高野山参りの和歌山遠征

〜2007年 旅の軌跡 和歌山編〜


【旅のミチシルベ】
◆目的地・・・高野山。海南市巽(たつみ)小中学校近辺の大会会場。
◆寄り道・・・龍門、紀ノ川フライトパーク。
◆やりたいこと・・・高野山サイクリング。海南クロスカントリー参戦。パラの試乗会様子見。
◆泊まるとこ・・・ビジネスホテル、三つ井旅館。

【旅の軌跡】

12月8日

  高野山の麓のローソンで目が覚めた。寝坊した。昨夜、深夜の名阪国道をひた走り、出発から3時間で高野山付近に。力尽きたのがここだったっけ。10時、いい天気だ。が、ヒルクライムにはちょっと寒そうだ。高野山方面は暗雲が立ち込めている。わけじゃないが、曇空だ。ちょっとさまようも車を停めるいい場所が見つからず。そのまま車で高野山を目指した。ヒルクライムにはちょうどいい道だ。自転車にこそこの上り坂はふさわしい。車にはちょっと狭いし、うねりすぎ。快適じゃない。

  山々にはまだ紅葉が残っている。高野山が近くと一時渋滞。車が一気に押し寄せすぎだ。町の西側の入口、大門に到着。12時だというのに気温は2度?!来る途中、下山する自転車を、街中でサイクリングのグループを見かける。こんなに寒くても自転車乗りは走る。そして私も自転車で高野山を巡る。とは言っても移動距離は大したことないんだけどね。

  最初に立ち寄ったのは伽藍。境内に入ってその不気味な静けさと堂々たる歴史的建造物の数々にビビる。金堂、それに根本大塔。仏教的な建物だが、大塔はまさに仏教のその形。ネパールで見たものと似ている。お寺の本堂のようなものはどれも見たことあるが、それぞれの本尊だとか、祭ってあるものだとか、宗教的すぎて感心するばかり。聖地に足を踏み入れた。そんな感覚か。境内を出れば、街だけど、寺院の多し。隣接するのは寺ばかりだ。

  ここ高野山は真言宗の聖地。四国八十八ヶ所巡礼のお遍路さんが最後に来るところ、総本山の金剛峯寺。八十八ヶ所巡ったらまた来よう。自転車で寺の並びを通り抜け、弘法大師御廟、奥の院へ。大師信仰の中心霊域、奥の院。写真撮影禁止の聖域、御廟所では、念仏や読経がそこら中から聞こえてくる。日本にこんなに信仰深い光景あったのか。無数のお墓には、信長、秀吉、家康の弟、など歴史的人物から、有名企業や動物、しろありの墓まで、ある種独特の雰囲気が漂っていた。

  女人堂へヒルクライム。女人禁制だった時代には女性はここまでしか近づけなかったとか。高野山の端っこもいいとこだ。こういう場所が七つあったそうだが、今ではここの一つだけ。静けさとひと気の無さが不気味だ。街全体が聖地、信仰深いわけじゃないけど、なんか違和感を感じる。興味深いとは思うけどね。

  総本山金剛峯寺は、中も歩いて見学。障子やふすま絵、建物の造り、どれをとっても文化的価値の高いものばかり。写真撮影が禁止なので、じっくり見てきた。誰も居ない大広間でお茶をいただき、庭園を見て趣きの深さに浸る。寒いせいか、タイミングがよかったのか、ほとんど人がいなくて静かに楽しめた。でも、これ以上人がいなかったら、不気味で長居は出来ないな、多分。

  寒さに負け、いくつか見どころを残して高野山にさらば。パラの試乗会をやっている龍門を経由。夕方4時過ぎてもまだまだ飛んでいるのを横目に和歌山へ。5時過ぎに、今日の宿、三つ井旅館へ到着。和歌山市駅、徒歩3分。にぎやかそうな街並みだけど、人が少ない。こんなもんか?夕飯は駅ビルの地下、焼肉屋さんでがっつり。散歩するほどの時間もなく、お風呂を独り占めしてのんびり。ビジネスホテルって、どこも何となく微妙な空気なんですが・・・。

12月9日

  早起き。冬の朝は寒い。この旅館、6時半でも受付は不在ですか。鍵だけ置いてさらば。今日は海南クロスカントリーに参加。大会会場へと向かう。が、近くまで来て道に迷う。田舎特有の袋小路と不親切な案内で苦戦。それでも時間には余裕たっぷりで到着。ローカル大会ののんびり雰囲気満点。嫌いじゃないけどね。今大会はクロスカントリー、ランの4.2km。全員でコース下見のジョグがあるなんて珍しい。アップついでに付いていく。先導は補助員の地元高校の野球部か?下見に参加しておいてよかった。クロスカントリーというよりトレイルランに近い。距離は短いけど、アップダウンが激しい周回コース。しかも落ち葉で地面が見えない。一般の部は人数が少ないなのが救いだが、こんなに狭かったら抜けないぞ。

  小中学生のレースが終わるまで、ゆったりとアップ。一般と高校生合わせても30人程度。あとは中学3年生。この大会、コースの他にも面白いのが、スタートの整列。人数が少ないとはいえ30人程度が横一線。3人は並べない狭いコースが続くため、スタート直後は全員猛ダッシュ。左右から押されて、あんなに激しい出だしになるとは予想外。大人らしく、おとなしく後方へ下がってタイミングを見計らう。が、実は2列目から同時に中学3年の部もスタート。こっちは距離が3kmと短いため、ウチらを抜くような勢い。1,2分で誰が同じレースなのかさっぱりわからなくなってしまった。

  ハイペースとコースレイアウトのせいで、呼吸が落ち着くことなく距離を重ね、折り返しですれ違う同じカテゴリーの選手を確認。ぎりぎり入賞圏内、6,7番手を走っているせいで、ここからさらに苦しい展開に。全然無理ならマイペースにするんだけど、そういうわけにもいかず。後方からの追撃も喰らいながらのいやなレース。無い実力をカバーするのは作戦のみ。距離も種目もタイムを争うようなものでもないので、この際入賞にターゲット絞ることにする。曲がりくねった道で、後ろから見えなくなるたびにペースアップ。登りでもペースアップ。見事にハマった後続はレース中盤で沈んだが、自分もよりきつくなり終盤の登りは高校生にごぼう抜かれ。そんな中、トップが怪我でリタイアとの情報。転がり込んだ6位を守るように、後ろだけを気にしながら、登りでは歩く始末。ていうかここ完全に山だし。

  距離が短いおかげでバテる前に何とかゴールが見えてきた。最後も登りだったのはむしろ都合よく、後ろを見ながら余裕でゴールへ。前には離されたけど、一応入賞なんでいいでしょ。表彰式、プレゼンターが気合入れて賞状くれるから、「所属、LOVE・WING」って読まれたときには若干恥ずかしかったり。何とかACとか何とかRCに続いて、最後がLOVE・WINGだもんなあ。中学生、ざわつき過ぎだよ。

  午前中で大会が終わったので、午後は紀ノ川フライトパーク、龍門へ。パラの「バリバリ試乗会」で誰か居ないかなと思って。初龍門!いっぱい飛んでた。でも、知ってる顔が・・・ブースに居た。M田のアニキ、U野さん、前Dさんまで。「あれ?なんで?!」みたいなノリでコーヒーをいただく。他にもハングでN口が来てるとか。Hんた君にも会った。エリアに行けば、誰かしら知り合いがいる。狭い世界ですから。機体とハーネスと「試乗セット貸してあげるから飛べよ?」とありがたいお言葉。だけど、疲れてるので遠慮しといた。午前中のレースで足へのダメージが思ったよりひどくて。コースが激しかった証拠だな。

  それでも、龍門のパラTOまで、自転車でヒルクライム。ダウンとTO見学を兼ねて、バンより先に行く。が、道を間違え、いきなり追いかける側に。TOまで近いっ。自転車で15分、バンなら10分もかからない?!徒歩0分。これなら日に何本でも飛べるな。標高差は250mくらい?いい景色だった。飛び待ちの人、多し。自転車で行っても挨拶してくれるのはうれしいね。斜面に見えるミカンが和歌山って感じでした。

  夕闇の中、一番最後までブースの後片付けのお手伝い。これ、荷物多すぎじゃないっすか?初の出展ということで気合入っていたらしい。N口さんと私と、アシスタントになってました。バイト料は夕飯。M田さんとU野さんとN口、4人でカレーうどん&とんかつをがっつりいただく。近況報告会ならぬ足尾同窓会的な。お二人はこの後東京まで帰るとか。ハードすぎ。ご馳走さまでした。またどこかのエリアか大会で会いましょ。そうそう、足尾っ子って前Dさんに愛されてるね。困ったら何でも相談するんだよ、かなりみんなの味方だから。かつては自転車乗りだったということで一気に距離感が縮まりました。みんな、知ってた?

  自転車、マラソン、パラと濃い週末。走るだけの遠征だと思いきや、サプライズな再会は素敵だった。でもまあ久々なようでそう感じない、不思議な感覚。貴重っちゃ貴重だ。賞状をお土産に、夜中の国道を爆走する。東京まで帰るよりは近いよなあ。そう思ったら三重まではあっという間。さて、今年の大会はこれで締めくくり。次の大一番へ向けて明日から頑張りましょうか。でもまずは休んでからね。

おしまい

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