早稲田☆ハング・パラ新歓合宿

〜2000年 サークル旅行記 信濃平編〜


  まだ私がこのサークルに入会してすぐの頃の話なので、当たり障りのないように書かれています。わかりにくいかもしれませんが、そこは勘弁を。では、どうぞ。

  5月12日、金曜日の夜、人々の行き交う新宿駅南口に、車3台と14,5人が集まった。信濃平を目指して深夜のドライブがここからスタートした。と、思ったらいきなり乗っていた車の左フロントがズガッ。来るときに事故ったという生々しい傷跡がタイヤに触れたらしい。ちょっと様子を見たが問題ないとの判断を下し再スタート。先に出発した2台を追った。せめてウインカーの電球ぐらいはと、途中のガソリンスタンドで取り付けてもらい、高速で大丈夫なのかという不安を抱きつつも、関越自動車道へと向かった。高速道路は空いており、あっという間に休憩予定の上里S.Aに着いた。バンを追っていたはずなのに、結局追いつけなかったのか。しかし、まだバンは着いていなかった。抜いた覚えもないし、屋根に機体を積んだバンを見逃すはずもなく、いったいどうした?すると遅れること15分、バンが到着。ドライバー曰く、出発してすぐに道を間違えたらしい。いつもの癖で足尾に向かってしまったとか。
  上里S.Aを出るとすぐに分岐点、ここからは上信越自動車道になった。車のほとんど見当たらない道をとばし続けた。トンネルを抜けるたびに雨や濃霧に遭い、明日の天気が心配された。途中、またも大きな分岐点があり、道を間違えないかと不安だった。特にバン。高速をおりる豊田・飯山I.C手前で休憩中、待ってもバンが来ないので電話をすると、予想通りの展開に。長野方面か松本方面かで道を間違えていた。しかも高速道路で。次の料金所まで20分くらい走ったらしい。この時点で予定よりどれくらい遅れていたのだろうか。わたし的にはまだ眠くなかったので気にならなかったが。
  バンを待たずに高速をおり、コンビニで休憩。しばらくするとバンから電話が。高速をおりてすぐ、またも道を間違えたらしい。が、すぐに追いついてきたのでよかった。次の曲がり角、まさかとは思いながらも、曲がったところでバンを待った。バンは曲がらずに通過。再び電話。シュプール(泊まった宿)までの道が大変だった。着いたのは午前4時過ぎ。明日の起床予定は6時半。起きられるのだろうか。

  5月13日、寝た気がしないうちに朝になった。とりあえず朝飯を食べて、田んぼの真ん中に連れて行かれた。水田の1ブロックがランディングになっており、昨夜の雨のせいで3分の1くらいは湿地と化していた。この日はパラ・ハングともに2人ずつタンデムフライトができた。風は問題なかったらしく、ハングは上空を旋回までしていた。パラのタンデム2人目に飛んだ私は、タンデムマスターの誘導のもと一発でテイクオフ。「やばい、落ちる」と思う間もなく浮いていた。空中で楽に乗るためにどこかに座るらしいのだが、2人の間にそれが挟まってしまい、座るのに一苦労。両手の2人がかりで、これはかなり怖かった。「紐(ブレークコード)から手を離してしまってよいのか?」と思ったから。落ち着いたときにはすでに山から離れ、下を見るととんでもない高さに。「あぁ、まるで鳥になったみたいだね」心のなかでそう思うも、感動のあまり言葉にはならず。安定してからランディングが近づくまでの数分はずっと操縦もさせてくれて、楽しかった。足元に広がる風景はかなりいい感じ。ランディングも的のそばに問題なく着地。いつもと違う風を感じた、すばらしい数分間だった。
  午後になると風向きが変わり、飛べなくなった。このエリアの特徴らしい。お昼はランディングで弁当を食べた。夕食まではどこかで遊ぼうということになり、みんなで野沢温泉クアハウスに行った。途中の道は寝ていて、覚えていないが、そこそこ離れていたらしい。クアハウスでは温泉を満喫。何種類かのお風呂を健康プログラムにしたがって入っていたら、のぼせてぐったりしてしまった。朝早かったのと合わせて眠気はピーク。しかし、その眠気を吹き飛ばすような事件が発生。駐車場から出るときにバンが隣の車にゲシュッ。係員の誘導にしたがったらこすった。呼び出されて現れた車の持ち主はいけ好かぬ奴。みんなバンから降りて一気に襲いかかり、事件をもみ消した・・・。じゃなくて話し合いで無事済んだ。これも幹事長の力量のうちか、冷静に対処。へこんでいるひまもなく運転せねばならぬあたりは上級生のたいへんなところ。で、次はよくわからんがソフトクリーム屋さん。先発の人が閉店を防いでくれたおかげで、ソフトクリームにありつけた。ここの店員、もとはハングのインストラクターだったとか。そして宿に戻り、夜の宴を迎えたのであった。タンデムをしてくれたかたがたOBを混ぜての新入生歓迎の宴。みんなといろいろ話せて楽しかった。長々と明けがたまで続いたらしいが、私は2時前にはダウン。その後のことは知らん。

  5月14日、とりあえず寝不足で眠かった。昨日ほどコンディションは良くなく、みんな、なかなか飛べなかった。下で待っている私はというと、とにかく寝ていた。高木のフライトは見事だった。はやしさんのフライトも見たかったが、風がわるく残念ながら見れなかった。待っている人々はというと、ランディングで野球。寝ているところを起こされ、強風の中、遊んでいた。お昼は宿で焼きそば作り、その間、OBの機体を回収しにショップに行ったが、なかなか見つからず苦戦した。戻ると焼きそばが待っており、激しく食べた気がする。後片付けをして落ち着く頃には時間も結構経っており、寄り道なしで東京に向かうということになった。眠いし疲れてたし、空も飛んで目的も果たしたのでもう満足だった。そういえば、誰か携帯をトイレに落として大変なことになっていたような気がする。宿の人がそれを取り出してくれて封印して持って帰ってきたはずだが・・・。出発するときになってまたも問題が。バンのキーがない?!電話が飛び交ったが、誰かのポケットから発見され解決。最後になって慌ただしかった。
  時間が良かったのだろう。高速は流れており、トンネルを通過する毎に変わる天気の中を順調に走った。左フロントが破損した車(杉山カー)もこれだけ走れば問題ないようだった。東部湯の丸S.Aでお土産を調達、ここで疲れたドライバーと運転交代を試みたが、久々のガソリンマニュアル車は私の言うことを聞いてくれず。結局は次の休憩まで杉山さんにがんばってもらった。交通情報で渋滞の気配があったので、上里S.Aで一本締め、とりあえず合宿を終えた。ハイウェイカードの都合上、料金所手前で再び車4台が集まり、いっしょに高速をおりた。それぞれの方面に車は四散し、左フロントを負傷していたスターレットは、池袋まで送ってくれた。

  後日、それほど問題もなく新歓合宿が幕を閉じたようなことを確認。タンデムを体験した人はサークルに残らないというジンクスが心配されるが、いったいどうなることやら。それに該当する私の動向も気になるが、多分なるようになるでしょう。空から見下ろした瞬間、世界が自分のものになったと思ったパラ新人の道は、まだ始まったばかりであった。

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