山の向こう側

〜2006年 旅の軌跡 北アルプス編5〜


【旅のミチシルベ】
◆目的地・・・五竜岳山頂。
◆やりたいこと・・・北アルプスで満天の星空と雲海からのご来光を見る。
◆泊まるとこ・・・五竜山荘、一泊二食8700円。
◆温泉・・・白馬かたくり温泉、十郎の湯。
◆交通費・・・白馬五竜テレキャビンとおみ〜アルプス平860円、八方アルペンライン第1ケルン〜八方1400円、花三昧バス400円。
◆コース・・・白馬五竜エスカルプラザ〜五竜岳〜唐松岳〜白馬八方尾根〜白馬五竜エスカルプラザ

【旅の軌跡】

8月11日

24:00、松本駅にて待ち合わせ。の予定がお盆真っ只中の渋滞にハマり日付が変わる。

8月12日

0:50、松本駅近くのローソンにて、越前守発見。合流。白馬を目指す。道の駅白馬に到着したのは2時過ぎ。意外に早く着いた。寝る。

7:00、目覚ましで起きる。夜中に雨が降ったが、今は晴れ。朝食と準備で30分。エスカルプラザへGO!って近かった。道の駅から10分足らず。駐車場、車少なし。もっと混んでるかと思ったけど。

7:40過ぎ、ゴンドラに乗る。ガラガラ。待ち時間0分。登山カード記入して、いざスタート。パラトピア五竜のエリアを見つつ、とおみ駅から一気にアルプス平へ。とおみ(820m)からアルプス平(1515m)、8分ほど。いきなり天空の世界へようこそってとこか。お花畑、高山植物が咲いてます。

  登り始めから夏の日差し。でも雲が少しずつ谷から上がってきている。雲とどっちが高度をかせぐのが早いかってとこか。地蔵の頭(1676m)で他の登山者が多少いるのを発見。もっとも五竜まで行くかどうかは疑問だけどね。汗が止まらないっていうのも急な傾斜のせいだ。階段状の登山道でかなりいいペースで上がっていく。かと思えば、平坦な道に変わったり、なかなかやな感じ。小遠見まで着いてやっと登山な雰囲気になってきたかも。道の時間表示が当てにならない。五竜まで4〜6時間?ここまではほぼコースタイムどおりらしい。って2時間も誤差があるのかよ。

  大遠見を過ぎた辺りから本格的に雨が降り出し、諦めて雨具完全装備で行くことにする。濡れると後が大変だから、面倒だけどちゃんと着る。池の水辺にサル発見。雨の中、水を飲みに来たか、もともと水飲み場か。所々で見かける池にはおたまじゃくしがいっぱい。敵がいなくて大量発生?水切れの方が不安か。ジャポンって、サルが池に落ちた?!ドジな奴が居たもんだ。

  風強すぎ、雨降りすぎ、雷鳴りすぎ。落雷もあり、やばいかんじ。雨宿りしつつも先を急がざるをえないような中で、急斜面の登り。ハードだったなあ。目の前で岩に雷が落ちるのを目撃。小屋へ逃げ込む歩くペースが早くなる・・・。白岳を巻いての稜線、西側から超爆風。最後の最後まできつい。しかも寒すぎっ。

  ピカッと光る点が見えたときには雷が自分に向かってきてるのかと思ったり。それをマトリックス並にかわしながら、五竜山荘へ着いたときにはホッとした。遭難寸前だな。風雨が激しすぎる。後続が無事に来られるかどうか。ウチらでこれだけ大変だったんだから、他の人はやばいだろ・・・。

15:10、五竜山荘前のベンチでノート書き中。雨で濡れたザックも乾かし中。この時間になって、さっきまでの雷雨が嘘のようにやみ、肌がじりじりするような日差しになってきた。暖かい。風が吹かなければね。少しはマシになってきたけど、まだまだ風は強い。ていうか寒いし。でも、快適にノートを書いている。次々に登山者が到着。雷雨をどこかでしのいだ人たちが今頃になってやっと着くのかな。部屋の人数がそれくらい増えたか気になります。

18:10、食後のまったりタイム。夕食は17時からでした。カレー、みそ汁、フルーツ。カレーはおかわり自由。あの雷雨の中を登って来た他2組と同じテーブル。みんな苦労したわけだ。カレーをたっぷりとおかわりして腹を満たす。美味かった。さっきまで晴れてた空も、西から雲がはりだし、五竜岳はガスがかって、西側は真っ白。山荘の標高まで雲に覆われ、景色はNGに。東の空は雲は無かったが、夜までもつのかなあ。星空くらい見たいもんだ。消灯時間は21時。もうすでに眠いけど。越前守。食った後の睡眠中。

  とか言ってたら、そのまま寝ちゃったよ。睡眠不足だったし、たまには早寝もいいかも。早過ぎるか。21時消灯なので、その前に夜空でも。山の星空はホント満天ですから、と見に行くが、昼からの風は強いまま。ガスって西側は見えない。けど、東側と真上は晴れ。やっぱりきれいだなあ。流れ星をさがすも見つからず。10分も居られない寒さ。部屋に戻っておやすみなさい。

  今日は荒天のせいで八方から来た人は唐松山荘止まりにした人が多かったっぽい。本来なら二人で一畳もありえる時期なんだけど、空いててけっこう快適。山小屋で1シーズンバイトしたらどんな感じだろう?客の少ない平日は暇なのかな。麓まで水汲みとか?物資運び?かなり決まった範囲の客層しか居ないけど。たとえば山荘で「おかえりなさいませ、ご主人様♪」とメイド喫茶ならぬメイド山荘(?)にしたら秋葉系の登山者が増えたりしないかなあ。新たな客層を確保できそうだし。ていうかそんな格好で迎えてくれたらうれしいんだけど。受付のお姉さんに話してみる。「ただでさえ寒いのにそんな格好させないで」だそうだ。看板娘もかわいいけど、それ以上の集客効果が期待できるんじゃない?

8月13日

2:00、目が覚める。早く寝すぎたせいで勝手に目が覚めた。また寝る。

3:37、起きて外を見に行ってきた。風は強いけど、五竜岳がガスってるだけで東も西も晴れ。遠く街の明かりと昨夜以上の星空が広がっていた。テントの人々はもう起きて準備を始めている。山小屋はまだみんな寝たまま。スタッフがそろそろ起きるくらい?二人くらいしか小屋の人は起きてなかった。この部屋もまだみんな寝てる。けど、やっと動き出した人々が多少はいるようだ。まあ日常生活なら間違いなく二度寝する時間だけどね・・・。

4:30、越前守目が覚める(本当は15分くらい前だけど・・・)。うっちゃん曰く、東も西も晴れているとのこと。もしかして日の出がみれるかなぁと期待しつつ外に出るも辺りは雲の中。辛うじて松本の方角に街明かりが見える。うっすらと朝焼けの様相を呈しているが、上からどんどん黒い雲が入ってくる。そして朝焼は断念することにした。

5:00ちょっと前、朝焼(日の出)を断念したので朝食を食べることにする。本日の朝食は、ご飯、おみそ汁、さば、のり、玉子焼き、あさりと山菜、たくあん×4枚、梅干であった。(by越前守)

5:30、 五竜山荘を出発。とりあえず頂上だけでも踏んでおくか。その程度の思い。だってガスに頂上おおわれてるんですけど・・・

  昨日見た印象とはずいぶん違うルートだ。歩いて登れる程度かと思いきや、立ち往生するおばさんがいるくらい。先に見える集団も苦戦してるなあ。確かに危険な岩場だ。それでもこんな場所に生えている高山植物にびっくりする。強い。

  急登、岩場、絶壁をクリア。少しずつ明るくなってくる景色。どうやら雲を抜けられそうだ。気温の上昇と高度の上昇。めざす頂上が見えてきた。そして広がる山の向こう側。北アルプス一望、サイコーの瞬間だ。標高2814m、五竜岳登頂。今日登った人は幸せだ。これほどの絶景にはそう巡りあえるものじゃない。風に吹かれ、流れてわく雲。太陽を背に、影を映す。虹色の輝き、ブロッケン現象だ。見事なブロッケン。時間にしてほんの数秒。でも確かに見た。美しい。登った甲斐があったな。晴れ。今日は楽しい山旅になりそうだ。

  登ってきた道を今度ははっきり見ながらの下山。とんでもない場所を登ってきたな。五竜よりさらに南に縦走する人たちも多かったが、向こうはこれ以上に厳しい道のりのはず。お互いに無事を祈る。写真を撮ろうと思って無理な姿勢になってるところに落石でジャージを挟まれたりしないように。それでも苦労して撮った写真は、いい絵になっていた。

7:50、五竜山荘にさらば。唐松へ向かう。五竜岳から山荘まで下り、さらに下る。で、また登る。唐松小屋までは2時間ほど。コースタイム以上にアップダウンが多い。昨日の雨で唐松小屋に足止めをくらった人々が次々に五竜へと向かってすれ違う。八方尾根から登ってくる人の方がやはり多いらしい。けっこう激しい岩場あり。手足をフル活用、なかなか楽しめた。女の子を連れて歩くのはきつそう。山に慣れてる子ならともかく、今回は素人を連れてこないでホントよかった。

  唐松岳は山荘から20分程度。荷物を置いてダッシュ。するにはちょっと距離があったか。さっきまで居た五竜岳がはるか向こうだ。唐松岳(2696.4m)からは南に五竜、北に白馬三山。

   唐松岳登頂後に小屋前で食事。後立山連峰の雄大な景色を見ながらの昼食にのんびりするばかり。八方尾根からここまで3時間ほど。このくらいなら来る人も多いか。 白馬岳〜五竜岳の稜線の東、ゴンドラリフトのある側、こちらにはすでに雲ができ、視界はきくが景色は見えず。白馬岳方面だけは見えている。白馬三山が見事。

  この下山でめずらしいことに、そして幸運なことに雷鳥に遭遇。しかも6羽くらいの家族。登山道上にいたのでそっと近寄る。なかなか逃げないのでじっくりと見させてもらった。

  雪渓が残る場所がいくつかあり、雪の上はひんやりしていた。ゴンドラ駅が近づいてくると雰囲気も観光地っぽくなる。登山道と観光客の入り混じった変な感じ。唐松山荘からの下山はあっさりしたものだ。今から登ってくる人にあいさつしながらの下山。ここも人気の山なのか、アクセスの良さとお手軽さで人が多いです。

  ふとゴールの八方尾根方面を見ると遠くにパラ。いつの間にか上空にリジット。八方のエリアで飛びまくってるっぽい。後立山連峰をトップアウト、なんて出来たら最高だろうなあ。

14:27、八方尾根から下山。ゴンドラ乗り場に帰ってきた。無事下山。みんなに下山報告。と、そこへパラメーカーのステッカーを貼ったバンが停まった。NOVAだ。トノはどこで働いてるって言ってたっけ?とか考えつつも知り合いかな〜なんてバンを見てた。ら、荷台からとびおりて「おーい、うっちゃん何してんの?!」、うおートノだ!ちばちゃんも!いいタイミングで感動の再会。タンデム今日7本目。お仕事中お邪魔しました。偶然の記念にパシャ☆ああ、ちばちゃんと撮り損なった・・・。白馬八方尾根、次は飛びに来ます。

14:47、「白馬花三昧」なるイベントの巡回バス。1日乗り放題400円。これで五竜エスカルプラザへ戻る。下山の味は濃厚なバニラのソフトクリームでした。あーあんまり書いてる時間がなかったな。

  とまあツアーノート中心に書いてきた。エスカルプラザから5分ほど、集落の中にある白馬かたくり温泉、十郎の湯。山旅の疲れを癒し、満足感をじっくりと味わえる温泉。ここはまだ白馬。帰り道は遠いぞ・・・。

おしまい

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