もてぎ100kmサイクルマラソン

〜2006年 旅の軌跡 茂木編〜


  新年早々、極寒のツインリンクもてぎで自転車の大会に参加してきた。年末年始と食べて飲んで遊びっぱなしで出迎えた3日の夜、自転車レースデビュー戦の越前守と池袋で合流。ツインリンク茂木へと向かう二人と2台、果たして100kmの果てにあるものは・・・?!

  1月4日、道の駅もてぎで迎えた朝。6時くらいだったか。車の屋根に積んだ自転車が凍りつくほどの寒さ。ありえない。でも、サーキットで走れるのを楽しみにテンションを無理矢理あげてみる。コース外からパドックに進入。ピットに陣地を構えられるなんて、ありえない。これはもっとみんなで参加した方が楽しめそうな予感。二人だけで楽しむなんて、もったいない。

  そんなこんなで受付とか済ませていると、試走の時間が無くなってしまった。朝起きたのが遅い?!まあそれもあり。のんびり体を温めましょうか。って全然温まらない。なんなんだ、この寒さは?!この気温は?!走り出せば少しはマシになるのか?!ていうか100kmも走れるのか?!未知の距離に不安を隠せないが、かといって何の気休めも思いつかない二人は、いつもどおり、「まあ、あれだな、すぺしゃるかませだ」と他の人には意味のわからん合言葉。

  スタート20分前、スターティンググリッドに着く。全クラス一斉にスタンバイ。後方待機で様子を伺う。ロングジャージにロングスパッツ、なのに寒い。みんなの格好もかなり厚手のジャージだったり、防寒対策ばっちりだったり。100kmの長丁場、いったいどうする、オレ!?どうする!?

  スタート10秒前、「ラブ・ウィ〜ング、ファイッ!」、心強いチームメイトの越前守と気合いを入れ、あとはどうにでもなれ。8:30、レッドシグナルからオールグリーン、各車一斉にスタート!ギアを変える音とペダルをはめる音が鳴り響く中、ツインリンクのホームストレートを500台ほどの自転車が走り出した。

  注目の第1コーナー、流れ込む自転車が所狭しとカーブを描きながら、スピードを上げていく。これだけの台数で走ったのは初めて。弾き出されそうな勢い。でも付いていけない流れじゃない。コースの幅が広いのにも助けられる。大集団の中ではそれほど風を感じずに済む。1周目はコースの様子見。みんながそう考えていたわけではないだろうけど、100kmとレース自体が長いためか、スピードはこれくらいで落ち着きそう。平地で40キロくらいか。流れに乗っていれば付いていけないスピードじゃない。高低差がきついが、先頭のペースが一時的におちるので、これも序盤はありがたい。オーバルコース内に戻ってくる手前の下りストレート、ここで記録されるのがおそらく最高速、60キロ前後でみんな走りぬける。コーナーを曲がりきれないかもって感じるくらいのスピードだ。1周目が終わる頃になってレースが落ち着くのか。

  ホームストレートに戻ってきた。1周目9分はかかっていない。この計算なら9分×21周で3時間ちょっとで完走できる。「行ける」と判断。大集団から離れないように、後方にぴったりと付ける。それにしても体感温度が寒すぎる・・・。他の人は平気なのか?チームメイトの心配などしてる余裕は無し。越前守は・・・大丈夫か?

  2周、3周と順調に周回を重ねるものの、体は全く温まらず。マラソンみたいに走ってれば温まってくると思ってたのに、平地だと温まらないのか?!そういえばいつもクライムばかりだった?!想定外だ。やばいかも。手袋の中の手がかじかんできてギアが上手く変えられない。シューズの中まで冷えてきた・・・。シューズカバーしてる人たちは防寒対策だったのか。5周目の最終コーナー、集団に弾き出されるように縁石の上へ。って縁石には段差もあり?!パンク?!は免れた。焦ったぜ。

  太陽がだんだんと上がってきたようにも見えるが、未だ雲の中。天候は曇り。日射が待ち遠しい。6周目であまりの寒さに脚がつりかける。しかも両足!ありえない。一気にペースダウン。体感温度は氷点下。寒さに耐え、脚がつりそうになるのを我慢しながら、太陽を待つも、7周目で集団から完全に引き離されてしまう。そのまま無念のピットイン。震えが止まらない。やばいほど冷えきった体にジャージを着込んで丸くなる。無念。

  10分ほど経って朦朧としてた意識が回復してきた頃に越前守がピットイン。何か不具合があったらしい。ちょっと作業してすぐにピットアウトしていった。「寒くてもうダメ。あとは任せた」。そんな気分。箱根駅伝でブレーキになる選手の状態、多分こんな感じなんだろうなあ。

  20分くらい休んでも冷えた体はどうしようもない。制限時間いっぱいの完走を頭の中で計算する。これ以上休んでたらもう完全にDNFだな。痙攣する脚だけでも何とかマシになってくれたか。極寒のもてぎに再びコースイン。やっと太陽が出てきたか。遅いよ。

  1周12分、もはやこれが限界のペース。周回差の先頭が横を走り抜ける。3ラップ遅れくらいか?もう14,5周目?先頭はもうゴールが近いっぽい。ここからはもう意識朦朧。よく覚えてないってのが正直なところ。最後の方は1周15分とかかけてのんびり走ってた。

  3時間経過した頃には寒さで完全にブレーキだ。せめてチームメイトの完走を手伝えたら、との思いは越前守に届いたか?しかし、越前守も限界か?結局最終ラップまで並ぶことはなく。

  「最後までがんばりましょう!」とか「まだまだ行けるよ!」って声に応えられない自分が情けない。今回完走して、こんな寒い中で2度目は走りたくないと考えていたが。いつかリベンジに来なきゃならないのか。

  12:30、タイムアップ。制限時間アウト。ファイナルラップは越前守と併走だ。二人そろって、DNF(Do Not Finish)。拳を突き合わせて、未完走のフィニッシュライン?を通過。初レースで、MTBで20周回の越前守。敢闘賞ものかと。対する私は2周遅れの19周。そんなもんっすかね。制限時間内完走しておきたかったぞ。

  燃え尽きた新年早々のレース。表彰式と抽選のジャンケン大会を楽しんで、もてぎにさらば。ツインリンク、いつか必ずリベンジに来るぞ。もてぎ温泉に浸り、レースの余韻に浸り、そのまま眠りにつく、チーム“LOVE・WING”自転車部の二人。あ、まだ帰り道が残ってた。次回は必ず完走するぞ。DNFなんかぶっとばして、ラブ・ウィ〜ング、ファイッ!

おしまい

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