秘湯へ雪山トレイル

〜2008年 旅の軌跡 奥鬼怒編〜


【旅のミチシルベ】
◆日程・・・1月5日。
◆目的・・・秘湯へ浸かる。
◆コース・・・霧降高原〜大笹牧場〜湯西川温泉〜女夫淵温泉〜奥鬼怒温泉
◆温泉・・・奥鬼怒温泉、八丁湯。日帰り入浴500円。

【旅の軌跡】

  お正月気分のまま、秘湯を求めて奥鬼怒へ。山に登るわけじゃないし、雪も無いでしょう、と甘い(?)考えで出発。日光手前の街中で全く雪が見られないので安心した。高原を避けて県道で近道。のつもりがこの県道、山の上へと続く辺境の道。すれ違う車もほとんどなく、沿道には雪はだんだんと増えて・・・。たどり着いた先は霧降高原、大笹牧場。雪原ですが。

  遠くに日光白根山だか男体山だかが見えて、太陽を照り返す雪原はなかなかいい景色。寄り道。馬と羊とヤギとたわむれて気分は上々。未年、山羊座の私には他人とは思えず。それでも寒さに体温は低下。ホットミルクで暖まる。ここの牧場にいる牛は日本では珍しい種類で、独特のミルクだそうだ。美味し。

  高原からの下りは路肩と日陰の雪にびびりつつゆっくり。奥鬼怒へと続く田舎道はどのへんで雪道に変わるのかどきどきしながらのドライブ。道沿い、るるぶにも載っていたお店、“またぎの里、熊どん”でお昼。猪と熊肉の丼と汁、それにサンショウウオの串焼き。これ、姿焼き。頭から食す。食えるけど、味は・・・。

  雪道で限界になりチェーン装着。スノボーでも使わなかったチェーンをまさか使うことになろうとは・・・。使って正解だったのはその直後のカーブでガードレールに突っ込んでいるワンボックスがいたから。雪で滑っただけで大事では無さそう。辺りの雪はあっという間に増えていき、チェーン無しでは走れないような道になってしまった。そうして着いた山奥の秘境、女夫淵温泉。でもここから目指す秘湯、八丁湯まではまだ1時間かかるとか。女夫淵(めおとぶち)の無料駐車場に停めて雪山トレッキングがスタート。

  自転車持ってきてて、サイクリングであっという間。だなんて思ってたウチらは甘すぎ。でもここまで来たら行くっきゃない。女夫淵から先の林道は一般車両通行止め。宿泊客専用の送迎バスだけが通るくらい。ゲートのある橋からは露天風呂が丸見え。ここの温泉でも十分秘境っぽいんだけど。帰り滑って帰ってくる用にボードを持ってくるんだったな。そんな感じの雪道は、スキー場の林間コースだ。

  案内図を頼りに八丁湯へと雪山トレイル。本格的な雪道で、辛うじてアイゼン無しで歩ける。トレースがあるのと、凍結してないおかげで。でもたまに道を外れてしまったり。この道で会ったのは、スキー板を担いだクロカン帰りと思われる2人組と八丁湯の関係者らしきおっさんの合計3人。ありえない寒さと静かすぎる雪道。北関東でこれほどの秘境があったとは驚きだ。

  コースタイムどおり60分程度歩いてたどり着いた八丁湯。帰りもあるけど、とりあえず生き返らせてくれ。冷えた体を温めるべく、早速温泉へ。露天風呂。混浴です。女性専用もあるのでご安心を。ちょうど誰もいなかったので、雪見の湯、滝見の湯、石楠花の湯の3つをひと通り満喫。ていうか湯に浸かってないと寒くてやばい。高いところから他の湯を見渡せる石楠花の湯で体がふやけるまで浸かってた。

  他の客は二組、隣の加仁湯からの夫婦とリピーターのおじさん。夫婦の方は、奥さんはウチらと入れ替わり。誰もいなくなったタイミングで入っていった。きれいなお尻でした。女の子はカーテンで仕切られているとはいえ、更衣室は同じだから入りづらいかも。でもそんなに人が来ない場所だからいいんじゃない?隣の加仁湯はそれなりに人が多いらしい。遅めの夕方でタイミング的にも空いていたのかも。今度は泊まりで来たいな。

  さて、これで終われないのが秘境たる場所。温泉から出たのが16時45分。帰り道は歩いて50分程度。日没がやばいんじゃ・・・?温まったからだもあっさり冷えるんじゃ・・・?送迎バスに交渉するもNGとの回答。迷ってる時間はないっ、急いで歩くのみ。来た道をそのまま辿り、山の向こう側に沈みゆく太陽を背に、前へ前へ前へ。最後10分は完全な闇の中だったけれど、何とか林道へ脱出成功。駐車場に戻ったときには真っ暗になってましたとさ。

  かるく焦ったものの、無事生還。タイヤのチェーンを外せる場所に来てやっと安心できた。帰りは鬼怒川を抜けるも、地元の名産的なものを食べられそうなお店は見当たらず、国道沿いのレストランへ。ホッとしつつも、北関東にこんな秘境があったことに感動。雪が無いときにぜひまた来よう。自転車で林道をサイクリングで楽しみながら。あ〜いい湯だったなあ。

おしまい

inserted by FC2 system