犬猫助けのボランティア

〜2011年 旅の軌跡 福島編3〜


【旅のミチシルベ】
◆日程・・・4月25〜27日。
◆目的・・・被災地での震災ボランティア。動物保護団体でのボランティア活動。
◆コース・・・福島〜矢板〜福島〜矢板〜宇都宮。
◆宿・温泉・・・車中泊。道の駅やいた。矢板温泉まことの湯500円

【旅の軌跡】

4月25日

  震災からひと月半、少しは落ち着きを取り戻しつつある福島へ、震災ボランティアで行ってきた。被災地での作業ではなく、動物の保護に関するボランティア。犬猫の保護団体の元で三日間、少しだがお手伝いしてきた。災害時の基本、自己完結に十分足る準備をして、得意の車中泊セット。ヴォクシーはこんなとき大活躍だ。

  東北方面へと向かう高速道路は、那須を過ぎたあたりから破損箇所がちらほら。福島県内に入ると段差やひび割れもひどく、注意喚起や低速励行の看板が目立った。

  市内の事務所近くで電話すると、もう事務所は退去したから犬猫の居る現場に来てくれとのこと。市内から車で30分ほど。果樹園地帯の空き地を間借りしてテントが並んでいた。

  早速テント内の本部へ行き、ボランティア活動開始。と行きたいところだが、本部には人不在。責任者らしき人もいなく、数人居るボランティアスタッフに話を聞いて、お手伝いを始める。

  昨日までに得た情報から状況は変わっていて、今日明日でここを引き払い、栃木県内の別の場所に引っ越すとのこと。またそのために、昨日までにかなりの数の里親・引き取り手を見つけ、もしくは申し出てくれた方に預け、今ここに居る犬猫の数はかなり少なくなっているとのこと。実際に20匹居ないくらいだった。

  この団体が主に保護していたのは、福島の原発避難地域で逃げ遅れた犬猫たち。理由は様々だが、取り残されていた中で、連れ出すことが可能だった犬猫を連れてきているとのことだった。そういった説明があったわけではなく、他のボランティアスタッフや保護団体のスタッフと話していく中で事情・状況を知っていった。

  犬猫のご飯や必要物資は大量に届いているものの、仕分けもされておらず山積み。しかも大量に送られてきた飼料も、犬猫の体調を考えると現状では使えないものが多いそうだ。ストレスを感じてお腹の調子がわるいという子がほとんどで、一般的なエサは食べさせられないとか。

  この日は結局引越しの準備。物資をまとめて、トラックに積んで。ヴォクシーにも積めるだけ積んで、次の拠点となる栃木の矢板へ。矢板、実はウチのお墓があり、ちょっとは縁がある土地。帰りに墓参りに寄ろうと思う。

  新しい拠点にはすでに何名かのスタッフとボランティア、それに十数匹の犬猫が居た。こちらはこちらで、すでに拠点として活動していたようだ。引越しの荷物を運び込んで、今日は終了。

  来る途中で見かけた日帰り温泉へ。矢板温泉まことの湯ですっきり。他のボランティアの人たちも数人見かける。矢板の街中へ出て、国道沿いで夕食。ファミレスかファーストフードくらいしかなく、牛丼で手を打つ。宿は道の駅やいた。まだ新しくきれい。オープンしてから一週間くらいしか経ってないそうだ。車中泊、久しぶりだ。

4月26日

  まだこの時期の朝は寒い。9時過ぎにはボランティアの現場へ。引っ越してきた犬猫も元気そうだ。太陽が出てくるとあっという間に暑くなった。テントで日陰を作ってるものの、犬たちはみんな暑いようで、朝から「水くれ、飯くれ」と元気すぎる。ここでのボランティア活動は主に犬の世話とその周辺の掃除。お散歩に連れて行くのも大変な数で、4,5人×4,5回は散歩へ。そんな20数匹が庭で騒いでいた。

  午後、まだ引越しきれてない昨日まで拠点へ、男たちは最後の片付けへ行く。力仕事がメイン。かずえは残って、犬の世話、かな。向こうではとにかく片付けと荷造りと掃除。一日がかりだった。

  帰ってきた頃にはもう夕方。今日も日帰り温泉ですっきり。夕食は街中へ。二日目になって、ボランティアの難しさを知る。みんな、やりたいことは人助けとか、手伝いとかでいいことなんだけど、それをうまくいい方向に持って行くのは大変だ。あとは母体となる団体のリーダーや主要メンバーの力量次第で、その場の雰囲気はよくもわるくもなる。良いことをしているのに良い気分になれないこともあるのは残念。

  率直な感想としてはボランティアの現場も政治と同じ。どの政党(人)も国(現場)を良くしようと思って行動するも、どの政策(やり方)を支持するかは人それぞれ。こうする、というはっきりとした方針が決まっていた方が、費やせる力は大きくなりそうだ。とはいえ、みんなそれぞれが頑張っていることに変わりはなく、難しいところ。とりあえずは人は足りてそうなので、明日でここにはバイバイのつもり。

4月27日

  ウチらの最終日は午前中のみ。犬小屋の掃除と散歩でおしまい。どいつも元気そうで何より。猫はみんな室内のケージでつまらなそうだった。飼い主や里親が見つかりますように。

  石川や広島や三重からボランティアに来ている人もいて、みんな偉いと思う。私はやれる範囲で無理なく手伝うだけなんで、このくらいがちょうどいい。せっかく矢板にいるので、ウチのお墓参りへと向かう。法事以外でお墓に来たのは初めて。ここも墓石や灯籠が倒れるなどの被害が出ていた。お寺のおばあちゃん、名前を名乗るとわかってくれた。二年ぶりくらいなんだけど、顔を見てわかってくれたようだ。お坊さんは名前を言ってもピンとこない様子。まあそんなもんか。ウチのお墓は運良く被害無し。関係ないときにお参りに来るのも大切、だよね。

  帰りは宇都宮に寄って餃子。みんみんを食べて、そのまま、まさかのした道で東京へと向かう。急ぐ帰路でもないので、のんびりドライブ。しかしまあ、震災のつめ跡多し。まだまだ先は大変そうだ。

おしまい

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