記録よりも記憶に、そして思い出に

〜2004年 旅の軌跡 富士山麓編3〜


7月17日

  あつい夏の始まりを告げるあつい一日。1年ぶりにやって来た富士北麓公園。24時間リレーマラソン、流れる汗もそのままに、記録よりも記憶に残る感動の物語の幕開け。チーム“LOVE・WING”、今年参加するメンバーは10人。キャプテン、ひげね、3年連続の出場。渚のエースは完全試合を目指す!――>リーダー、みぽ、ワセハンを仕切るのは、やはりいつの時代も女帝なのか?!――>笑いの黒船来航、ナカニシ、夜のライブはお任せ!――>スーパーOLのストレスを発散すべし!2年ぶりの参加、ニタ姉。――>リベンジに燃える孤高のランナー☆R大の1トップ、トミー。――>笑顔をふりまく、ヒラ♪みんなを癒し、自分は笑顔で爆走か。――>D大から電撃参戦のテラ、足尾の長老に期待が集まる!――>チーム最年少、アベベ、他大からの参戦は、支部長就任決定?!――>ワセハンの一番の支部AHOから、タカハシ、彼も支部長決定?!――>3年連続みんなを巻き込む、さすらいのプロデューサー、うっちゃん。以上、10名の参加で夢に夢見る24時間、たすきをつなぎます!!

  さあ、スタート3時間前、9時を過ぎて早くも集まりつつあるチームの数々。競技場も準備が進み、BGMと係員の放送が飛び交う。慌ただしい準備は選手も大会関係者も同じ。それでもこれから始まるレースを前に、胸の高鳴りを押さえられないのはみんな一緒か。毎年おなじみのDJがしゃべりだす頃に、高まるテンション。と同時に募る不安。東京から来るワセバンが渋滞にハマり、遅刻がほぼ決定。自陣から富士山を見上げて、芝生の上でごろごろするも、このままではまずいとだらだらあたふた。同じような状況のチームが他にも多数あるらしく、今回は臨時の受付が認められた。さんきゅーです。おかげでとりあえずは時間通りにスタート出来そう。でも、早く来てくれ〜。3,2,1、GO!12時、ついにレースが始まった。まだ一人だけなのに。

  200人近い各チームのスターターが走り出す。会場と沿道の注目が集まるオープニングラップ。先頭グループのスピードは速い。1周ならそれに付いていっても面白いかも。でも、今回はとにかくたすきを止めないこと優先。いつ来るかも知れぬ援軍の到着まで、ひたすら走ります。携帯と必要書類をヒップバックに入れて。最初のリレーゾーン、ほとんどの選手がたすきリレーする中、2周目に突入。競技場内を通過中に携帯が鳴る。援軍か?!の期待は外れ、今回不参加のペンギンからの応援Tel。話ながら3周目へ。序盤から3周目に行くオレンジのTシャツは目立つ。スタートから15分経過、助かった・・・。待ちに待ったLOVE・WING本隊の到着。いつまで走ればいいか分からない中で、携帯を片手に走り続けたが、ついに3周目の最終コーナーで来た。来たよ〜!!10秒のピットインで荷物を渡す。4周目のリレーゾーンに交代メンバーが待っていてくれる。ここからLOVE・WINGのレースが始まった。

  いきなりの4周と猛暑のため、汗だらだら、足ふらふら、みたいな。誰にたすき渡したっけ?テラかな。自陣に戻るとワラワラとメンバーが登場。今回初対面のタカハシ&アベベ。よろしくです。今年もテントを張って24時間のおウチが完成。早速、ダウンさせて下さい。その間、高速の渋滞でフラストレーションがたまっていたメンバーはそのうっぷんを晴らすかのように爆走。2周連続で行く人も。みんな飛ばしてる♪おかげでたっぷりと休憩。気分はすでに夏祭りです。スタートから3時間経過、LOVE・WING最後のメンバーが到着。LOVE・WINGオリジナルTシャツを持って登場したのはヒラ。このシャツ、チームウェアに決定です。そのヒラのファーストランは浴衣ラン。みぽとヒラ、浴衣着るのに苦戦してました。テラ&ニタ&私は甚平。これもいい感じでしょ?昨夜メガマートでゲットしてきました。5人そろって夏祭り♪浴衣&甚平で走りまくりです!

  17時から始まった浴衣ラン。浴衣、甚平がなぜか走る走る。その光景はまさに夏祭り?!浴衣の裾をひらひらさせながら華麗に走り抜ける女性ランナーのみなさんは、五輪選手にも負けない美しさ♪ヒラ&みぽ、浴衣にスニーカーで準備体操、似合ってる☆競技場裏の屋台村もお祭り雰囲気を盛り上げてくれる。いいね〜やきそばとたこ焼きが食べたいよ。地元の方々による盆踊りが競技場いっぱいに広がって披露され、それに混じって踊るランナーたち。昼の部の締めくくりは、すぐそこで打ち上げられる大きな花火。夕闇に散る美しき火花が、長い長い夜の部への突入を教えてくれる。にぎやかだったDJも静まり、いよいよ本格的な夜へ。24時間の本当のたたかいがここから始まる・・・。

  ちなみにここまでのところ、8時間経過時点で56周回、125位。スタートの出遅れを感じさせないペース。って言っても私の4周、そんなに遅くないから♪それにしても今回のメンバーはみんなよく走る!ありえないんだけど。トミー、速っ。昨年の体調不良の無念を晴らすかのような走りだ。ニタ姉もストレス発散は完璧か。みぽ&ヒラの浴衣コンビも浴衣でよくあれだけ走ったなあ。予想以上に速かったのがナカニシ。なんでこんなに?!って驚くくらいの速さだった。それでも笑いに身を委ねるのか?!

  富士山麓の夜は寒い。夏とはいってもここの標高はそれなりに高く、かなり冷え込む。どのチームも夜はペースが落ちるのがほとんど。しかし今年のLOVE・WINGは違った!一飛入魂の思いで走るのはキャプテンひげね。足尾の走れる長老テラ&AHOのタカハシとともに深夜の時間帯を見事カバー。その前後を、アベベ、ヒラ、みぽとつなぎ、雨の降る富士北麓公園を、流れる汗もそのままに走りぬけた。結果、夜も昼と全く変わらぬペースで周回を重ね、順位は一気に上がっていた。

7月18日

  4時、日の出前。深夜降っていた雨が止んだ。たっぷりと休んだおかげで、ほぼ完全に体力が回復した私。夜をつないでくれたみんな、ありがとう。あとはこのまま残りの3分の1日を駆け抜けるぞ。エンジ色のTシャツに着替えてパワー全開、LOVE・WING過去最高位を記録して俄然走る気が増してきたトミーとともに高速ラップをつないでいく。

  7時、太陽が顔を出し、濡れていたコースが乾いてくる。気温も徐々に上がりだし、夜の雨と寒さがうそのように、また灼熱の夏の陽射しが降り注ぐ。暑さに耐えかねてみんなが起き始め、チーム全員が揃ってくる。19時間経過時点で132周回、83位。素人集団にしてはありえない記録。これってホントにすごいから!

  みんな燃えつき始めて、競技場内、そこらじゅうに転がる魂の抜けたランナーたち。24時間の魔物に食われたか。まあそれもこの大会の楽しみ。生きていれば、その凄惨な光景が楽しく見られるのさ♪なんてテンションになってしまうのは、疲労と睡魔のピークを超え、あっちの世界を垣間見てしまった人たちだけか?!いや、今日だけはみんなそんなもんでしょ。ていうかそんなランナーズハイ☆ある意味、気持ちい〜!

  「みなさん、おはよございま〜す!!」ってDJも復活の朝8時。さあ、夜も完全に明けて、残り4時間、各チーム、自分たちとの戦いだ。もうここまでくると会場全体がある種の一体感に包まれているようにも感じられる。気のせいじゃないよね。だってカメラ向ければ、ポーズ取ってくれたり、応援に応えれば、さらに応援してくれたり。これだからやめれねえ。楽しいぜ、走るのは!

  10時を回って、あと2時間。LOVE・WINGは80〜90位くらいを上下している。素人集団で100位切りが見えてきた。もう後続は振り切った感がある。80位台に入ったら、すごいぞ。足尾パワーおそるべしってとこだな。まさか、ランナーじゃないチームがこんな順位にいるなんて、考えもしないよなあ。まあ走り好きに、ランナーもフライヤーも関係ないってこと。素人もエリートも関係ないってこと。それがこの24時間の面白さ。さあ、最後の最後まで、笑顔で駆け抜けてやろうぜい。

  沿道に人が集まり始める。ラスト1時間。ヒラ作のチームウェアに身を包み、寄せ集めの羽が一つの翼になる瞬間、LOVE・WINGのみんなが一体となって、たすきをつなぐ心地良さ。これって青春かも♪自分のチームも全然知らないチームのランナーもみんなハイタッチで迎えるスタンド裏のストレート。これほどの声援を浴びながら、これほどの人垣の中を走りながら、無理でもきつくても、なぜか走らずにはいられない?!そんな不思議な魅力に見せられて、今年もやってきてしまった24時間リレーマラソンの舞台。ラストを飾るのはキャプテンひげね。パーフェクトリリーフをお願いします!託されたマウンド上、キャプテンは限界まで投げきり、もとい、走りきりました!ファイナルラップはみんなでのパレードラップ。凱旋する参加全チームの流れは走りに見せられたランナーたちの一夜限りの夢の終わり。記録よりも記憶に残り、そしてそれ以上にいつまでも思い出に残るこの24時間。みんな、本当にありがとう!この瞬間が最高に幸せです!みんな、心の底から声をあげて、「ゴ―――――ル!!!」

  感動の余韻に浸り、温泉に浸り、疲れに沈むみんな。24時間セカンドステージは富士山麓の表富士キャンプ場?で開催。謎が謎を呼ぶ生活感あふれる2DKのバンガロー?で過ごす一夜。果たしてここで一体何があったのか?!事件の謎は解明されぬまま、それぞれの憶測が飛び交い、深い眠りへと落ちていくのであった。あまりの疲労に、飲んだらあっという間にダウンしたことは言うまでもない。

7月19日

  海の日は海。千本浜海水浴場で、シンクロ、チャ・チャ・チャ♪シンクロ、チャ・チャ・チャ♪筋肉痛を海水でアイシング。砂利で脚つぼマッサージ。心地よい夏の陽射しがマラソンの余韻に浸らせてくれる、そんな沼津の海でした。さあ、今年も夏が始まるぞ。たっぷりと、楽しんで行こうぜい!ら〜ブ・ウィ〜ング、ファイッ☆

おしまい

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