紅葉の二色、谷の間に間に

〜2004年 旅の軌跡 北関東編2〜


  台風が過ぎたか過ぎないか。朝には止んでいるだろうと、雨の降る東京を後にして向かった先は日光。深夜の東北自動車は台風のせいか連休中だというのに車はガラガラ。高速のSAで給油をケチり、車から降りるのが面倒でコンビニも逃し、食料と燃料に不安を抱えたままの峠道。どうやらうちらは何かが起こらないと始まらないらしい。自分たちでピンチに追い込んでから、盛り上げる?そんな感じの毎度の展開。登山口の駐車場に着いちゃったもんは仕方ない。明日に備えて、おやすみ。ほんの3時間くらいしか眠れないけど。

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  10月10日、一年で最も晴れる確率が高い体育の日、連休をいかがお過ごしでしょうか。DJ越前守とうっちゃんのお送りする、暇に任せてしゃべり続ける恵比WAVE。今日は奥日光、金精峠の茶屋からライブでお届けします。え?電波がわるい?そりゃそうでしょう。何しろここは奥白根山(日光白根山)の登山口。どれくらい山奥かというと、いろは坂を登って、中禅寺湖畔を走り、戦場ヶ原を抜け、湯元からさらに山奥へ入った所。栃木県と群馬県の県境、金精峠だからね。

  さてさて登山口の駐車場にはいつの間にやら多くの車が停まってきてます。車から出ただけで「お〜」なんて声が聞こえてたり。色付き始めた木々がなかなかなもので。昨夜の台風の影響は、そこら中に散らかった葉や枝、それに水の流れが激しくなっているくらい。早速頂上を目指して行きましょうか。最初はほとんど平らで登りらしい登りもなく、しばらくは紅葉を楽しんで〜なんて思ってたら急な登りになってきた。紅葉は最初の方がきれいかも。ここは岩山らしいから、上の方は木なんてないぞ。越前守は余裕?だよね。んじゃ、テンション上げていこー。

  もしかして登り始めたのが遅い?8時くらいの出発だけど、未だに誰にも会わず。山の朝は早いからね。出発前に食べたお稲荷さんとトン汁だけでは少々足りないか。越前守持参のおやつでエネルギー補給して行こう。1時間くらい経ったところで休憩。ここで葉書きを一枚。千葉県のペンネーム、白神のドラゴンさんから「来年から知床です。来てくれ」。どうする、越前守?名古屋&羽田から女満別へ、現地合流で初日飲み、2日目羅臼岳、3日目斜里岳に登頂して帰路。これなら2泊3日も可能か。行く気満々の越前守。ぜひ実現させたいところ。ただし寒くない季節にね。常緑樹の木々と雲の中を歩いているせいで、さっきから景色はあまり楽しくないか。おっと単独登山のおっさんを発見。ちょっとインタビュー。埼玉から?最近山にハマって単独登山?気をつけて下さいね。うちらは先を行きますから。休憩中の夫婦をかわし、おばさん4人組の間をすり抜ける。もう弥陀が池は近いはず。早まる足も当然。ここからは目指す頂上が見えるって言うから。

  歩き始めから1時間半くらい。青空と白い雲、目の前に聳える奥白根山。そして水かさが増した弥陀が池。きれいなんだけど、ちょっと水量が多すぎじゃない?やっぱ多すぎだよ。だって道が水没してるし・・・。どうしようか?見つかる前にダッシュ?やっぱそれしかないか。ここに来て晴れてはいるんだけど、風が冷たくて、結構寒かったり。ごめんなさい、道外れて、歩いちゃいました。頂上が確認できて、早く登りたくなったでしょ?池に雲が入ってきて、太陽光の反射と合わせて幻想的な雰囲気を一瞬だけ醸し出す。偶然の産物か。ここからまさに岩峰。トークの余裕はあるが、いつでも滑り落ちそう。GWに雪の残る奥白根山に登ろうなんて言った奴は誰だ?越前守が滑落するぞ?実際に100mの滑落事故があったってさ。怖っ。これまでの緩やかさから一転、かなりの急斜面なんだけど。よじ登る場所まで多々あり。前後に離れて他の人もいるし、下山してくる人もいる。ここが最大の難関か。ほとんど崖だな。向こうのほうにロープウェーの駅も見える。登りきったところで5人の若者に遭遇。大学のサークル?いいね〜かわいい子までいっしょに登ってて羨ましいよ、と越前守。

  ここが頂上、ついに来たよ。と思ったのは一瞬だけ。弁当食べてるおばさん、「あっちが頂上」とな。ここからは下に五色沼が見えていい感じ。風が吹き抜ける岩壁をよじ登って登頂。裏側から登ったか?越前守もすぐに続く。10時10分、恵比WAVEをお聞きのみなさん、ここが関東以北最高峰、奥白根山の頂上です!YA〜HAA〜!雲と同じ高さで、南側は何も見えず?!北側は、雲が多い〜。でも雲に包まれた奥日光の山々っていうのも一風変わってていいかな。山頂からちょっと離れた場所で昼飯。DJ越前守、ここまでで燃え尽きかけてます。気のせいか?さっき会った7歳の子供は元気だったけどなあ。

  食料不足の山行、昼飯であっさり底をつく。あとは越前守のお菓子のみ。リスナーのみなさん、何か下さい。そんな気分。風が強くなって寒くなってきた。恵比WAVEもさむくなってきた。避難小屋へ急ぐ。五色沼を見下ろしながら、遮る物のない緩やかな斜面を下る。こっちから登ったほうがずっとラク。でもさっきの急登を下りるのは難しそう。このコースで正解でしょう。避難小屋まで長く感じけど、ネタが無い下りだったので、実はそんなにかかってない?ここに来て、人がやたらと増えてきたぞ?避難小屋に荷物を持ち込んで、合宿か?いいね〜、山篭り。ここで分かれ道。五色沼に行くと見せかけて、前白根山へ。避難小屋に陣取り、身軽になったサバイバーたちが一路目指したのが前白根方面。いったいそこには何が?!あるのかと思えば、太陽光発電の観測設備?何だかわからんが取り付け作業をやってますねえ。インタビューにも答えてくれそうもないので、あっさり通過。山頂付近、独りで飯を食う冒険者発見。自分の星を探していそうなので、静かにしておく。登頂。前白根方向から見る奥白根山は五色沼と紅葉、そして青空に映えてきれいだ。今なら頂上には雲一つ無く、景色も最高なんだろうなあ。

  ちょっとした稜線を白根山を左に見ながら、ハイキング気分。午後の日差しも気持ちいい13時過ぎ。五色山から沼に下りて、往路を戻る予定。が、食料も無いのに金精峠方面へ。ネタを求めてつい迷走してしまう。するとやはり待っていたトラブル。所々で亀裂注意なんて立て札はあったが、ここのことか。五色山から30分。金精山手前で亀裂に落ちる。そんな勢いで、崩落地に入っちゃいました。登山道は消えたのか?目印は?DJ越前守、転ぶ。俺、喜ぶ。コースアウト。やばかったね、迷わず突っ切るところだった。すっかり人の消えたマイナーな道から送りする恵比WAVE。流れている曲は「上がってんの〜下がってんの〜みんなはっきり言っとけ〜♪」、すると現れたカップル。いい感じに先を行きました。さっきの崩落した斜面の角度から察するに、一気に下りる梯子に鎖。DJ越前守のトークは完全に止まり、たまに上から落石を起こすくらいか。

  金精峠まで下りてくると、紅葉も再びいい感じ。谷の間を赤や黄色の葉が彩ってます。下の方から車の音が聞こえて、下界が近いことを知らせてくれる。もう足場はどうってことのない山道。疲れはともかく、腹減りに紅葉を楽しむなんてことは忘れて、一気に走り出したい気分。茶屋での温かい食べ物に期待して、そろそろお別れの時間がやってまいりました。木々の向こうに車の気配。音だけでなく、もう道路もすぐそこに迫っている様子。っと、ついに道路に合流し最終コーナー突入!・・・最終コーナーを回って先頭はうっちゃん、最後の直線、どこで勝負に出るか、お〜っと大外から一気に突っ込んできたのは越前守、逃げる、逃げる、不意をつかれたうっちゃん追う、追う、残り50m、追いつかない、逃げ切った、ゴ〜ル!1着は越前守〜。7時間以上に渡ってお送りしてきました恵比WAVE。今回はいつもと違って、山奥よりライブでお届けしました。お相手は腹減りなうっちゃんと、最後、スペシャルを見事かましてしてやったりのDJ越前守でした。ではまた、SEE〜YOU〜☆

  ・・・そのまま力尽きたことは言うまでもない。

↑ 静かな山奥の幻想的な広場

↑ 弥陀が池と雲に包まれる山々

↑ 頂上、標高2578m

↑ 日光白根山と五色沼

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  行楽客で賑わう峠の茶屋で3時(40分過ぎ)のおやつにきのこ汁と玉コンニャク。渋滞のいろは坂は紅葉を楽しみながら。楽しみの温泉は越前守のナビでスルー。宇都宮に向かって餃子リベンジ。みんみん、正嗣を避けて、シンフーで1時間待ち。まともな飯にやっとありつけた♪いろんな餃子、7種類ほど食す。結局ノーマル餃子が一番おいしかった。満腹になったところで最後のお楽しみは温泉。雨に降られて星空は見えないが、露天風呂で台風一過の山登りに思いを巡らす。さてと、次はどこに行こうか?山?温泉?美味い物?なんでもいいからどっか行くぞ☆

おしまい

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