一つ。うっかりして山小屋を通り過ぎないようにしなきゃ。砂走りを走ると砂埃が激しい。帽子にマスクで完全防備。下山者は登山者以上に怪しげな格好をしてる。

  山小屋に戻って、「おはようございます。朝ですよ〜」。かずえさん起床。よしよし、また今度登ってね。「登ろうね」とは今の疲れ具合だと言えないわけで。いや疲れてるんじゃなくて、眠いんだよ。オール、しかも飲みとかカラオケとかじゃなくて、山に登りながらのオール!普通に体力使いすぎ。しかもその前の海遊びの疲れも積み重なってるし、AHOはAHO合宿の疲れを引きずってるし。でも、下らなきゃ帰れない。砂が勝手に下らせてくれ、るわけでもなく、砂まみれになるだけです。

  そんな砂走りにも飽きてきた頃には、口数も少なくなって、縦長の列に。みんながばらばらに歩いてます。意識朦朧、じゃないけど、みんなふらふらしてます。マジで転んだり。下りがこれほど長いとは。いやむしろこんなに登ったのか。夜はテンションにだまされてノリノリで登ってたけど、今はだまされず。長いぞ、下山道が。下界が恋しくなってるし。頂上は快晴でも、雲の中を突っ切って、雲の下に。下界は曇り。雨は勘弁ね。

  樹林地帯に足を踏み入れ、いよいよゴールが迫ってくる。アイスが食べたい。その思いが足を速める。昨夜通った、登山道の入り口が昨夜とは違う雰囲気で待っていてくれた。行き同様、先行したまさがすでにバンで寝ている?!かずえ、ゆき、こば、福ちゃん、私の5人。手をつないでゴール!ご褒美はアイス♪遅れてひら&ゆうた、こちらは肩を組んでゴール!標高差1700mの山旅、全員揃って無事(?)生還☆

  富士あざみラインにズラッと並んだ駐車車両の中で、ひときわ目立つAHOバン。ここに戻ってきただけで、ただいまを言いたくなる。それくらい別世界に行って、帰ってきた感じ。富士山から見たご来光、言葉を失う感動の瞬間。山に登る奴の気が知れないと言っていたみんなも、自分が登ったことで山に登る人の気持ちがわかったようなわかってないような。今、一番記憶に残ってるのは下りの砂走り。日の出はいったいいつのことやら。砂埃にまみれたからだを自分たちが登った富士山の姿を眺めながらの温泉で癒す。どっと出た疲れも、思い出に変えて、さあ、これから夏休みの始まりだ。そして次に登るのは、これを読んでいる、画面の前のあなたたちです!

おしまい

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