田舎暮らし農業体験

〜2008年 旅の軌跡 遠野編〜


【旅のミチシルベ】
◆日程・・・11月1〜4日。
◆目的・・・ワーキングホリデー。農業体験、牛・馬の世話。田舎暮らしを体験する。
◆コース・・・遠野〜湯川温泉〜北上〜中尊寺〜厳美渓〜鳴子温泉〜仙台。
◆宿・温泉・・・農家レストラン横一。湯川温泉高繁旅館黄金風呂。北上パッションホテル3255円。鳴子温泉滝の湯。

【旅の軌跡】

11月1日

  10月31日の夜出。日付的には1日の0時過ぎに浦和を出発。ヴォクシーの後ろをベッド状態にして、3人でドラ交替しながらの夜行バン。意外と温かく眠れて遠野に6時過ぎ到着。高速を降りてすぐの道の駅で朝を迎えた。毎夏恒例の東洋大遠野ワーホリ体験ツアーの秋バージョン。Uえまてぃ、Yーき、Kずえ、私の4人だ。同日程にて山形十分一でピンクカップが開催。こちらも気になるところだ。

  知らない土地ではナビが活躍。遠野のはずれ、まさに日本のふるさとのような景色の中に、今回お世話になる“農家レストラン横一”を発見。一度は通り過ぎかけましたが。早朝の到着で、遠野のカリスマ、人生の楽園を生きる男、Aべさんと出会う。挨拶もそこそこに厨房へ通され、みんなで朝食の支度。いきなりの展開にとまどい気味。

  厨房で動けるこの4人はなかなかのものでは?Aべさんの指示に従い、朝食を調理。目の前の畑で今取ってきた食材を使った料理は、どうってことないように見えて、すごく美味かった。白菜もチンゲン菜も目の前の畑から。簡単に作った料理でこれほどまでに美味いとは。軽く感動。

  さて、ウチらがまずやることはどうやらレストランのお手伝いということになりそうだ。完全予約制なので、一日の客は数組だけど、たまには突発のお客もいるとか。今日の数組のための下準備やら野菜の収穫やら、厨房でいきなり慌しく働いた。

  午前中のレストランがひと段落した後はお昼。遠野での二食目、Aべさんの腕もさることながら、食材の新鮮さと美味さが素晴らしい。田舎ってすごい。食後は牛の世話。牛にもお昼。エサの草を持っていったらテンションが上がって牛は騒ぎまくり。大変だった。Kずえは犬の散歩に。どうやら犬はすごくうれしかったようで、相当遠くまで連れられて行ってしまった。牛君は夕方にはおやすみ。早寝早起きだ。

  昼過ぎに来たお客さんは愛知県から。ウチらがワーホリで働いていることを知るとなぜかやたらと褒められた。わるい気はしない。無料で宿と食事のお世話になる代わりに、好きな田舎暮らし体験をさせてもたっている程度のものだけど。

  今日のお客さんはこれでおしまい。次はきのこ狩り。長靴履いて、Aべさんの持ち山へ。ナメタケとかクリタケとかをゲット。でもほとんどはAべさんが先に発見。自分で見つけたときにはけっこううれしかったり。単独で一つだけ生えているのはだいたい毒キノコ。食べたらやばい。この時期はもう霜でけっこうきのこがやられてしまっているとか。1時間半ほど山を歩いたけど、大量ってほどではないらしい。十分に収穫できたとは思うけど、もっと採れるってことか。登山道の無い、ただの野山。簡単に道に迷えそうだった。天然のわさびが群生していてびっくり。水がきれいなんだねえ。

  山から出てきたら、渋柿取り。家の近くに一本だけあった柿の木に大量になっていた実を全部採っていいとな。4人がかりで収穫。Aべさんも加わって300個ほどの実を全部採る。見事に何も無くなった。この後、渋柿干しのために、皮を剥きまくりの柿まみれになるとは想像もせず。それでも出来上がった干し柿の様子はなかなか見た目のいいものだった。田舎ではこうやって軒先に吊るすそうだ。

  17時過ぎには夕食の支度。働いているとはいえ、ご飯がおいしくて4人ともかなりの量を食べちゃいました。食事の片付けが終わって今日の仕事は終了。レストラン奥の空いている部屋を片付け、寝床を準備。19時頃には自由時間になった。良く働いた一日はあっという間だ。

  お風呂は近くにあった日帰り温泉で。露天風呂もないどうってことのない温泉だったが、まあ温まれたので良しとする。4人ともそろって体重が1〜2kg増。体重計が壊れているのでは?ってことでまとまった。横一に戻ると、もう夜は寒い。特に使われてなかった奥の部屋のひんやり具合は相当なもの。布団をたっぷりとかぶって22時過ぎにはおやすみなさい。

11月2日

  寒いっ。昨夜たしかに寒かったけど、朝の冷え込みはもっとすごかった。薪ストーブで部屋が暖まるまで厚着。Aべさんはすでに6時前には起きていたのでは?ウチらはのんびり8時起き。まずは朝ご飯の準備から。今日はお客さんが3組くらい。お昼過ぎまでは料理作り。二日目ともなればこの厨房での作業も何となくいい感じに回るようになってきた。4人とも料理の腕はなかなかのものだ。なんて言ってみたり。自炊してる4人なので、全員それなりのことはできて、多分助っ人としては申し分ないのでは?午前中はあっという間に過ぎました。あいかわらずここの飯はうまい。

  今日は他にもワーホリがいるとのこと。実際に来たのは中年の夫婦二組。ワーホリではなく、ただの泊り客で、きのこ狩りと横一の料理を味わいに来ただけだった。食事や寝床の準備はウチらの仕事。てっきり同じワーホリだと思っていたので、この中年どもは仕事もしないで遊びやがって、くらいに思ってしまった。

  午後、お客さんがひと段落したところで、牛の世話と薪割り。牛君たちは今日もよく食べていた。薪割りはなかなか大変。大量に積んであった薪の中から比較的割れそうなものを選び、気分は一刀両断。実際には三回くらい振り下ろして何とか割る感じ。うまくいくと一発で割れることも。間伐した木材をもらってくるらしい。薪ストーブを使うためにはたっぷりと割っておかねば。

  夕方、今日は特にやることが無いそうで、3時過ぎには自由時間。せっかくなので、遠野でもラン。走ります。田舎町からにぎやかなとこまで片道4kmくらい。途中、トイレに困り、通り道の民家で借りた。親切だったなあ。庭先で薪を割っていた老夫婦に横一にワーホリで来ていることを告げると、「ぜひ今度はウチに」だそうだ。帰りには軽く雨に降られるもぎりぎり横一に帰宅。いい練習になりました。

  中年二組は愛知から来たそうで、横一のリピーターだった。ここの料理を年に一度くらいは食べて体の中をきれいにするんだとか。確かにここで一泊したら体の中がきれいになる気がする。ウチらが昨日行った温泉に行ってきたそうで、その帰りを待ってみんなで夕食。全員そろっていい食べっぷりだった。体重増もやむを得ずってとこだ。

  夜は遠野の中心街へ。温泉に入り、遠野在住の後輩、Tむに会いに行く。6,7年ぶりに会うのに夜のくらい中で、一目でわかってもらえてびっくり。お互いにそれほど変わってないのかな。遠野暮らしにも結婚生活にも慣れ、元気そうで何よりです。また機会があれば一緒に遊びましょう。街唯一のファミレスでのんびりしてたら帰宅は22時前に。ふすま一枚で遮られた部屋でひっそりとおしゃべりして寝ました。

11月3日

  遠野最終日は、予約ゼロとのことで近所の馬のとこへ連れていってもらった。今回都合があえば、馬の世話体験もできるかもって話だったけど、残念ながらそこの人たちみんな揃って結婚式で不在。Aべさんに連れられて、勝手に馬小屋を見学させてもらった。馬だけじゃなく、牛もいっぱい。ここら辺の農家はどこも飼っているらしい。ちなみに馬刺しが有名だそうだ。直売所へ案内され、ここでは馬刺しを全面的にアピール。さっきの馬がこうなるのかと納得。もちろん購入。お昼にみんなで食べよう。

  馬小屋のとこから近くの山へ。夏には馬や牛を放牧するとか。まさに高原って風景で、飛んだら最高な感じ。そこら中がLDだ。標高1000mの山頂は雲の中だったけど、遠野を見渡す景色は、日本の田舎の風景そのもの。夜空を見に来たい場所だ。満足して横一に戻り、残った時間は大量に薪割りに費やす。これも貴重な体験。数をこなせば、みんなそれなりに上手くなったような。今年の冬は当分困らないだけの薪を作りました。

  のんびり過ごす最終日、のはずが、お昼過ぎに次々に車が来襲。8台も横一に横付け。何事?!なんと、Aべさん、予約が入っていたのを忘れていたとか?!カレンダーに記入の読めない文字は予約のメモだったのか?!朝、聞いたけど、今日は予約無いって言ってたじゃん!?なんて言う間もなく、Aべさん&4人フル稼働。ちょっとの待ち時間でお客のおばさんたちは不満そうにしていたが、横一の料理を食べればご満悦。この味で気持ちも穏やかになったようだ。ふ〜焦ったぜ。Aべさんはもっと焦ったに違いない。これで予約を忘れたのは2回目だとか。3回目に注意。

  さっき買った馬刺しと横一の料理で、遠野最後のお昼。新鮮な食材でおいしい料理をたっぷりと食べた三日間を締めくくった。Aべさん、ありがとうございました。今度は遠野に飛びに来て、横一の隣にLD、そのままお昼ってのをやりに来ます。あっという間のワーホリを終え、横一にさらば。帰りにサンQふる郷市場にてお土産購入。日本の田舎の原風景ってこんなところなんだろうなあ。

  さて次なる目的地は、黄金風呂。秋田との県境近く、携帯も圏外の山間部に、湯川温泉がある。ここは湯治場としても有名らしいが、それ以上に高繁旅館の黄金風呂が有名だ。それなりに。最近TVで見たので、ぜひ行ってみたかった。感想は、ネタにはなるので一度は入ってみるべし。黄金の輝きを味わえます。普通の温泉も広くて快適。一応混浴も可、となってたけど、あの風呂に混浴はありえないな。

  すっきりしたとこで、一足先に帰るKずえを送りに北上駅へ。電車までのわずかな時間で夕食。駅前の居酒屋“いろはにほへと”で食べる。慌しく食事して駅へお見送り。一人減った今夜の宿は駅から10分程度のとこにある、北上パッションホテル。3人で15畳、無駄に広い部屋で遠野麦酒アルトで乾杯。お風呂も4,5人は入れる広さだったし、この値段なら文句無い。

11月4日

  最終日は平泉散策。Uえまてぃ、Y−きとともに中尊寺金色堂を見に平泉へ。ちょうど紅葉の季節。菊祭りも開催中。平泉坂の上駐車場500円。階段を上がると本堂すぐの近くに出た。紅葉の下を歩き、中尊寺金色堂の輝きに触れる。近くに源義経公最期の地。高館義経堂(たかだらぎけいどう)200円。建設中の道路と川が見渡せる高台にあった。歴史ロマンに思いを馳せなければ、どうってことのない場所だった。そこからすぐの毛越寺(もうつうじ)へ。駐車場300円の拝観料500円、細かくお金を取られる。庭園がきれいなとこ。紅葉の撮影会で楽しむ。平泉駅から毛越寺への道は、世界遺産登録を意識してか、統一された街並みになっていた。

  平泉からほど近い渓谷、厳美渓へ。名物の空飛ぶ団子をいただくと、それを最後に売り切れの赤旗。いいタイミングだった。栗駒町経由で地震の爪あとを見る。山が突如として崩れ落ちている光景は自然の脅威に他ならず。栗駒町の山間部はまだ通行禁止の地域が多かった。山道を抜け、鳴子温泉郷へ。すでに時間が遅く、紅葉がきれいな渓谷の遊歩道には入れず。それよりも夕方になって寒さがやばくなってきた。鳴子温泉の中心部で、早稲田ゆかりの“早稲田湯”を横目に、公衆浴場“滝の湯”へ。たっぷりと温まり、帰りの力を蓄える。湯上りの温泉蒸し卵“黄身恋し”が美味かった。Y−き、ごちそうさま。一路東京を目指す高速で途中下車。この旅の最後は、仙台の牛タン“利久”で夕食。偶然にも行った先は本店。お土産に牛タンをお持ち帰り。本場の牛タンで締めくくる遠野ツアーでした。あとは東京まで400kmのドライブなり。

おしまい

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