ワセハンクリパ

〜2000年 サークル旅行記 鬼怒川編〜


  なぜクリスマスパーティーと言いつつ、一泊旅行であるのか。そんな疑問を感じつつも、温泉に浸かるべく選んだ地は鬼怒川。ワセバン不在という危機的状況にも負けなかった、るんるん気分のクリパ旅行をどうぞ。

  12月18日月曜日、高田馬場に9時集合。車で家を出る時には余裕で間に合いそうだった。しかし、出発してすぐに遠藤から電話があった。「すいませ〜ん、30分くらい遅刻しそうです」。・・・。いきなり出鼻をくじかれた。それだけではない。月曜の朝ということで道は混んでいた。なかなか馬場に着かない。はやしさんから「ま〜だ〜?」。やっと着いたら、吉田と酒匂がいるらしいが見当たらない。どうせしばらくは遠藤待ちだから、どうでもいいが。予定外の5人になってしまったソアラはでかいクリスマスプレゼントもあって、荷物がトランクに入りきらない。他の場所に集合した人々は時間通りに出発できたのか気になるが、なんとか40分遅れで出発できた。

  全員が集まる予定の場所は東北自動車道佐野SA。11時に集まるはずだが、ソアラはすでに遅れることが決定。千葉組のスターレットはメールでほぼ問題なく着きそうなことがわかった。秋葉原集合のグロリアはどうなっているのだろうか。ほぼ時間通りにみんなが着くのか心配である。道路は思ったより流れていた。東北自動車道の入口がなかなか見つからなかったが、道の間違えようもなく浦和ICから高速へ突入。あとは安全に爆走である。集合時間の10分前に「スターレット着きました」のメール。うちらはまだ佐野SAの表示さえも見ていなかった。

  10分か20分遅れ?で最後に佐野SA入り。ほぼ時間通りの到着(?)。40分遅れのスタートのわりには早く着いた方だろう。みんなもう待ち飽きていたっぽい。クリパの直前に誰もいない平日に一人で初飛んだというたらちゃんから、初飛びおごりに団子をもらった。おいしかった。その前にはあいすけも初飛んでいて、クリパを前にしてみんながんばったらしい。ソアラはここではやしさんと運転交代。グロリアは伊藤さんのだった。みんな集まってテンションが上がるなか、3台が無線で騒いでいるうちに、宇都宮IC。あとは一般道で鬼怒川を目指した。

  日光街道沿い、地図にも載るほどの立派な杉並木がところどころにあった。道の両側に数百年の樹齢を重ねて、昼でも薄暗くうっそうと茂り、タイムトンネルをくぐり抜けたような感じだった。花粉を考えると大変だろうが。荘厳な杉並木を抜けたところで、とりあえず右折、さらに左折。一瞬道がわからなくなったが、青看板を発見してコースに復帰。鬼怒川はもうすぐそこである。そろそろみんな腹が減ってきたらしい。無線で腹の音が伝わってきたような気もする。

  昼食を無事済ませると、この旅行の最初に発生したイベントは巨大迷路パラディアムであった。広い駐車場に対して、すみっこにひっそりと立体迷路。うちらの他には車が1台もなく、みんなからは「これが巨大迷路〜?!」と文句ぶーぶー。でも、流れでみんなの足は迷路へと向かった。12人の参加でクリアタイムを争うレースが開催。これが思いがけない展開を生んだ。時間差でみんな次々と迷路に消えてゆく。迷路が狭いのか、一斉に入りすぎたのか、迷路内ではみんなに何度も遭遇。一般客も2,3組いて、なかでも口の悪いお子様は強敵だった。変な方向に連れて行かれたり、まとわりつかれたりした。

  みんな続々とゴールして、スタートから40分ほどが経過。まだ迷路内をうろついているのは、石田さん、はやしさん、遠藤の3人。迷路全体が見渡せる場所から、すでにクリアしたみんなで3人がうろつく様子を観察。クリアした後で、こんなに楽しめるとは思ってなかった。とても面白かった。スタート地点にまで戻って来た石田さん。へろへろしながらさまようはやしさん。同じ階段を上ったり下りたりの遠藤。「巨大とか言いつつ小さいじゃん」と最初は思ったが、やってみた結果、これくらいの大きさで30分以内にクリア出来るくらいがちょうどいいと感じた。それ以上迷路をさまよったら気が狂いそう。

  1時間経過。どうしようもなくなったはやしさんが発狂する前に救出しなくては。酒匂、吉田が再び迷路内へ。ふにゃふにゃのはやしさんを連れてゴールに戻ってきた。やっと出られたときの彼女の表情がとっても素敵だった。心の中では「このメンバーでなら絶対ビリはないと思ってた」という。で、結果はというと、1位酒匂14分、2位岡田、薄井の20分。あとは1分刻みに続いて、ビリは読んでのとおり。20分以内だとちょっとした景品がもらえるということだった。で、ちょっとしたハンドタオルを5枚もらった。14分でクリアした酒匂はすげえ。ちなみにレコードは8分だとか。

  次なるイベントを求めて川治温泉へ。地図には道が載ってなかったが、川沿いに露天風呂「薬師ノ湯」とやらがあるはず。迷った末に地元の人に道を聞いたが、温泉に着く頃には真っ暗になってしまった。そういえばここに来る途中、道路沿いに猿を3匹発見した。で、温泉に入ろうとしたわけだが、お買物で高木、岡田、はやしさんは再び市街地へ。残った10人は露天風呂へと向かった。やっと着いた温泉に入ろうと、男湯へ歩いて行く。すると後ろから女性陣(あいすけとたらちゃん)が叫びながら走ってくる。「外から丸見え!なんですけど・・・」。「なに?!」。聞くところによると、川を挟んだ向かい側のホテルの客と目が合うらしい。柵があってもないようなものだとか。女の子にはわるいことをしたが、温泉でお湯遊びをしていてもらい、男どもは露天風呂を満喫した。確かに外から丸見えだった。風呂上がりにしもへーさんと遠藤のセミヌードを撮ってしまった。ここに載せられないのが残念。

  ホテルに着いたのは18時半頃。鬼怒川観光ホテル別館。正面に車をつけると、「車をお持ちします」。「いや、それより荷物を」とか思ったりした。正面入口には大きく「早稲田ハングパラグライダークラブ御一行様」と書かれた立て札がある。中に入るとこれまたいい感じのホール。想像以上の豪華さにおどろいた。チェックインをしていると「宴会は7時からでよろしいですか?」と聞かれる。宴会?そんなこと言った覚えはないが、まあいいか。買い出し組みの到着を待って夕食。宴会場へ行くとそこにも早稲田ハングパラグライダークラブの文字があった。しかも個室で貸切だった。とはいっても、障子で仕切ってあるだけなので隣の部屋からすばらしい演歌としけた拍手が絶えなかったが。料理もとても豪華。こんなに食べられないっていうくらいお膳いっぱいに載っていた。食べ終わって部屋に戻ってすぐに飲み会の準備を・・・とならないくらい満腹になった。

  さて、ここから幹部3人でクリスマスケーキ作りが始まった。男3人でケーキを作る姿はあまり見たくないような・・・。群がる女性陣にバナナとイチゴの切れっ端を与えつつ、生クリームを塗って、フルーツをのっけて、工藤初段にチョコで文字を書いてもらい完成。以外にはやくできた。あとは隣の宴会部屋に形を崩さないように運んで準備完了。みんなに持ってきてもらった酒類やお菓子、なぜか漬け物までがテーブルに並び、ついにクリパらしくクリパが始まった。この瞬間をどれほど待ち望んだことか。「メリークリスマース!」。宴は延々と続くのであった。なぜその様子を書かないのかって?それは飲んでいたのと途中寝ていたので、詳しくは憶えてないから。あ、ケーキはおいしかったよ。三切れも食べたし。全然続かない山手線ゲームとか。ん〜、女の子の浴衣姿もかわいかったことにしておこう。プレゼント交換もやったっけ。みんなが欲しがるようなものから、欲しくないものまでいろいろ出そろっていた。プーチは大人気だったけど、今頃はやしさんの家ですねてるような気がする。

  22時に始まった飲み会がお開きになったのは、5時ぐらいだった。最後まで残っていたのは5,6人。せっかく温泉に来たんだから、入らないわけにはいかない。朝風呂?は気持ちよかった。でも疲れがどっと出て部屋に戻ったら眠気がおそってきた。6時半くらいに杉山さんが起きてきた。すっかり忘れていたが岡田はこの日の朝に帰る予定だった。ほとんど寝ずに岡田はここでさらば。杉山さんに駅まで送られ、一足先に電車で帰った。見送ったかどうかあいまいだが、そのうち眠ってしまった。

  19日、寝た気がしないが、朝食の時間になったので起きた。昨日食べ過ぎたせいで腹は減ってない。バイキングだったからフルーツとデザートっぽいものだけ食べた。寝ていて朝食を食べなかった人もいたかも。そうそう布団の上げ下げはルームサービスでやってくれたのだが、昨日の夜は宴会部屋は布団はいいって言ったら、「寝ないんですか?」って、変な人を見るような目で見られた。部屋に戻ったらちょうど布団を片付けに来てくれたところだった。困ったのはゴミ。あまりに大量に持ち込んだため、その分のゴミがいっぱいあった。夜のうちに外に捨てに行ってくれたのだが、ロビーには常に人がいて、ゴミを持って外に出られなかったらしい。ちなみにいちおうここのホテルは持ち込み禁止だった。

  チェックアウトぎりぎりまでいて、慌ただしく出発。最初に見つけたコンビニでゴミを大量に捨てさせてもらった。2日目のメインイベントはアイススケート。鬼怒川から日光まで車で移動すること30分。アーデル霧降高原スポーツバレイというアイススケート場に行った。人も車も全然見当たらないので、休みかと思ったが、平日の午前11時では人がいなくて当たり前か。行ってわかったことだが、ここはアイスホッケー日本リーグの日光アイスバックスの本拠地であり、国体も開催したことがある本格的な施設だった。この日も屋内リンクはアイスホッケーの公式練習とかで貸し切り。でも、初めから屋外400mリンクで滑りたかったので、問題なし。人もほとんどいなくて屋外リンクは早稲田ハングパラの貸し切り状態だった。

  アイススケートは、久しぶりという人から初めてという人までさまざま。みんながまだ氷の上をびびり気味に滑り出そうとしていると、すでに1周して軽快に滑っている人がいた。石田さんだった。「いや久々なんだけど」とか言いつつも余裕みたいだった。都内には400mのアイスリンクなんてないから、多分ほとんどの人が初めてだと思う。100mのリンクだと小さく感じるけれど、400mは以外に大きかった。滑る相当きついことがわかった。「誰が最初に転ぶかな?」とか考える間もなく、辺りに響く鈍い音。まだ全員が氷上に立つ前に、膝から崩れ落ちていたのははやしさんだった。

  みんながだんだん慣れてくる頃に放送が入った。「黒のグロリアでお越しのお客様、お車の移動をお願いします」。いくら他に車がないからってバス停の前はまずかったらしい。伊藤さんは仕方なく車を移動しに行った。みんな思い思いに滑りまくる。そして転びまくる?夢中になって休まずに練習し続けるたらちゃん、同じく転んでも練習し続けるあいすけ。転びそうになりながらもなんとかカッコ良さを求めようと?しているしもへーさん。さりげなさをよそおうとしている高木。長野五輪金メダリスト清水を真似て豪快に転ぶ伊藤さん。なぜか滑るより走ったほうが速い杉山さん。吉田、酒匂も昨日の迷路ほどは調子が良くないようだ。遠藤はどこを迷走している?午後になると他にも団体さんが現れた。早大のゼッケンを付けていたので、早稲田のシーズン体育の授業だと思われる。

  全員が滑れるようになったということで、リレー開催。チームが誰だったか憶えてないので、アンカーの様子だけ。1回目のリレーは杉山さんと遠藤のデッドヒート。逃げる遠藤を杉山さんの氷上ダッシュが追う。写真判定を思わせる微妙な鼻差で遠藤の勝利!杉山さんのヘッドスライディング及ばず。なかなか盛り上がる展開だった。たっぷり滑った後で最後に2回目のリレーを開催。お腹が減ってきたところでのリレーだけに力が入らなかったようだったが、なかなか楽しめたと思う。石田さんとはやしさんのアンカー対決。半周近いリードで余裕たっぷりのはやしさん。しかし、鈍い音を響かせて膝から転ぶ。なかなか起き上がれない。石田さん猛追。はやしさん再び転ぶ。またも鈍い音。起き上がれず。石田さん逆転!迷路にははまった石田さんだったが、氷上では一番だった。スケート場に響いた鈍い音の原因だったはやしさんは転ぶたびに肘と膝を強打し、青あざでお嫁に行けなくなってしまったとか。人には見せられない色に変色していたらしい。もっと普通に転べなかったのだろうか。いや彼女にとってはあれが普通だったのかも・・・。後日しばらくは肘膝ともに痛くて思うように動けなかったそうだ。

  アイススケートを満喫した後は日光市内をさまよい、JR日光駅前のあやしげな店で16時頃に遅いお昼、そして帰路についた。食後30分ほどして無線が入る。たらちゃんから「あの〜食事はしないんですか?」。いちおう返事してあげる。「・・・それは夕食でしょうか?さっき食べたのは?」。「・・・。そうですよね、さっき食べましたよね」。まだ食べる気だったのか、あの程度の量では満足しないのか。たらちゃんおそるべし。

  帰り道、高速道路は渋滞の表示だったが、大した渋滞にもならず、順調だった。最後に方面ごとに別れる前に、みんなで待ち合わせたのは蓮田SA。ここで早稲田ハングパラの危うい結束と今回のクリパ終了を告げる円陣。差し出した手を重ね、何事もなかったかのように引っ込める。みんな心の中で「おつかれさまでした〜」。で、ソアラはどうしたかというと、吉田を送り、はやしさん、遠藤を下井草へ。他のみんなも無事家に帰れたらしい。帰宅途中の頭の中は、みんな「次はいつ足尾に行こうかな」。車内にはマライア・キャリーの恋人たちのクリスマスが流れていた。「All I want for Christmas is you...♪」。今さらながら、クリスマスパーティーだったことを思い出した。

おしまい

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