天空の湿原と河原の温泉

〜2012年 旅の軌跡 苗場編〜


【旅のミチシルベ】
◆日程・・・8月5〜6日。
◆目的・・・苗場山登頂。
◆コース・・・苗場山〜秋山郷〜小布施〜佐久〜十石峠〜秩父。
◆宿・温泉・・・車中泊。中津川の河原の温泉無料。切明温泉雄川閣500円。

【旅の軌跡】

8月5日

  昨夜東京を出発し、高速のPAで車中泊。朝起きるといい天気。絶好の山登り日和だ。今年の夏は北アルプス最深部へ行きたい。なので、その足慣らしに苗場山(2145m)に登ってきた。秋山郷側からの日帰りコース。

  石打から津南(大地の芸術祭開催中)経由で秋山郷へ。冬は豪雪で孤立することもある地域。国道の荒れ具合や道の狭さなど、見事な秘境っぷりだった。苗場山への道は全く登山者らしき車を見かけず。ていうか歩いている村人も見かけず。登山口に着くと車が20台以上は停まっていて、やっと安心。百名山に数えられるだけの人気はあるようで、そこそこ登山者は居た。

  登山道はよく整備されていた。湿気の多いコースとは言いつつも、ちょっと気を付ければどうってことない。ウチらの履いているトレッキングシューズがもう寿命だなと感じたくらい。世界一周中、数々の山々・悪路・辺境の地を歩いたことを考えれば、この靴、よく頑張ったと。シューズは買い替え決定。

  途中、熊か?!と騒いだり、猿?!を木の上に見つけたり。8合目を過ぎてちょっと登ったくらいから天空の湿原になり、雲が多いながらも幻想的な景色が楽しめて、9合目以降はあっという間。山頂がまさかの全く展望無しだったという以外はなかなかいい山だった。山小屋の裏、木々に囲まれた林の中の山頂だったとは想像もせず。

  下山してからもまた秘境を楽しめた。秋山郷、切明温泉。知る人ぞ知る秘湯ってことか。10年くらい前に来たときは日没でほとんど通過のみだったような。今回は秘湯を味わった。河原の温泉。流れる冷たい川の中から湧き、川底を掘ると熱い温泉が出てくるという。これ、水着で入ったものの、快適な温度にするのは難しい。冷たっ、熱っ、と繰り返し。湧き出す温泉は激熱だった。

  河原だけではすっきりせず。秋山郷に三軒しか宿の一つ、雄川閣へ。ここの日帰り温泉、露天風呂は川を見下ろす位置にあり、しかも貸切で使用できるので快適。外から丸見えなので、ここも水着着用。どっちでもいいらしいが。

  携帯の電波も届かず、新聞は週刊紙。冬は雪に閉ざされ、孤立することもある集落。関東から比較的近いとこで、こんな秘境があったのかと思える場所。もし機会があれば行ってみて下さい。切明温泉までの道に点在する集落の寂れっぷりも素敵だ。

  ここからは志賀高原を目指し、山深い林道を抜ける。ここで夜になったらびびるくらいの秘境。ただ道路の舗装はよく、自転車で走ったら楽しそうな道だった。距離が長いけどね。

  夕食の時間になる頃に小布施へと抜けた。あまりの腹減りに“ステーキのけん”で食べまくる。人里に戻ってホッとした。明日は天気がいまいちなようだが、とりあえずは菅平を目指すことにして、ハイウェイオアシス小布施で車中泊。偶然の花火大会、田舎ながらの小さい規模だけど、人ごみもなく、見れるのはありがたい。夏の暑さもなく、二泊目の車内は快適そのものだった。

8月6日

  予報どおりの曇天。菅平方面へ行くと雨。諦めておとなしく東京方面へ。と、早朝からの移動なので、まさかの下道を選択。佐久から武州街道、国道299号の十石峠抜けで、ほとんど車の通らない道を長野から埼玉へと走ってきた。途中の孤立した集落や小さな村に過疎化を感じつつ、埼玉の山深さを実感。のんびりドライブの帰り道だった。

おしまい

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