旅に恋する北の大地の夏休み

〜2005年 旅の軌跡 北海道編〜


8月9日 火曜日

  夏の陽射しが窓向こうの滑走路を照りつける。羽田空港第1ターミナル、GATE14。行きたいのはGATE35。ってどこだ?!いよいよ北の大地へ。空港での待ち時間からドキドキしてきた。楽しい旅になりそうな予感♪初の北海道へ。旅に恋する夏休みが始まった。

17:25 搭乗予定。眠くなってきた。現在優先搭乗中。待合室には旅行へいくであろう人々があふれている。GATE35からバスで飛行機へ。行き先のせいか時間のせいか、独りの人もけっこういるっぽい。隣はどうやら空席か。後ろの子供たち3,4人、うるさいっ。17:50、から遅れること3分。乗り遅れがいて待っているそうだ。席は空き多し。33番の列は8分の2しか埋まってません。18:00、どうやらやっと出発しそう。テイクオフかっこよくキめて下さい。

18:48 一眠りしてた。外は真っ暗。こうなると空の旅も景色は楽しめず。今回の旅の計画でも立てようか。行きたい場所はいっぱいありすぎ。でも今回は道東、知床中心に行こうかしら。

19:45 女満別空港に着いた。15分遅れ。バスが出てしまう!かと思いきや、飛行機の到着に合わせてくれるようで助かった。女満別空港小さっ。飛行機おりて、荷物受け取りから外へ出るまで5分。地方の空港はそんなもんか?網走駅前までバス。眠る。慌てて起きる。気がつけば、駅前。この旅のナビゲーター、リュウのお迎えあり。発見!そしてあ・ば・し・り・フォ―!久々の再会だ。が、まずは腹減りなので夕食。「こだわりとんかつ かつ里喜」にて、ねぎ塩かつ定食。リュウはミニそば。歯の調子がまだよくないと。親知らず抜いたんだって。21時の閉店間際だった。北海道へ着いたという実感もなく、そのままリュウ宅へ。ついに初の北海道。北の大地に上陸だ。

8月10日

  一夜明けて今、北海道の景色を見ている。リュウの通勤とともに出発。清里町(リュウが住んでる)から斜里町へ。世界遺産、知床の玄関だ。リュウを仕事場へ送り、車を借りる。シビック、マニュアルなり。まず最初はガススタ。ガソリン、空だぞ・・・。134円/L、高っ。今入れないと次どこにガススタがあるかわからないからしかたない。で、東へ。知床へ向かう!斜里岳がきれいに見えてる。

  オホーツク海沿いに走ること40分。北海道最初の観光スポット発見!オシンコシンの滝。人が集まる滝だった。北の果てを走る知床へ向かう国道は自転車マン、ライダー多し。ファイトー☆

  知床が世界遺産に指定されたのは今年のこと。辺境の地が今まで以上に注目され、今年は特に観光客も増えたのでは?知床自然センター駐車場満車。奥の臨時駐車場へ。知床五湖まではマイカーでも行けるとのこと。なら行ってみる。この道からは知床連山が見られ、原生林の中を走る自然にあふれた道。シカやキツネに会った。見上げる羅臼岳に思い馳せつつ、ぎりぎりまで登山を迷う。

  知床五湖駐車場満車。待ちたくないのでUターン。やはり大人気なのか。ここで10時を回ってしまった。雄大にそびえる羅臼岳。きっとあの頂上から見渡す知床は本当に最高に違いない。募る思いはまたいつか。惜しみつつも登山口へは行かず。登りてぇー。

  知床横断道路。この道を走れてよかった。ドライブするだけでもこの景色は素晴らしい。さすが日本の名道100選に名を連ねるだけのことはある。羅臼岳とオホーツク海、それに草木と夏の陽射しが峠へと続くワインディングロードを演出する。知床峠、観光客もライダーもいっぱいだ。ここから見上げる羅臼岳。マジすげえー。登るぞ、そのうち・・・。「羅臼岳」が連発されてるな。それだけ見とれる姿だったぞ、奴は。

  知床峠を下って羅臼町へ。羅臼昆布が有名らしい。県道736号、海沿いをドライブ。この先行き止まり?!たどり着いたのは日本最北東端。相泊橋、これ以上は道も何もない。ソーラーカーだん吉(鉄腕ダッシュ)が来た場所だ!ってことはお昼はそこに見えてる最果ての店「熊の穴」に決まり!ここ一軒しかないんだよね。トド焼定食1360円を食う。初トド、うまい。有名人のサイン多し。やっぱ有名な店なんだ。食後に「最北東端」の証明書をもらった。そうそう、ここで運命の出会いがあった。大卒1,2年目くらいの女の子カメラマン。車で一人旅。人生最高の一枚を撮りたくて北海道を旅してるんだってさ。私との一枚がその一枚になったらいいな、なんて。隣の席で馬鹿ラーメンを食ってどこかへ去っていった。大好きなあの子にそっくりだったなあ。ドッペルゲンガーだ!

  相泊温泉。県道から海岸へ下ったところにあった。岩場に服脱いでおいて、そのままザブン。ちゃんと囲いがあって道路からは見えず。屋根もあり。テトラポットが邪魔で海が見えないのが残念。波の音と潮の香りのみ。女湯はお隣。湯船は仕切られていて、いちおう入入口にも仕切りあり。ただし、男の脱衣所(と言えるかどうか微妙)は丸見えだ。湯船に入っちゃえば、見えないけどね。女の子、迷った末に入るのはやめたようだ。ライダー3人とご一緒する。そのうち二人は隣のセセキ温泉に浸かってきたそうだ。バイクでのんびり旅しているというこの人たちの仕事が気になる・・・。

  セセキ温泉。漢字で書くと瀬石温泉。岩場の中にあって、海岸の一部が湯船みたいな。先客、4人家族と一人旅のライダー。岩場で脱ぐのか?脱衣所とか無いし。岩場の上に服を置く、らしい。5分前に相泊温泉に入ったばかりでめんどー。なので足湯のみ。後から女子大生2人と男1人。あまりの開放感に着替えを手に唖然。入るのを諦めたかと思いきや車へ戻って水着になってきた。そこまでしても入ってみたい温泉だと思うけどね。海岸の上から丸見え。裸じゃちょっと・・・。波の音を聞きながら、波しぶきを浴びていいロケーションだ。満潮時には海に沈むそうだ。

  ヒカリゴケ見物。確かによく光っていた。緑白い色できれいだ。軽井沢かどこかで発見したヒカリゴケは違う光り方だった気がする。でもあまり多くは無い。ちょっとだけね。熊岩通過。東側から見るとそんなでもなかったが、通過後にミラーに映った西側からのシルエットは熊だった。てんぐ岩通過。まあ特にどうということは・・・。てんぐって感じでしょうか。

  知床峠再び。すれ違うライダー同士は手をあげて挨拶をしている。後続のバイクに道を譲っても挨拶していく。微笑ましい。前を走る数台のバイクに続けて、私も車の窓全開で手をあげる。すれ違うライダーの、バイクじゃないのに「えっ?!」みたいな雰囲気が面白い。ツーリングしてぇ。でも自転車は勘弁。峠越えがめっちゃつらそうだった。

  今度は知床自然センターからシャトルでカムイワッカの滝を目指す。知床五湖より奥は一般車両通行止め。砂利道を行く。でも寝る。すでに疲れがたまってる・・・。シャトルバスが着いたのはカムイワッカ湯の滝。温泉を目指そうという人もいるが、ここまで来て満足の人もいる。流れる川底は白黄色。硫黄成分でこんな色らしい。靴履いたままじゃ無理だよ、との話が耳に入る。何それ?!脱げと?いや、裸足も危険らしい。濡れろと・・・?この川の上流にカムイワッカ湯の滝、滝つぼに露天風呂があるのは間違いない。戻ってくる水着の人たちは温泉帰りか。沢登りをすることになろうとは予想外。ビーチサンダルやワラジでアタックしている人もいる。濡れてて滑る。危険なり・・・。戻ってくる人にも生キズがちらほら。見てるそばから転ぶ人もいる。どうする?いつの間にか増えていた仲間と顔を見あわせる。行くっきゃないでしょ、みたいな空気は全員一致。GO!

  けっこう、かなり、相当、苦戦しながらも無事に滝つぼにたどり着く。沢を滑り落ちる瞬間とか目撃してしまいびびったが、滑り台みたいになってケガは無し。ほっとした。こんなつるつる滑りまくりの沢を行かなきゃならないなんて、秘湯気分を盛り上げてくれる演出だ。知床ラブ。滝つぼの温泉を味わいながら感動に浸る。しょっぱい。硫黄泉。10円玉を洗ってみる。きれいになった。温泉に入らない沢登りツアーみたいな団体さんも来た。水着だからね、もちろん。女の子もいたからさ。帰りは水着のまま戻ってくる。行きに靴を濡らさずに行けたせいで油断したか。転ぶ。デジカメ死守。擦り傷多数。帰りのシャトルバスが駐車場に着くと、それはお別れのとき。明日も良い旅を〜。そしてみんな次の目的地へと去っていく。世界遺産知床、その一端に触れただけだが、でも自然っていいなって。あ、今さら気づいたが、サングラスを失くした・・・。沢に沈んだな。

19:00 斜里町へ戻った。100円ショップで濡れた靴代わりのサンダルと歯磨きセットを買う。国道沿いでお食事どころを探す。「しれとこ里味」に決定。オーダー、海鮮祭丼。海鮮で、しかも祭り。うめぇー。海の幸がどっさりだった。ウェイトレスのお姉さんと一人旅トークで盛り上がる。多分こっちはライダーの一人旅とか多いんだろうなあ。かわいい笑顔をデザート代わりにバイバイ。暗闇の中、今朝走った道を運と勘でリュウ宅へ戻る。2泊目、お世話になります!

  まったりする間もなく、「行くぞ、夜のドライブ!」、どこへでも連れて行ってくれ。ノリノリで歌、シャウトFuuu〜!着いたのは霧の摩周湖。ではなく、闇の摩周湖。誰もいないし、真っ暗で何も見えん。立て札が無かったらホントに摩周湖かどうかもわかんないじゃん。夜空に瞬く星の声に耳を澄まし、北の大地を踏みしめる幸せを感じてみた。そんな夜。

  帰りの寄り道は川場温泉。牛のエサが二巻きも道路に転がっていたが、あれに突っ込んだらやばいね。23時半の足湯は当然ながら誰もいない。温い。でも浸る。そんなこんなで帰ったのは深夜1時くらい。明日は斜里岳に登るつもり。だが、起きられるのか?リュウは北見まで抜糸(親知らず抜いたばかり)に行くと。その前に登山口まで送ってもらい帰りはヒッチハイクか。誰かいないかしら・・・。

8月11日

  斜里岳への道遠し。さっぱりわからん。人んちの砂利道とか林道っぽいとことか行ってみるが斜里岳の姿遠く。タイムアップ。リュウの歯医者に付き合って北見へ。それがどこだかわかってないけど。車内、寝不足のため爆睡。リュウの治療中も車内で寝てた。北見市内では車からおりず。ただのドライブだったか。昨夜遅くまで遊びすぎなんだってば。夏休みに入って遊びっぱなしで体力も尽きてたし。

  仕事場にリュウを送り届け、行く先は摩周湖!昨夜は何も見えなかったから、ちゃんと景色を見なくては・・・!行ったのは裏摩周展望台。観光地化している表とは違い、ここは静かなもんだ。ライダーがほとんど。マニアックな場所だが、なかなか来られないぞ。虫多し。奴ら刺したり咬んだりしてくる。うざいっ。

  裏摩周から斜里方面へ戻る途中に神の子池なる神秘の泉がある。行かねば。砂利道を5分。バイクは苦戦していた。ここも虫多し。池は・・・神秘だ。青い。エメラルドか?湧き水がハンパじゃなく多いんだってさ。摩周湖あたりからの地下水脈で通年湧き続け、冬でも凍らず。これもまたさらにマニアックな場所だ。透明で青い池。神からの贈り物だ。

北の国から byリュウ forうっちゃん

アイしてるなら
キミが行け
アドベンチャーなら
キョウコウグン
アタラシイものを見つけたい
キミは清里においで
アバタな
キミはえくぼ
アカルイ未来に
キミがいる

  屈斜路湖に突き出した和琴半島へ、野天の温泉を求めて行く。しかし、誰も入っていない。湖畔で、水遊び場の隣じゃん!裸は無理だな。くそ熱いし。湖であそんで冷えた体を温めるのにはいいかも。今は手だけで十分。夜か朝にひっそりと入るのがいいんだろうね。キャンプ場は大盛況。停まってるバイクの数も多すぎ。数える気が失せるくらい。美幌峠も走りたかったが、それはまた今度。阿寒湖も同じく。北海道、時間がいくらあっても足りねー!

  屈斜路周辺には温泉も数多い。湖畔の「砂湯」。水辺の砂を掘って温泉を湧き出させる。砂風呂と温泉と両方混ぜたみたいなもんか。「池の湯」は湖とつながっている。脱衣所らしき囲いが男女一名分ずつある。混浴だってさ。でも誰もいないので、すっぽんぽんでドボン。あ、岩かげに先客がいた。女の子じゃなくてよかった。いやよくない?湖からは水上バイクが迫る。水着の集団がひとっ風呂浴びて去っていった。陸ではなく、湖から来るとは、なかなかやるなあ。湯船の底はコケだらけ。すべる。バイク乗りの若者二人組。道東の温泉をはしご中。50歳くらいのおっさん二人組はこの近くのキャンプ場を拠点にバイクで旅してるとのこと。帰りのフェリーの切符はまだ取れてないらしい。仕事は?!

  ガススタに寄ったら旅マップをくれた。旅行者へのサービスらしいが、地元ナンバーでレンタルじゃないのに、旅行者っぽい雰囲気が漂ってるんだろうなあ、自分。

  北海道最後の夜。今日は、いや今日も何か海の幸が食べたい。リュウ宅の近くにあるそこそこ有名なすし屋へ。店の名前は・・・忘れた。おいしいと評判の店らしい。並寿司680円、上寿司880円。安い。ウニの巻物ものと上寿司をいただく。美味。これは安い!東京ならこれの3,4倍の値段は取れるな。親知らずの後遺症、今日抜糸したばかりのリュウ、ろくに食えず。遠慮なくがっつり食う。リュウは巻物のみ。ふっ♪

  清里町をやっとまともに歩く。道も町並みも整備されてるなあって印象。田舎町でも新しいんだろうね。税金いっぱいあるのかな。コンビニまでお買い物ついでに散歩。のんびりな夜だ。お世話になったリュウ宅の紹介。3LDK、6畳3部屋に10畳のリビング、暖炉つき。風呂トイレ別。独りで住むには広すぎ。どうやらお隣は家族で住んでいるとか。広くていいなあ。散らかってても散らかってるように見えなかった。冬は一部屋にこもるそうだ。

8月12日

  北海道最終日。7:30起床。帰り支度。リュウの出勤とともに知床斜里へ。また来るから。そう言い残して、リュウにさらば。網走へと向かう。ワンマン電車一両編成。部活の高校生、旅行中の外国人、観光客などなどで電車内は混んでいる。窓の外は北海道な景色が続いている。

9:30くらい 網走駅に着いた。まずは空港行きのバスをチェック。11:53だ。2時間はさまよえる。駅前のレンタカーでレンタサイクルを借りて爆走することに決定。借りたマシンはレンタサイクルNO.8。まずはオホーツク海へ。いっぱい見たけど、まだオホーツク海には触れてない!太陽がじりじり照りつけ、防波堤の釣り人も暑そう。自転車で走ってきた私はその倍は暑く感じてる。岩場で海水に触れ、波打ち際から網走の街を見渡す。網走港をさまようも何もない。道もない。ハマった。

  この街にも自転車マン多し。コンビニ前には10人以上集まっていた。チャリンコの旅の途中だ。楽しそう。混ぜてもらう。ロードバイク、マウンテンバイクに混じって、レンタサイクルのママチャリ。同じペースで走る。「速いっすね?!」、笑顔で「足はマジでこいでますから!」と、そのまま旅のチャリダーたちは網走から次の街へと走り去っていった。見送る私の最後の目的地は網走湖。駅から5km以上離れてるけど、バスの時間には行って戻ってちょうどいいくらいか。空港行きのバスに間に合えばいいわけだから、迷わずGO!

  ロードバイクとすれ違い、あいさつするレンタサイクルNO.8は国道を爆走。湖畔のサイクリングロードに入ってパワー全開。ママチャリのスピード、限界までこぎきって展望ポイントへ。11:12、網走湖を一望して風に吹かれる。駅前までの5km以上を最後のスプリント。北海道、最後の見せ場はレンタサイクルのスパートか。11:40、駅前のゴール。お土産を買う時間もあった。余裕じゃん。バス停に並んでいたのは、一人旅の福岡からのお兄さんと静岡からのおじいさん。この二人がこの旅、最後の出会いか。帰り道もお気をつけて。11:53、女満別空港行きのバスに乗る。お土産がじゃま。

  女満別空港近辺、来たときは夜だったから何も見えず。でも昼間でも何も無い。12:55発東京行きは、14:40頃羽田着予定。隣の席には千葉から来たおばさん。北見が実家だそうだ。ラストを飾ったのは千葉のおばさんだったか。

  強行日程の3泊4日ながらも、まあ十分に遊んだ方でしょう。山に登れなかったのは残念だが、また次回のお楽しみということで。今回の旅で、行きたい場所も増えたし、一人で旅するにはもったいない場所もいっぱいあった。バイクや自転車の旅ってのにも憧れるし、何より人との出会い、旅人との出会いに楽しさを感じた。東海地区から女満別への直行便は無いそうだが、道東に限らずに、行けるとこは行きまくりたい。時間が無いのが悔やまれるけど、いつもの行動力をもってすれば、どうにでもなる!はず。そんなわけで北海道、また必ず来るぜい♪東京行きの飛行機、帰りも良い空の旅をお楽しみ下さい。GOOD LUCK!

  以上、旅の良さをよりいっそう感じた、旅に恋した夏休みの北海道、ツアーノートより生の声をお届けました。北海道、ありがとう!

おしまい

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