18切符、期限までになんとか使え

〜2001年 夏休み旅行記 名古屋編〜


  台風が迫っている。そんなこともテレビで言っていたような気もする。聞かなかったことにする。だって、18切符の期限が迫っていたから。しかし、山登りの翌日では早起きはやはり不可能だった。始発で行くはずが、のんびり昼出。行き先はわからん。とりあえず関西方面に行ってみよう。9月9日のことである。

  11時40分発、快速アクティー、熱海行き。東京駅では、旅行に行くか、帰りらしい格好の人ばかり。今回は初のひとり旅。いつもは誰かしら巻き込むのに、時間がなくて声かけてられなかった。さてと時刻表を調べて、これからの乗り継ぎを決めなくては。と、気がついたら寝てた。13時11分、熱海着。今度は浜松行きに。眠いから途中下車の気力なし。とりあえず名古屋まで行こう。15時40分の浜松着まで8割がた寝ていた。富士山は曇りで下の方しか見えず、清水市は睡眠中に過ぎ、磐田ではちょっと目が覚めたがすぐに爆睡。やたら揺れる路線だった。浜松から豊橋へ、そして名古屋へ。運よくどの電車も座れたので、たっぷり睡眠がとれた。名古屋に着いたのは17時過ぎ。まあ予想どおり時間か。

  さてとまずは情報集め。RPGみたいにその辺の人に話しかけたって「ここは○○の町です」なんて言うわけがない。駅ビル内の三省堂で名古屋のガイドを立ち読み。バス停がよくわからずにちょっと探しまわり、小さめの市内巡回バスで名古屋城に向かった。18時を過ぎ、表門は閉ざされている。お堀越しに、ライトアップされている城をぐるっと回ってみる。天守閣に金の鯱がついているかどうかは確認できず。

  地下鉄で再び名古屋駅へ。駅周辺を歩き、夕食と宿探し。でも、駅からちょっと離れるとオフィスばかりで面白くない。そのうち雨が降り出し、どうしようかとうろついていると「名古屋駅はどちらですか?」と聞かれる。さっきまでいたので道を適当に教えてみる。多分着けるとは思うが。

  夕食後、雨はあいかわらず。名古屋の街には夜を明かす場所が見つからず。尾張一宮に移動。なにもなかった。夜9時をまわってほとんどの店が閉店。どこまで行こうか。京都まで今なら行けるが、行って何もなかったら最悪だし、雨は止まないし。せめて栄えている街に行かなくては、と、岐阜で下車。が、岐阜もいまいち。新岐阜駅付近まで、雨が降る街をうろつきまくる。今回は全く下調べなし。いつもは計画練ってえらい、と思った。後輩から励ましの電話をもらい、ちょっと復活。でも時間がもうすでに・・・。唯一発見したカラオケ、シダックスに転がり込み、雨風を避けられる宿を確保。22時46分、入店。二度と来ることはないと思うが、シダックス新岐阜駅前店の会員になってしまった。

  カラオケ、ついつい歌ってしまうが、30分でダウン。あとはひたすら寝た。9月10日に日付は変わる。3時頃に「食べ物のラストオーダーですが?」。4時半頃に「飲みもののラストオーダーですが?」。と2度のコールで起こされる。5時、閉店。6時14分の電車待ちだったが、あまりに暇なので、駅近くのなんとか天満宮とやらに行ってきた。天気は今のところ雨。

  電車で関ヶ原を通過。山に雲がかかり、なかなかの景色。彦根まで来てしまった。彦根城があるとのことで行ってみる。あとで知ったが、けっこう有名な城らしい。でも朝早過ぎて、中に入れず。裏門が開いていたので、入ろうかどうしようか迷っていたら、職員が出勤してきた。入らなくてよかった。8時26分、琵琶湖に着いた。遊覧船本日は欠航。何か島があるらしいが、今日は行けず。彦根から天気を見つつ、伊吹山登山をどうするか考え中。でも関ヶ原へと戻る電車の中で天気は悪化する一方。残念だが今回はあきらめた。彦根は今年の甲子園高校野球、準優勝校近江高校の地元らしい。

  名古屋を過ぎて熱田神宮へ。駅を間違えてさまよってしまった。雨だと行くところがない。台風の接近で雨がひどくなる中、熱田神宮の宝物館へ。刀剣類はなかなかの光り具合。本殿は改修工事で見所なし。腹も減ってきたので、再び名古屋へ戻る。みそカツが食いたい、と入ったとんかつ屋。メニューにみそカツがないので仕方なくふつうのカツ丼を注文。ふつうに旨いと食べているとなにやらあやしげな紙切れがテーブル上に。隠れメニューか?「みそカツ丼、みそカツ定食」と書かれている!?やられた。壁にもメニューにも載ってなかったのに・・・。

  何度目かの名古屋駅。「台風接近により夜行列車は運転中止」、「運転を見合わせている電車は・・・」と電光掲示板に流れている。やばい、このままでは帰れなくなるかも。早めに東京を目指すことにした。13時20分、名古屋にさらば。豊橋、浜松で乗り換え。歩きまくったのと、ろくに寝てないのとで車内では寝っぱなし。駅に着くたびに「ここはどこだ?」とあせってしまった。どこもホームがびしょ濡れになるほどに雨が激しかった。

  浜松で台風を抜かしたか。最後の乗換駅、熱海では雨は止んでいた。30分ほど時間があったので、お土産をゲット。夕飯にうまい刺身でも、と思ったが、昼のカツ丼のせいで腹が減らず。18時6分、台風から逃げるように東京へと向かった。慌ただしく、しかも台風のせいで予定変更を余儀なくされ、かつ計画なしのひとり旅ということで、何がなんだかよくわからんうちに終わってしまった。まあなんとか今日が期限である18切符を使い切ったわけで、当初の最低限の目的は果たしたということで良しとしよう。

  帰り、浜松町の夜行バスターミナルでこれから山陰方面へ向かうはずだったリュウと会う。携帯がつながらなかったが、野生の感と、ハートのレーダーでリュウの居場所を探知。台風により、やはり夜行バスも運転中止。路頭に迷っていた。とりあえず・・・飯。腹を満たしてから考えようと何も考えずに食べる。これからたたかいの地に赴くリュウにかけてやる言葉は何もない。言わずとも奴の心には届いている。「“すぺしゃる”かませ!」の一言が。

  3週間後、結果発表。リュウは見事に・・・?!

おしまい

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