GWに秘湯・野湯を求めて

〜2003年 旅の軌跡 塩原編〜


  慣れない社会人生活の疲れを癒すべく、連休に向かった先は温泉。どうせなら珍しいところへ。秘湯やら野湯やらの情報を手に、久々に愛車ソアラで旅行だ。3日、土曜日。高速にのる前から、そこら中で渋滞あり。それならばと、した道で行くも、こちらも渋滞気味。裏道やらショートカットを試みるも、行きたい場所が同じ方向だから大して意味なし。ラジオから流れる渋滞情報がどんどんひどくなっていくのを聞き、まだましだと思いつつも、半ば諦めモードで北へ向かう。

  真岡、茂木、矢板などの地名を見つつ、運転もFMも飽きた頃にやっと車が減りだした。くねくねと曲がる県道のせいで、どこぞの河原へ迷い込んだら、キャンプ客で大賑わい。普段なら静かな山奥の川なんだろうが。すでに助手席は飽きて、眠っていた。昨夜は二人とも飲み会で寝不足。なのに朝早く起きて頑張った。ような気がする。早く温泉に浸かりたいな。腹も減ってきたし。と、思い始めたら見覚えのある道の駅があった。去年のワセハンクリパで寄った道の駅「湯の香しおばら」だった。ここまで来れば、もうほとんど塩原温泉郷。山に囲まれて、秘湯の雰囲気が出ている。那須塩原っていうと有名なだけあって、やっぱこっちに来る車は多い。

  国道沿いに渓谷散歩道への入口だとか、いっぱいある滝の案内だとかあるが、車を停められる場所がほとんどない。歩けってことか?観光スポットもいくつかあったが、目指す温泉は川沿いの露天風呂、「岩の湯」と「不動の湯」。すぐに見つかったが、駐車場はなく、入口付近には、駐車車両がいっぱいで停められず。離れた所に停めて、渓流沿いを散歩しながら、行ってみた。すると対岸に裸族発見。「あ、あれだ・・・」と思わず言葉を失ってしまう。「岩の湯」、外から丸見え。水着で入っている人もいるが・・・。女の子は入れんな。そこから、さらに奥へ。木枠の足湯があり、その奥にあるのが「不動の湯」。こちらも丸見え。ともに清掃料の100円のみでリーズナブルだが、人がいる時間には女の子は無理そうだ。

  すでに14時を回り、連れが腹減りをわめき出す。ご飯処をさがして塩原の温泉街を抜け、日帰り温泉のある華の湯でお昼。山菜天ぷらとそばで腹を満たし、塩原の他の公共浴場も見てみようと山奥へと向かう。他に車なんて通らないような山道から元湯へ。秘湯な感じの宿があったが、ここも満室。連休はどこも混んでいるようだ。何とかの滝を見て、秘湯奥塩原へ。ハンターマウンテンやエーデルワイススキー場はこの辺らしい。山奥とはいえ、奥塩原は旅館多し。「秘湯を守る会」の札もあった。ここでは「寺の湯」と「むじなの湯」を見てみる。いずれも内湯で、むじなの湯はいちおう男女別になっていた。寺の湯の建物裏の崖から湯気が上がっていた。奥塩原新湯爆裂火口跡だって。

  山奥で17時を過ぎ、暗くなる前に下山。再び戻ってきた温泉街で、4月25日にオープンしたばかりの塩原もの語り館に寄ってみる。中には入らなかったが、川向こうにここも露天風呂あり。うちらも早く温泉に浸かりたい。で、クアホテル寿苑の日帰り温泉に入った。一時間たっぷりと肩こり・腰痛コースにしたがって温泉満喫。風呂あがりはマッサージチェアで極楽♪もう寝たい気分だ。

  塩原に別れを告げ、次なる目的地は那須の高雄温泉。元は一軒宿の温泉旅館があったとかいう場所で地図に地名のみが載っているくらい。無料で開放されているらしいが、存在するのかどうかもわからず。ネットで見た情報を頼りに夜の那須山中へと入っていく。ロープウェイ方面から裏道を迷い、それらしき場所へ近づいているような気もする。すると前に車が止まっていた。中から人が「この辺りに温泉ある?」って同じところを探しているらしい。源泉保護を訴える壊れた看板と開いているゲートを抜けてさらに奥へ。ちょっと行くと、そこは車やテントがいっぱいのキャンプ場と化していた。どこが秘湯だ?人多過ぎ。でこぼこの広場をソアラの底を擦りながら奥のほうへ。そしてついにたどり着いた高雄温泉。まだ存在していたのだ。

  みんなこの広場でキャンプをしながら温泉を楽しむらしい。山の上だから昼は眺めがいいし、夜は星空がきれいだそうだ。ネットで見つけて来た人もいれば、テレビで放送されたこともあるらしく、加えてGWってことでめちゃ混んでいるらしい。暗闇の中に露天風呂が広がっているが、女の子もいるから懐中電灯で照らしちゃダメだって。露天風呂というより野湯だな。昼間の明るい時よりも、真っ暗な夜の方が女の子は入りやすいだろうが、連れは拒絶。いちおう考えてみたらしいが、人の多さが気に入らないらしい。まあいいとこを見つけたってことで、またいつか来るとしよう。それにしても普通に若い女性も入っていたな。白濁した湯だし、どうせ暗くて見えないし。でも、風呂あがりが大変そうだ。

  さて、いつの間にやら夜。那須の温泉街、旅館・ホテルはどこも満室で、飲食店はすでに閉まっている。21時を過ぎてもやっているのはファミレスくらいか。しかし、そのファミレスも混みすぎ待ちすぎ。那須での夕食は諦め、帰りの方向へ。助手席は、完全にダウン。おやすみしている間に、私は夜の国道を軽快にひた走る。夕食はどこ?泊まるのはどこ?FMの音も小さめに、眠気と戦いながら、足尾方面を目指すソアラ。さすがにGWに無計画は厳しかったか。まあ、いい温泉をいっぱい見つけたので、良しとしよう。次は楽しげな秘湯・野湯に、みんなで来ようか。女の子も水着があれば多分大丈夫でしょう。社会人生活の疲れを温泉で癒したことにして、今夜の寝床を探して走るソアラでした。

おしまい

inserted by FC2 system