白馬の王子様

〜2005年 旅の軌跡 北アルプス編3〜


【旅のミチシルベ】
◆目的地・・・白馬岳山頂。
◆やりたいこと・・・北アルプスの雲の上で星空とご来光を見る。
◆泊まるとこ・・・白馬山荘、一泊二食8700円。
◆温泉・・・塩の道温泉、倉下の湯。500円。
◆交通費・・・白馬駅前駐車場1000円/日、白馬駅〜猿倉980円、栂池パノラマウェイ1720円、栂池〜白馬駅540円。

【旅の軌跡】

7月22日

  松本ICを出るとそこは北アルプスへの入り口。そんな雰囲気を感じるのは登山が目的の人だけか。失敗した。豊科ICでおりればよかった。国道を北上。高速から離れ、田舎道を爆走。セブン発見。食料のお買物。今回の山旅の連れ、越前守の分も買い込む。700円で1枚のくじ、2枚ひく。2枚とも当たり。ウーロン茶とヘルシアウーロン茶ゲット。ヘルシアウーロン茶、まずい。道の駅白馬発見。すでに日付は変わって3時。力尽きて寝る。寝袋が・・・無い。先週の合宿で他の車に置き忘れたらしい。雨・・・明日は・・・?

7月23日

5:30 起床。駐車場は雨。天気わるい。寝起きもわるい。ていうかほとんど寝てない。越前守、白馬到着。6:10頃、私も白馬到着。お待たせ。そして作戦タイム。下記2択で、時間が不安なため案Aに決定。駐車料金1000円/日。いざ出発。

案@。白馬駅―(車)→栂池―(バス)→白馬駅―(バス)→猿倉。下山口の栂池に駐車。
案A。白馬駅―(バス)→猿倉、栂池―(バス)→白馬駅。白馬駅前に駐車。(うっちゃん)

6:45 白馬駅出発。猿倉行のはずがバスが遅れてきませぬ。待つこと10分前後、やっとバスが来て荷物を後ろに預け出発。八方尾根のジャンプ台を左手に見つつ、車は山道に入っていく。早くもうっちゃんダウン気味。やはり朝早いのと寝不足がそうとうたたっている様子。かくいう越前守も昨日の夜行列車、ムーンライト信州での睡眠だったため、あまり眠れず。最初はとなりの68歳のおじちゃん(白馬岳に登るらしい)と山の話を1時間弱した。と話がおもいっきりずれてしまったが・・・。バスの所要時間は30分の予定だが、途中タクシーと何台もすれ違いタイムロス。40分前後かかった。つまり猿倉に着いたのは7:40前後。そこに待っていたものは・・・。うっちゃんと拙者は使わないだろうと思って一番下に入れていたレインコートを取り出すことになる。レインコート、ザックカバー等、及び朝食(パンとおにぎり)を食べた。頭すっきりとせず。

8:00 いよいよ猿倉を出発。しばらくは林道をいくはずが、いきなり山道。まあすぐに林道に出るだろうってことでそのままスタート。案の定すぐに・・・。林道を歩きながら今回の掛け声を考える。とりあえず、「Dance Dance Dance Ready Go!!」に決定。休憩の後、振り付けありで練習するもまったく合わず・・・(笑)。

9:00前後 そうこうしているうちに白馬尻に到着。越前守、オーラをすげえ出す。ただ汗が蒸発しているだけ。小屋に落書き帳があったため、うっちゃんすかさず書き込む。内容は「チームLOVE・WINGのリーダーうっちゃんだぜー、・・・略・・・」。きっと本人の補足があるはず。うちも対抗して「チーム越前守のリーダー越前守だ。チームといっても・・・」。と書いたらそのノートを見て反応が。ニヒヒ、してやったり。んで、白馬尻を後にして、いよいよ大雪渓に挑む。のはあと30分後。

9:27 いよいよ大雪渓。あいかわらず見通し悪し。うっちゃんがかろうじて元気。越前守今回の目標として「足(ひざ)を痛めない」を設定。とりあえずアイゼンを装着。なんかアイゼンを履くと強そうに思えるのはうちらだけか?途中石が落ちてきたりクレバスがあったり、クレバスにハマっている人が・・・いなかったけど、見通しが悪い大雪渓もただ単調な雪山登りに過ぎず。うっちゃんの眠気がピークに・・・。これからうっちゃんはしばらく、眠気→覚醒→眠気を繰り返すことになる。それにしても白馬は人が多い。大雪渓で渋滞が・・・。特に最後の所がみんなアイゼンを外すために大渋滞。ストップ&ゴーの繰り返し。

11:30ぐらい 大雪渓を抜け、昼食。履いていたレインコートを脱ぐ。ズボンびちょびちょ。とりあえずアイゼン、スパッツ、レインコートを脱ぎ、ズボンを乾かしがてら昼食を食べるるる。トマトップがなかなかおいしかった。昼食を食べおわり、再び出発。頂上まであと2時間強。しばらくは渋滞が続くことになる。しばらく登り小雪渓。トラバース。そこにいた係り(?)の姉ちゃんがかわいい笑顔を振りまいていた。うっちゃんも思わずにっこり。どうにかトラバース完了。う〜んこういうときに不肖な性格は損だな(笑)。このあたりからあちこちにお花が超きれいに咲いていた。うん、さすがお花畑という名がついているだけあり、花がすごい。こういうとき名前がわからないと損やな〜。とりあえずわかったこと。きれい。これ以上の言葉はいらないっすね。(越前守)

  ん?きれいって係りのお姉さんのこと?かわいかったね。あそこで白馬の王子様を待ってるんだって。どうやらウチらは選外らしい。残念。大雪渓を過ぎてやっと眠気がなくなってきた。白馬岳に登らずして高山植物を語ること無かれ。そう言われるように、ここは高山植物の宝庫。お花畑がホントにお花畑になっていた。山ってこんなにいろいろ咲くんだっけ?(うっちゃん)

13:30前後 白馬山頂宿舎に到着。うっちゃん覚醒済み。とりあえずちょこっと休むが、あと20分前後(今夜の山小屋まで)。先を進むことにする。やっと出た稜線。寒すぎです。途中ゲート(アーチ)が見える。越前守すかさずダッシュ。あっという間にうっちゃんに抜かれるが、なんとそのアーチ、高さが1mちょっとしかないですよ。まんまとだまされた。くやしいから二人とも下をくぐる。

14:00 やっと本日の宿である白馬山荘に到着。収容人数1000人オーバーは伊達じゃない。手続きを済ませ部屋に。畳1畳に2人が押し込められる。でじま?荷物を片付け仮眠ZZZ・・・。

17:00前後 部屋にこれ以上人が来ないことが確定!2分の1畳から3分の2畳に広がる。この6分の1畳は大きいよ〜。ということでもうすぐ夕食ですよ、あなた!(越前守)

  そんなこんなと越前守が陣地を広げている頃、17:50からの夕食の予定が遅れて18:30くらいに。食堂、人多すぎ。ていうか白馬山荘自体が人多すぎ。1200人収容?ちょっとした旅館より多いし・・・。夕食はたっぷりがっつり食った。まあよく山の上でこれだけの食事が出せるなあと感心。食材だけで最低一日一回はヘリを飛ばさなくちゃならんのでは・・・?腹を満たした後にわずかに夕日が見えた。雲が切れて、白馬三山の稜線がはっきりと浮かび上がる。が、ほんの5分足らず。ガスってしまう。残念。明日の朝に期待ってことか。

19:20 ふとんに入ってます。外は景色わるいし、日も沈んだし。あとは星空の時間まで特にやることなし。ていうか体力回復に、いや睡眠欲を満たさねば。何より食ったら眠くて・・・。でも腹は苦しい。たたみ2畳に3人くらいできつきつです。食後はみんな幅が広くなってます。北岳山荘は広さに余裕があったのに、ここはせまいのはなぜ?!富士山以外でこんなに人が多い山は初めてだ。アクセスの良さと中高年にもやさしいレベル、それに高山植物が人気の秘密でしょうか。あー眠っ、くるしいぃ。ZZZ・・・。(うっちゃん)

7月24日

3:00 朝です。って夜中じゃん。山の朝は早いんです。でもテントでもないのに早すぎです。部屋の人の大半がこのくらいの時間から行動開始。ていうか動き出していた。一度は起きるが、まだ日の出には早すぎる!二度寝。4時過ぎまでは寝ます。

4:40 越前守にたたき起こされる。日の出だ!急ぐ。起きて3分で外へ。5分で日の出の見える場所へ。朝から起きて早々山道を駆け登る。雲が多い。きれいな日の出は期待できないが、それでも言葉少なに見つめる東の空。いいねえ。アマチュアカメラマン、うじゃうじゃ。デジカメで撮りまくる。どこ撮っても目で見た以上にはきれいに写らないだろうけどね。マジすげえから。

  朝食は4:50から並んだ順だってさ。でも日の出からしばらく明るくなってくる空に見とれてたら、5時は過ぎてたと思う。でかあまり覚えてないけど。黙ってても出てくる朝食はうまい。たっぷり食う。エネルギーをためる。さあ今日も気合い入れて〜「Dance Dance Dance Ready Go!!」合わねー。

  朝の様子からしてそんなに天気は悪くはなさそう。なんて思ったのもつかの間。雲の中だ。白馬岳山頂までは小屋から歩いて10分。すぐに着く。この山旅、初のピーク。山頂でYAHAAー!!ウチらが白馬の王子様DA!、朝の雲が何となく消えたような感じだが、西側、つまり日本海側に見えるはずの北アルプスの山々は雲の中。全く見えず。白馬の大雪渓や谷間を楽しんでおしまい。2932m、北アルプス最北の百名山頂上を制す。

  北西から西の風。雲の中を歩くことになる。霧雨状態でウェアには水滴だらけ。やな感じ。雨になるよりマシだが、まゆげやまつげがおじいさんになってます。遠くの景色が見えない分、近くに目がいく。お花が咲き乱れ、なかなかに楽しめた。レインコートを着る人もいたが、うちらは安物のレインコートで蒸し風呂になるよりは、うっすらと濡れたほうがまだマシとの判断。全くそのとおりだ。昨日はレインコートの中でジーパンびしょびしょになってたし・・・。たまに晴れ間もあり、雪倉岳方面が見えたときや白馬大池が見えたときは、けっこう山深さに感動したぞ。でも人多し・・・。

  白馬岳。白馬に見えるのは信州から見た場合。富山側からだと蓮華にみえるそうな。で、白馬岳のことを蓮華山と呼び、それに対して小蓮華山があるので、大小そろっているとのこと。山を知るうんちくなおじさんが言っていた。子供?孫?を連れての山歩きだ。お子様頑張るべし。

  小蓮華山から下っていくと左手に雪倉岳や蓮華温泉の谷。正面にでかい泉?池がある。これが白馬大池。山にある池って透き通ってて神秘的。青かったりもするけどね。池のほとり、にある小屋の前で休憩。白馬から下りてきた人とこれから登る人たちで小屋前はかなりの人。ここまできたらもう山を下りきった気分。でもまだ乗鞍岳が待ってる。白馬乗鞍岳ね。そんなに高くないから。最後のピーク。まったりと通過。

  まだ雪が残っていたか。再び雲の中へ。下りの雪は滑ったらこわいな。まあ登りでも滑ったら同じか。登山者もばらけてきたが、それでも最後まで人が多い山だ。そんなに人気があるのか。山道を抜けると、さらに人だらけ。ロープウェイでここまで来られるのね。観光客にまじって山の男二人がイチゴソフトを食す。栂池パノラマウェイは大混雑。ゴンドラとロープウェイ、合わせて1時間くらい待ったような。最後のロープウェイは、登山帰りのおじさん&おばさんが一緒。飴もらった。あまい。

14:10 栂池高原にてバス待ち中。14:05のバスが行ったばっか。14:40まで暇です。山の疲れにもえつきてぼへ〜としてます。越前守はお土産屋さんの前のベンチでイッてます。栂池〜白馬駅、540円。乗った直後から白馬駅まで爆睡でした。そういえば、ロープウェーから白馬山麓の高原で飛んでるパラが見えた。標高3000mに迫る白馬三山をトップアウト!なんてフライトができたら気持ちいいんだろうなあ。自分の足で登頂した山をトップアウトするのって、なんか感動しそう。山も登るし、空も飛ぶ人じゃないとわかんない感覚かしら?

  白馬駅前の駐車場に帰ってきました。生還。15:00過ぎ 無事下山後の温泉を楽しみ中。「塩の道温泉、倉下の湯」500円。源泉かけ流しです。茶色?黄色?のお湯で塩の味(越前守なめる)がした。露天風呂のみで開放感あり。気持ちいーです。

18:50 松本IC、200m手前の「いろりや松緑」で夕食。下界の食べ物を食す。信州三昧セット、つぶ貝の刺身、たっぷり野菜サラダ、食って満足。ここからの帰りがつらいとこ。でも今回は越前守も一緒。そう、奴は夏休みってことで紀州ひとり旅に行くそうだ。三重までの同乗者がいるのはとてもありがたい。長い道のりも二人なら少しはラクになるというもの。あーつかれた。あーたのしかった。山さいこー。でも白馬はちょっと遠いなあ・・・。

  ちょうど日付がかわる頃、無事帰宅。後日、ここ白馬の大雪渓が崩落したとか。万が一、と思うとぞっとする。天気も含めて運も実力のうち。これからも楽しい山旅が続きますように♪

おしまい

越前守の紀州ひとり旅へ、続く

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