紅葉の至仏山

〜2008年 旅の軌跡 尾瀬編〜


【旅のミチシルベ】
◆日程・・・10月19日。
◆目的・・・尾瀬散策、紅葉狩り。至仏山登頂。
◆コース・・・鳩待峠〜至仏山荘〜至仏山〜小至仏山〜鳩待峠。
◆温泉・・・わたすげの湯800円。

【旅の軌跡】

  紅葉のシーズン、今まで行ったことがないとこで良さそうな場所ということで尾瀬へ。先週で交通規制が解除になり、一般車両も鳩待峠まで入れるようになったはず。車で行けるならと向かった尾瀬戸倉。ところが、峠へのアプローチで係員が立っている。鳩待峠、満車につき、ここに止めて乗り合いタクシーを使ってくれとのこと。なんと・・・みんな考えることは同じだったか。7時半で決して遅い時間じゃないのに、中高年の朝は相当早いとみえる。第1駐車場はすでに満車で、少し離れた第2駐車場へ。こちらもすでにかなりの台数が停まっていた。駐車場代と峠までの往復タクシー代二人分で結局、交通規制のときと掛かる費用は変わらず。なんか、残念だ。

  戸倉から鳩待峠への道は狭く、すれ違いが厳しい箇所もある。徐々に峠へと上っていくため、坂道続きだ。すでにこの段階で北関東の山深さを感じられる谷あいを走っている。紅葉は真っ盛りだ。途中で紅葉が最盛ということは峠の上まで行ったら・・・すでに紅葉のシーズンは過ぎてしまったらしい。標高が高い分、早いようだ。鳩待峠、標高1600m弱。普通に考えたら、かなり高い場所だ。10人乗りのワゴンタクシーで戸倉から25分、登山客やハイカーの溢れる鳩待山荘に着いた。

  8時15分、スタート。今回は尾瀬ヶ原経由で至仏山に登る反時計回りの周遊ルート。峠から尾瀬ヶ原へと向かう道は木道がしっかり整備されていて、歩きやすいような、滑って歩きにくいような。至仏山荘や山ノ鼻のある尾瀬ヶ原の入口へは下り基調。ミズナラ、ブナ、ナナカマドの林の中を抜ける緩やかな道だ。歩き人も多く、すれ違う人も登山者と軽装のハイカーとが混在している。尾瀬を歩くだけなら軽装でも十分か。

  50分程度で至仏山荘に到着。途中の紅葉は残念ながらもう終わり気味だった。パトロールの人がいて、熊の糞を発見したと管理センターに通報していた。これだけ人がいたら熊も出ないような気がするが、もし出たら間違いなく被害も出るだろうなあ。熊さんが出て来ないように、にぎやかに歩かねば。至仏山荘も山ノ鼻小屋も営業は今日まで。昨夜の泊り客が今シーズンの最後の宿泊らしい。小屋終いと冬支度でこれからがまた大変なんだろうな。

  初めて来た尾瀬はまさにテレビで見たとおりの景色。山々に囲まれた黄色い原っぱに木道が二本並行して、そのまま向こうの山まで。水芭蕉が咲き誇る緑の原もいいけど、この時期の黄金の輝きも素晴らしい。至仏から早くこれを見下ろしたいぞ。

  やっと山登りらしくなってきたら、尾瀬ヶ原が全く見えなくなってしまった。が、30分も登れば、高い木は無くなり視界が開ける。振り返れば尾瀬の全景が広がり、その向こうには燧ケ岳がそびえる。ほとんど見られなかった登山者もこの辺りから増え始めた。みんなウチらよりも早くから登っていて、やっとこの辺りで追いついた感じらしい。頂上が近づいてくると登山道は木の階段になり、歩きやすい整備された道になった。

  11時45分、2228.1m、至仏山登頂。途中で抜いたおじいちゃんを木の枝のゴールテープで迎える。山岳会か何からしく、すでに仲間は登頂していたようだ。頂上からの眺めは最高。尾瀬もその裏側も、北関東の山深さを感じさせる広大な360度の展望。これを見ながらのお昼は気持ちいい。山頂には20〜30人くらいがたまっていた。

  下山は小至仏山経由で帰る。周遊だと同じ道を歩かないのがありがたい。稜線を下る道は景色を見ながら歩けて飽きない。こっちの道は登ってきた道に比べてかなり緩やか。小至仏で景色を満喫し、13時に下山開始。途中からこちらも木道が整備されており、歩きやすかった。休憩無しにあっという間に下ってしまい、景色が見れなくなってからは前を行くおじさんおばさんを抜きまくる状況。熊避けのベルが鳴り、近づいてくるのがわかるせいでみんな道を空けてくれて・・・。親切なんだけど、道を空けられると先に行かなきゃ、みたいな感じで自然とペースアップ。14時10分、無事に鳩待峠に帰ってきた。

  ジェラートを食べてタクシーを待つと、二人ならあっさり空きが見つかり便乗。山ではあまり見られなかった紅葉を、帰り道の車で楽しみながら駐車場まで揺られていた。国道120号沿いの温泉、わたすげの湯でゆったり。快晴でも風が冷たかった山の上の寒さに、近づく冬を感じつつ、まだ紅葉シーズンの下界で温泉に浸る。次は尾瀬ヶ原を通り抜けるようなルートで来たい。また来シーズン、かな。

おしまい

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