「人と桜」に会う旅

〜2006年 旅の軌跡〜

written by リュウ


  旅ってなんなんでしょうか・・・。人の暖かみをものすごく感じました。

  今回は「人と桜」に会う旅でした。北海道の道のりは去年の連休と同様激務。降る雨に体力を消耗しました。一緒に行動していた、バイク仲間は、悪天候の為、途中進路を変更して行動を別に・・・。
  札幌では、フルフェイスのシールドをあげて走っていたところ、車のはねる飛沫に目をやられました。翌日炎症を起こして初めて気がつきました。瞼が膨れ変な顔だ。体力消耗すると炎症はすぐには治らないね。でも弘前に行くまでには治ってくれ。

  目薬を購入した札幌の某薬局では、その息子が僕の卒業した大学に通っているようで、住んでいる下宿も後輩と同じだった。だから僕の後輩は、目の前に居る薬局のおばさんの息子さんを知っているということになる・・・世の中は狭いですね。名前を預け、代わりに栄養ドリンクを2個いただきました。

  今回は明確な目的のため、スケジュールをしっかり組んでいたのに、想定外なことばかり。もっとも想定外だったのは、バイクを置き去りにしたこと。

<苫小牧から電車の旅> 

  友人宅での楽しい飲み。前日の疲れもあいまって熟睡してしまいました。午前5時のフェリーに乗るための目覚ましに気付かず、気がつけば、晴天の空・・・船はさっき出航したようです。残るフェリーは函館まで3時間走らなければ・・・。目の腫れも引いていなかったので、体力温存を考えて、電車で行くことにしました。単車置き去りは、初めてでした。運良く弘前札幌間を運行する電車の格安券があってよかった。
  けっこう解決策は見つかるんだね。

<電車内での出来事> 

  席が取れずに、車両連絡路に座り込むのは、何年ぶりだろう。大学3年生のとき18切符で屋久島に行った以来だな。フェリーに乗れていれば、今ごろゆったりと回復出来ていたのにね。寝坊した2時間が悔やまれる。至近距離の2人の女性は腰を着けずに座っている。ものすごく辛いだろうな。「足がしびれて来る位なら、最初からたっているほうがいい気がしてきた」なんて話を聞いたので、読もうと思っていた新聞を手渡しました。2人はその上に座り込み熟睡してしまった。

  函館でおりたら、ホームで待ってくれていて、つぎ津軽海峡を渡る特急のホームを案内してくれた。何度もお礼を言ってくれた。新聞を渡しただけなのに。引き止められそうになったけど、電車の出発時刻がせまっていたから、話を切り上げ電車に乗り込んだ。もう少し話をして連絡先を教えていれば何かの縁になったのかな・・・?弘前に行かなければという気持ちが働いた。
  旅をすると不思議と色々な人が話かけてくれるね。

<弘前>

  弘前の天気は快晴。気温も・・・20度くらいはあるのかな?とにかく暖かい。こんな天気の元で走れたら、どんなに気持ちいいことだろうか・・・。弘前の桜はものすごく美しかったです。こんなに美しい年は中々無いのではないでしょうか。やっぱり本当に綺麗なのは夜桜だね。桜の花びらは闇に浮かんでいっそう際立ちます。闇に浮かぶ白い女性の肌のよう?まさか「出身」まで出来るとは思いませんでした。この「出身」、破壊王という焼酎で行ったのが失敗。かなりダメージを負いこみましたw
  危うく桜よりも早く散るところだった。

  大学の頃の知り合いが数人。皆それぞれの道を歩んでいて、嬉しかった。そんな人と話せてとても楽しかったな。翌日は十和田までドライブに行きました。体はもう正直です。余儀なく休むことを脳に勧めてきます。僕の頭でっかちな脳が必死に体を動かします。行動をともにしてくれた人は楽しんでくれたかな・・・それだけを考えていたなぁ。楽しんでくれたのなら俺は嬉しいです。
  いい旅でした。

  帰りは潮の如くです。家に倒れ込めばいい。バイクで360kmを一気に走り抜けました。日高山脈の日照峠を越えた瞬間雲海が見えました。すばらしく雄大だったけど、さすがに写真を撮る元気は無かったな。また雲霧下に潜りこみます。日高山脈を越えて十勝平野に下るに連れて、だんだん気温が下がってきます。また去年と同じだ・・・雪が降らなければ、幸い。

  行きがけ、「昔、よく店に来ていた女の子がツーリングで死んだ」という話を食事処のマスターからされました。その女性の付けていた日記は途中で途絶えました。最後は「富良野の花を見るのが楽しみ」という言葉だったらしいです。その人は花を見ることが出来たんだろうか・・・。それとも見れなかったんだろうか・・・考えてしまいました。

  なぜこんな話を行きかけにするのか、と思いましたが、気をつけて行ってきてねとの配慮だったんだろうと解釈しました。とにかくハードだったけど、無事に帰れてよかった。

  のこりの2日は何もしません。強いてあげればミクるだけです。

おしまい

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