真白な時は風にさらわれて

〜2003年 旅の軌跡 上越国際編〜


  毎年恒例?のワセハンで行くスノボーツアー。今年は上越国際スキーへ。なのに宿は石打丸山スキー場のすぐ近く。そうと分かっていれば石内丸山にしたのに・・・。2月19日、ワセバンというラブワゴンに集まった8人の若者。雪の積もり具合が気になるが、無事にバンが走れることを祈って、新潟へ。テンションは上がるばかりの関越トンネル。トンネルを抜けると、そこは・・・普通に晴れ。昨年は雪国だったので、期待していたのだが。山々は雪化粧。でも道は問題なし。宿に着いたのは昼頃。早速、上越国際スキー場へ。初めて行くとこだ。レンタルをさっさと済ませ、滑る気満々。でも駐車場がどこも満車。山をちょっと上った所にあるスキー場の端っこの駐車場に停めた。すでにここは雪だらけ。レッツ、GO!

  初心者は何人だ?スノボーの2人だけか?他はいちおう滑れるっぽい。板のはき方を教えて、すぐに上へ。容赦ないやり方はいつものこと。滑ってみればわかるでしょ。と、思っていたら、ここのスキー場、初級者コースから容赦ない。これは無理だろ・・・。でもがんばって下りてきてくれることを願いつつ、慣らしに軽く滑らせてもらう。ボードが随分傷んできたが、その分、腕も上がってきたような。たっぷりとスノボを楽しみますか♪さてさて、ラブワゴンのメンバーを紹介しよう。まずは昨年のハーフパイプでヒーローになったエンドー。これと対を成す食欲魔たら。初ボードのなっちゃん&しんちゃん。スキーの河原&岩と語る男、杉山さん。岩を壊すボーダーたえ。雪にまみれる男、私。以上8人が今回の雪原の大地で繰り広げられるドラマの登場人物です。

  初めてのスキー場はどこに何があるかわからないからおもしろい。初級者コースだと思ったら、いきなり急になったり、コースアウトして大変な目にあったり。上越国際はとにかく広い。しかも楽しみどころ満載。でもボードにはきついところも満載。けっこう狭くて長いコースが多いのが特徴か。おかげでレースが楽しめた。初日のみんなの腕前は・・・昨年一日にしてあっという間に上手くなったなっちゃん、今年はスノボーで大苦戦。ヒーローらしくエンドーはなかなかの滑り。堅実な杉山さんは雪の下の岩と会話か。河原は派手目なウェアがはまってる。しんちゃんのこけっぷりも上達ぶりもいい感じ。雪まみれでかわいさを出すかと思いきや、ギャフンみたいな転び方でかわいさの薄れたたら。雪原を暴れ狂うたえ。それに巻き込まれる私。みたいなイメージかしら。

  ちょっと滑ったら、すぐにお昼。腹減って力が出ない。エネルギーを充電したら、あとはもう滑りまくり。コースアウトもクロカンも何でもあり。エンドーのハーフパイプを期待したが、不発だった。林間コースや迂回コースがいっぱいで、人さえいなければ快適な場所ばかり。難点は人の多さ。トップシーズンよりは空いているとはいえ、なかなかの賑わい様。スキー場で見る女の子はみんな8割増。男も5割増。みんな、かわいく、かっこよく見える。つい自分に酔って滑ると、ズガッとこけてそこら中を強打。星が飛び散っていた。

  早朝出のため睡眠不足。久々のボードに体力不足。学生ゆえに金銭不足。おっと、これはちがうか・・・。ナイターまでたっぷり滑った。ライトアップされたスキー場はとてもいい雰囲気。こんな中で滑ったら、みんないい気分。で、みんな疲れきって、滑り終わって、飯が終わって、温泉に行って、帰り着いた頃には、見事にみんなダウン。夜がどうだったかなんて覚えてないぞ。そんな感じで初日終了。晴天の中、気持ちよく滑った。

  朝、早起きしたらいい。気がついたらスキー場にいた。今日もがんがん行こうか。みんなそこそこ滑れてきた?感覚も戻ってきた?ってことで頂上へ。迂回コースもあるし、何とでもなるでしょ。ところが事件発生。しんちゃん、崖から滑落。しそうになって、助けたたらが滑落。じゃなくて、たらの外したボードが一人で滑ってった。外して置いといたやつに他の人が突っ込んだんだって。問題なく回収できたが、板無しでスキー場を歩く姿はなんかかなり変な感じ。てっきりしんちゃんバイバイかと。

  滑る人たちはガンガン滑りまくる。岩との対話もそこそこに急斜面を攻めた杉山さん、生還を祈るのみ。エンドーは一眼レフを抱えて、慎重な滑りだ。転んだらカメラがやばいな。たえと私はレースか?腕の差でついていくのが精一杯だが。私もデジカメを構えて、みんなを激写。こけてるところやかっこいいところなどいい絵が撮れた。8人もいるとどこかしらで誰かに会うかと思ったが、広いせいでなかなか会いづらい。ていうかはぐれるとまず会えない。いったいみんなはどこでどんな滑りをしていたんだ?

  昼過ぎ、天気が崩れた。雪かと思いきや、大雨。上の方は雪だったらしいが。みんないろんなところに避難。たまたま上の方にいた人たちは吹雪かれたとのこと。下に私はスキー場真ん中にあるホテルに逃げ込んだ。たらと二人、冷えた体を温めあって、じゃなくてホテルの暖房で温まって雨が弱まるのを待つ。ホテルのロビーにはそんな人たちばかり。めちゃ込んでいた。駐車場近くのレストハウスに戻ったときには、雨や吹雪にやられて、みんな燃え尽きていた。これで今日のナイターはいいやってことに。たっぷり滑ったし。

  今夜も昨日と同じ温泉へ。ところがわずか5分の道のりで、雪が降り出し大変なことに。ラブワゴン(ワセバン)はタイヤを滑らせながらもなんとか温泉に逃げ込んだ。温泉を前に一仕事。チェーン付けに悪戦苦闘。が、たっぷり湯に浸かって出てくる頃には、雪はほとんど止んでいた。食後、昨年のヒーローは今年も活躍。明日朝には帰るエンドーはただ一人、小雪の舞う中、ナイターへ行った。彼が孤高の人になった瞬間だった。他のみんなは暖かい部屋でのんびり飲みながら、アフターを満喫。いや〜この心地よい疲れがいいねえ。なっちゃんは飲み始めて元気になったが、他はみんな疲れ気味。たえは飲みながら爆睡、たらはアザだらけの体に筋肉痛、ナイターから生還したエンドーは燃えカスになっていた。

  最終日、エンドーは電車で一人去る。昨夜、東京行きのチケットを受け取ってもらえなかったか。結構滑れるようになったら、みんなノリノリだ。上越国際の最深部を目指し、杉山さん、たえと3人、リフトを乗り継ぐ。昨夜の雪で真白に染まった雪原。そして悪化する吹雪。そんな中、何とか山頂を制し、再びみんなのところまで長い長い旅路。スキー場で遭難するかと思った。メインのコースの方は天気もそこそこで頂上部の吹雪は何だったんだか。ノンストップで滑りまくるこけまくる7人。真白な時は風にさらわれて、新しい季節を運ぶがごとく、スキー場の風になっていた。気分だけはね。

  おやつの時間を待たずに、今シーズンのスノボーを終える人たちも。たっぷり滑ったから満足か。元気な奴らは最後、スキー場の一番下まで滑って終了。そこには迎えのラブワゴン(ワセバン)。先に上がった人たちが待っててくれた。こうして上越国際スキー場にさらば。ハートは熱いが冷えきった体を温めるべく、温泉でまったり。ライトアップされたスキー場が夜の山々に浮かび上がる。白く染まった街並みを背に、来シーズンが待ち遠しくなる雪国との別れを惜しむラブワゴン一行であった。

おしまい

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