湯けむり漂う下呂の道

〜2006年 旅の軌跡 下呂編2〜


3月4日

  日本三大名泉に数えられる下呂温泉。市街地からも高速道路からも遠く、山あいを抜ける国道の一本道。岐阜の山間部に下呂の温泉街がある。夕方に出発し、ドライブに飽きる頃に到着したのは20時過ぎ。飛騨川河川敷の駐車場に車を置いて散歩。温泉街を温かく照らす街灯がいい雰囲気を漂わせている。

  まず夕食。あまり遅いと店が閉まってしまうかも。なんて思いつつお店探し。この時間にやっている店は少なく、商店街の外れにあった「飛騨亭」なる飲み屋っぽいお店に入る。「お食事ですか?」、ええもちろん。外に書いてあった鹿焼きの文字に引かれて、メニューにはないけど「鹿焼きの定食にして下さい」って言ってみる。快諾してくれて、しかもおかわりご自由にどうぞってさ。うれしい話だ。がっつり食いたいからね。他に居た客は4人組みのおっさんと地元のおやじ1人。みんな飲み客。店内には有名人のサイン色紙がいっぱい飾ってあった。テレビにも出たことがある有名店らしい。おかわりもいただいてがっつりと食う。「どちらからお越しですか?」、「三重から。明日のロードレースに出るんですよ」。下呂の冬の味覚、鹿焼きに満足したところで次は温泉だな。「頑張って下さいね」、ありがとう。明日はここの前も通るかもよ。

  24時間やってるのは足湯くらい。夜の足湯めぐり。あまり人が居なくて寂しいような気もするが、街並みの明るさと温泉の湯けむりは何となくいい感じ。浴衣姿のカップルで歩いていたりすると、いいな〜なんて思ったり。ホント浴衣で夜の散歩をするにはいい街並みだから!

  公衆浴場は遅いとこで23時まで。寝る前にたっぷりと温まろうと思って22時過ぎた頃に幸乃湯へと行ってみる。そこそこ人が居たが、のんびりするには十分な空き具合。ジャグジーと打たせ湯で閉店間際まで温泉を楽しむ。本日最後の客になってしまった・・・。

  さて明日は2年ぶりの下呂温泉ジョギング大会。このローカルな街でどんなレースが待ってるのかしら。おやすみっZZZ・・・。

3月5日

  早朝6時。川原の噴泉池にはすでに数名、先客がいた。この寒いのに裸で浸かって、湯上りはどうするんだろ?私は寝起きの体を温めるために足だけ浸かる。とてもじゃないが、この寒いのに裸になる気にはなれん。どんな温泉かって言うとね。河原にあって露天風呂のみ。脱衣所、目隠し一切無し。女性のみ水着の着用可。いろんなとこから丸見えってな場所。3月とはいえ朝の冷え込みは氷点下。座ってる岩だって冷たい。足だけでもなんとなくポカポカしてきたような気になる。温泉のおかげか寒さのおかげか、すっきりしたところでいざ出陣。さあレースに行こうか。

大会レポ 清らかな風に乗れ

  大会後は、参加選手にサービスの温泉券を持って、白鷺の湯へ。ビーナスの足湯が目の前にあるのが印象的な場所だ。ビーナス像が大人気。みんなに写真を撮られていた。昼間から温泉だ。疲れを癒しつつ、今日のレースを振り返る・・・。何はともあれ楽しめたからいっか。湯船から下呂の街並みを見下ろし、いい湯だな〜と。

  風呂上りに大会会場で話したおじさんと遭遇。「これから三重へお帰りですか?」、「ええ。美味いものでも食ってから」と。見た目、美味しいものが食べられそうな店を数軒発見。迷った末に「山びこ」なるお食事処へ。「満席ですが・・・」、合席でもいいんだけど、と大きなテーブルに通される。店内混みすぎ。工芸品やら雑貨やらが店内に所狭しと陳列。なんかにぎやかな雰囲気。アマゴのから揚げ定食をいただく。アマゴ、うまい。

  昼下がりの下呂の街を散歩。温泉入って、美味しいもの食べて、疲れて。もうあとは寝るだけ、みたいな。飛騨川にかかる下呂大橋から噴泉池に浸かる人々を見下ろし、ほのぼの。この適度な人の少なさが、よりいい雰囲気をつくってるかも。温泉のついでにマラソンか、走るついでに温泉か。両方を楽しみに、こんな場所に足を運ぶのもわるくない。土産物屋さんを見て回りながら、話のネタが一番の土産だな、なんて思ったり。そのうち、また来る気がする。温泉とマラソンで、下呂の湯けむりをたっぷりと味わいに。

おしまい

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