第17回 早稲田CUP2002
〜2002年 旅の軌跡 信濃平編6〜
今年もやってきた早稲田CUP。今大会は実行委員として大会を企画・運営、当日は大会競技委員長兼選手ってことでフル稼働。何とか飛べるようにってことで、10月開催にしたのが、多忙な準備に追われる原因となった。ぎりぎりまで動き出してなかったってのもあるけど。大会前日の18日になっても、徹夜明けで朝からプログラム作りというハードスケジュール。早稲田を出発したのが夕方で、高速はノンストップ。180キロで飛ばしたらしく、かつてないほどの早さで信濃平まで着いた。私はほとんど寝っぱなしで、気がついたら飯山市内。でも、まだまだ準備は続く。備品揃えに買い物し、毎年お世話になる泉荘では、VIPルーム(テーブル、座布団がちょっとだけ豪華)に案内され、忙しくても温泉と夕食は諦めず。暁の湯とラーメン屋(おおぎやラーメン)でのんびりして、再び夜は大会の準備と、ありえない事態に、でも予想通りの事態になっていた。
現役組が無事に信濃平に着けるのか心配していたが、何とかたどり着き一安心。すでに日付は変わり、大会当日の19日。朝までに準備が終われば問題なし。ってことでぎりぎり間に合った。朝、第17回早稲田CUPの開会式。が、なんとOBがたったの2人しか来ていない?!昼までには着くとの連絡があった人もいたが、まさかここまで集まらないとは・・・。ニヤリ、現役にチャンス到来か!?選手宣誓は杉山さん。実際のチームリーダーはともかく、裏構図では、木率いるチーム“青龍”対私率いるチーム“朱雀”の熱いバトルが繰り広げられようとしていた。そして大会が始まった。
大会初日はあいにくの曇天。待ち時間に次々にOBも到着し、選手はだいたい揃ったようだ。コンディションはいまいちでタイミングを見る間もなく、出られるときにテイクオフ。しばらくして、わずかなサーマルが発生し始めると、待ってましたとばかりにまだテイクオフにいた選手たちが次々に出ていく。ここで出来る限り粘ることを選んだ選手とボーナスパイロンを取りに行った選手とで差が現れた。今大会のルールから見ると、パイロンよりもデュレーションを狙った選手のほうが、得点が高くなった。曇天のせいで得点の割合が高くなったランディング。確実にターゲットに寄せることが求められるなか、初出場の杉山さん&“まれもち”がターゲットど真ん中。ビューティフルランディング賞を持っていったきれいなランディングを決め、デュレーションの粘りも効いて初日トップに立った。2位には大会実行委員長兼選手の木、それぞれデュレーションで粘ったメンバーが上位につけた。前回大会優勝の渡辺さんは驚異の減点、マイナス2002点の餌食になり最下位に沈んだ。昨年準優勝の糸賀さんもアウトサイドに厳しいターゲット得点の餌食となり、下から2番目となってしまった。大会4度の優勝を誇る岩崎さん、初のパラグライダー参加となる私は、コンディションが悪くなり、テイクオフできず。キャンセルとなった。ずっとテイクオフにいたのでランディングの状況はよく知らないが、中西が水路に落ちたり、鈴村さんが執念の爆弾探しの末、2,3人分の爆弾を見つけたり。次々に飛んでくる選手たちのおかげで、あまり暇してなかったようだ。上ではずっとスタッフとして、まっかが頑張ってくれていた。あ、お昼食べ損なった気がする・・・。
夕方になって雨が降り出し、明日の天気が心配されるところだが、とりあえずは温泉にでも。と、驚いたことに4,5年抜きではどこにも行けない後輩たち。今まで何回信濃平に来てるのさ?!まあ仕方ない。偉大な先輩たち(つまりうちら)と同じようにやれというのが無理な話か。せめて自分らなり頑張ってくれることを期待する。実行委員も楽しまねば。やる事はまだあった気もするが、やはりみんなといっしょに温泉に。行ったことのない温泉を探して、たどり着いたのは七福の湯?七福神の湯?露天風呂のみで、雨の中どうしようかと迷う時間はなく、ここで決まり。脱衣所と湯船が10人くらいが入るには狭かったのと、洗い場が一つだけという不便さの他は楽しめた。ワセハンで占拠してたし、女湯との仕切りがかなり適当だったので、たっぷりと・・・♪実行委員長を先頭にクロカンしまくりだった。難易度はBくらい?よく見えなかったけど。まあ見慣れてるしぃ〜。ってT君が。
夕食&飲み会はいつもどおり。今回、目立ったのは石井&中西。元団長の石井は応援団で鍛えたお笑いのネタを次々に披露。サカワ、川部、児玉とのコラボレーションも見せてくれて、最高だった。「開国してくださ〜い」のペリー中西は、面白すぎ。この二人をワセハンの代表として、足尾で芸出しさせたい!たら、まっか、なっちゃんの妖しげな組体操?はフィニッシュのシャチホコに感動した。岩崎さん、糸賀さんが負けられないとばかりに、杉山さんと私も協力してのゴーストバスターズ。餌食になった人は思い出したくないでしょうね・・・。鈴村さんの芸出しも見たかった。かつては水着になったこともあるとか。他大支部長二人の「早稲田の底力を見た気がする」との言葉はなんかうれしかった。
大会二日目。20日の朝まで飲んでいた人々は起きられるわけがない。テイクオフは雲に覆われ、とても飛べそうにない。天気予報から見ても、この日の競技は厳しそうに思われた。しかし、選手はやる気満々。当然、私も飛ぶ気満々。初日キャンセルの岩崎さんがセットアップして待機。2位の木、3位の伊藤さんもセットアップ。隙あらば優勝を、という勝ちにこだわる強い姿勢はワセハンの伝統か。これを見て初日トップの杉山さんが動かないわけにはいかない。優勝は譲れないとばかりに雲に覆われたテイクオフに数機のグライダーが並んだ。しかし、天気の回復は望めず。岩崎さんがダミーとして出るも残念ながらキャンセルが決定。初日の順位がそのまま大会の成績となった。優勝は杉山さんwith“まれもち”。大会テーマ“OVER AGE”に最もふさわしい5年生の初出場初優勝となった。現役生の優勝は9年ぶりの快挙。選手宣誓をやった時点で、すでに流れは杉山さんに傾いていたのだろうか。実力を最大限に発揮したフライトは、みんなを驚かせる優勝となった。
☆順位表☆ | ボーナスパイロン | デュレーション | 爆弾落とし | ターゲット | 総合得点 | ||
優勝 | 杉山 哲郎 | HG | 42 | 549 | 50 | 300 | 941 |
準優勝 | 木 寛文 | HG | 135 | 500 | 100 | 100 | 835 |
3位 | 伊藤 進 | HG | 135 | 500 | 0 | 150 | 785 |
4位 | 崎谷 未央 | HG | 60 | 384 | 50 | 50 | 544 |
5位 | 工藤 貴子 | HG | 42 | 349 | 50 | 100 | 541 |
5位 | 下平 武彦 | HG | 42 | 299 | 100 | 100 | 541 |
7位 | 石田 順一朗 | HG | 102 | 349 | 150 | −100 | 501 |
8位 | 浅野 淳二 | HG | 33 | 230 | 50 | 150 | 463 |
9位 | 鈴村 麻理子 | HG | 39 | 415 | 50 | −100 | 404 |
10位 | 河原 由香 | HG | 42 | 299 | 0 | 50 | 391 |
11位 | 山崎 裕二 | HG | 75 | 307 | 0 | −100 | 282 |
12位 | 内田 健 | HG | 42 | 249 | 0 | −100 | 191 |
12位 | 伊藤 裕宣 | HG | 42 | 249 | 100 | −200 | 191 |
14位 | 糸賀 信行 | HG | 75 | 192 | 0 | −350 | −83 |
15位 | 渡辺 充晶 | HG | 60 | 346 | 100 | −2252 | −1746 |
参考記録 | 岩崎 康高 | HG | 600 | 500 | 50 | −200 | 950 |
飛べず | 西迫 博 | HG | |||||
飛べず | 林 麻衣 | HG | |||||
飛べず | 薄井 健吾 | PG |
閉会式は賞状の授与と記念撮影。それも待たずに帰らざるを得ない社会人の方々には、来年以降の自分が見えてしまった。賞状は上位3人の他に、チーム優勝“朱雀”、チーム準優勝“青龍”、なんとなく敢闘賞にたら、演芸賞に中西、演芸敢闘賞に石井、雲中フライトしよう(賞)に岩崎さん、ブービー賞糸賀さん、新人賞児玉と何かやった人は何かもらえたっぽい。OBの方々からうれしいお言葉も多数いただき、けが人もなく無事に大会を終えることが出来てよかった。
みんなが帰るのを見送り、実行委員は後片付け。飯山市内、初日と同じラーメン屋で夕食にしてから、帰路についた。みんな楽しんでもらえたでしょうか。私は信濃平の空で、早稲田CUP初フライトが出来なかったのが心残りですが、それはまた次回大会以降のお楽しみということで。新幹部陣をはじめ、後輩たちがこれからさらに頑張ってくれることを期待します。準備から当日の運営まで大会を支えてくれた皆様、ありがとうございました。そして来年もよろしくお願いします。帰りの高速、ワセハンの前途を祝福する木カーの爆音が長野の空に響いていた。