なめろうを求めて

〜2000年 夏休み日帰り旅行記 鴨川編〜


  朝から天気はわるかった。巣鴨に9時集合だったが、車に乗ったときはすでに雨。しかし、「なめろう」を求める決意はかたく、「海に入れないまでも行けるところまで行くぞ」という結論に至った。8月31日、小学生的には夏休みの最後の一日を、臥倶、フミエモン、私の3人は鴨川へと向かった。車は今回は臥倶に出してもらった。ブレーキをかけるとちょっと変な音が聞こえたりしたが、乗っているうちにそれも聞こえなくなった。雨のなかを海へと出発した。

  月末のせいか車は多かった。都内は特に多くて、渋滞ではないが何とか流れているといった感じ。それに加えて道も間違えたりしたから、けっこう出鼻をくじかれた。フミエモンと会うのは初めてだったが、普段からネット上では会っていたので初対面って感じはあまりしなかった。臥倶の運転で都内を抜け、千葉に入ってからは少しは車が減った。千葉市を抜けた辺りのコンビニで休憩。ここで運転交代。慣れない車で、って言っても、オートマだからほとんど問題なし。ウィンカーが普通の車と反対側という点だけ違和感があったが、すぐに慣れた。なぜか夏休みは人の車を運転することのほうが多かった。市街地を抜けてからは順調に進んだ。途中で亀山湖に寄ろうと思っていたが、通過してしまったので、そのままノンストップで鴨川へ。通過した有料道路は無人の料金所だったが、お釣りのいらない小銭は穴に放るという変わった機械だった。

  鴨川の駅前に着いたのは1時半頃。見覚えのあるジャスコを見つつ、海岸へと向かった。コンビニで昼食を買ってどこか良い海岸はないかと車を走らせると、仁右衛門島までも過ぎてしまい、荒れた岩場のみになってしまった。同じ道を引き返そうとしたら道路の都合で変な方向に連れて行かれた。結局行ったのは八岡海水浴場。鴨川松島で有名な場所で、道路から崖を下りたところにある砂利浜の海岸だった。8月31日はもう季節外れだったらしい。海の家がないだけでなく、人さえもいなかった。この海岸にたどりつくのさえ大変だった。道路から下に向かう怪しげな道は、最初に行った道は行き止まりで海岸までたどり着けず。次に行った道はクモの巣が張るほど人が通ってなかったらしい。それでも何とか海岸に着けたから良し。人がいないのは不安だったが、貸し切りだと思えば問題なし。天気もところどころ青空が見えたし、水も思ったより冷たくないし。そんなわけで海に入った。

  水は濁り気味だったが、まあまあきれいだった。海藻が気持ち悪いのはいつものこと。シュノーケルを持って行かなかったから水中は見れず。さらに問題だったのはバスタオルも持っていかなかったということ。まあ適当に乾かしてからスポーツタオルで何とかしたが。2時間くらいはここにいた。その間、見た人は通過して行く釣り人が2人だけ。海岸に3人だけでいる光景は何となく未来日記風。そう思ったのは私だけか?

  いいタイミングで海からあがった。鴨川まで戻って、駅からすぐの海岸を見に行った時には雨が降り出していた。砂浜にいるのはサーファーのみだった。ここに来るのにも、通行止めの橋や、漁港などをさまよった。夕食の「なめろう」まではまだ時間があったので、海を眺めながらボーッとしようと思ったのだが、降りしきる雨のせいで海を前に車の中。去年もそうだった気がするが、ジャスコで暇つぶしということになった。臥倶はそばの枕を購入。帰り道、車内で寝るのに使う気らしい。店内をうろついてから、ついに今回の目的「なめろう」に向かった。夕食を食べた所は「地魚処すずき家」、記憶に頼って探したがすぐに見つかった。去年食べておいしかった店である。そうそう「なめろう」とは南房総名物の料理で美味しいものである。詳しくはしらんが、魚を料理したやつ。店はすいていて、うちらの他は1組いただけ。いい感じの雰囲気の店内で、待望の「なめろう」と再会。美味しくいただいた。刺身やサザエの壺焼きも美味しかった。お酒が欲しかっただろうに、運転の都合上、飲めなかったのでは?私は食べれば満足だけど。

  夜になって雨はほとんど止んだ。山道が雨だと最悪なので、これは助かった。鴨川からしばらくは対向車も含めて車が全く見あたらず。満腹感もあって、臥倶、フミエモンとも眠ってしまったときには、山道にもかかわらず眠ってしまいそうだった。デザートにミニストップのティラミスパフェを食べたかったが、あるのはセブンイレブンばかりだった。休憩も多めに、運転も交代でのんびり帰ってきたつもりだったが、行きよりもずっと早かった。帰るか臥倶の家に泊まるか、話ながら走っていると、行くときに道を間違えた辺りで、帰りも間違えてしまった。わかりにくかったらしい。もとの道に戻って臥倶の家に泊まりが決定したところで、帰り道に白山のリバティーでビデオを借り、臥倶の家へ帰った。夜は「シックスセンス」を見つつ、海と「なめろう」とドライブの余韻に浸った。疲れのあまり、見えないものが見えてしまいそうな3人であった。今夏の日帰り旅行もこれで最後か。臥倶とフミエモンは勉強が待っているそうだ。

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