ツール・ド・八ヶ岳参戦記

〜2005年 旅の軌跡 八ヶ岳編〜


【旅のミチシルベ】
◆目的地・・・茅ヶ岳、八千穂高原、八千穂村。
◆やりたいこと・・・深田久弥終焉の地を訪れる。ツール・ド・八ヶ岳に参戦。
◆泊まるとこ・・・八千穂高原スキー場駐車場で車中泊。
◆温泉・・・稲子湯。海尻温泉灯明の湯。

【旅の軌跡】

  八ヶ岳に行く!から、ついでに山でも登ろうか。そんなふうに呼び出された越前守。レースサポートもしてもらおうかしら。4月中旬、八ヶ岳麦草峠の冬季通行止め解除に先立って開催される自転車のロードレース、ツール・ド・八ヶ岳にエントリーした。せっかく行くなら、その辺の山も、なんて思ったり。ちょうどいい場所にあったのは茅ヶ岳。日本200名山に数えられ、百名山の名づけの親、深田久弥終焉の地として名を広めた山だ。いわゆる百名山に比べれば、ちょっと地味な山?!

4月15日 深夜

  夜中の甲府で待ち合わせ。越前守さん、ファミレスで2時間待ち。理由は交通事故による通行止めで予定より大幅に遅れたのが原因。出鼻をくじかれたのはこれだけではない。昇仙峡ラインで迷い、行き止まりにハマったり。登山口には4時過ぎにやっと到着。寝るぞ。

4月16日

  朝、8時には起こされた。暑いんだよ。晴れ。寝ている間に駐車場の車の数が増えてる。すでに出発した人たちがこれだけいるってことね。枝ばかりが目立つ森の中を緩やかに登ること1時間、最初のスポットは女岩。今にも崩れそうな岩壁に見えるが、岩らしい。どの辺が女?

↑ 深田久弥、終焉の地

  ここから先がいきなり急になる。尾根まで一気に登る感じ。稜線の向こう側が見えるあたりに在ったのが、深田久弥のお墓?碑?終焉の地ってことはここで生涯を終えたのか?ここまで来たのか?調べてみる必要あり(→越前守の宿題。)だな。奥秩父の山々が見渡せる狭い場所だ。深田久弥、略して深キュン。そんなこと言ったら、百名山信者に怒られそうだ。なんて思ってたら頂上到着。2時間着いちゃった。先客は10人くらい。この時期のこの山にしては多いように思える。深キュンファンが多いということか。

茅ヶ岳山頂 ↑

  早すぎ。物足りないので、もうひとつの奥の最高峰、金ヶ岳へ。上がってんの〜下がってんの〜ってな感じでもう1時間。先客は30人くらい!多い!なんで?!茅ヶ岳で物足りずに足を延ばした集団がこんなに居たってことか。広島(←大阪だったかも。)からのバスツアーだってさ。深キュン大人気だ。頂上の立て札裏の空き地でラーメン。春とはいえ、標高1700m。風がなくても肌寒い。ラーメンで暖まる♪

  さあ集団に飲み込まれないうちに出発だ。茅ヶ岳への復路も1時間。下がって登ってだからあまり時間は変わらないらしい。残雪がちょこっと見られた。茅ヶ岳の頂上はスルー。さっきたっぷり遊んだし。深キュンに手を合わせて山旅の無事を祈る。女岩から滴る水がからだを潤す。そのまま登山口までトーク&ウォーク。廃墟と化した小屋に想像を巡らせ、深田久弥終焉の地にさらば。山旅に満足げな他の登山者へおつかれさま。孫へのお土産は袋いっぱいの松ぼっくり。自然のお土産もこれだけ集めればいいもんだな。ツアー客たちの下山を待つバスが1台。駐車場には朝よりも車が増えてた。

  茅ヶ岳にさらば。JR線路の最高地点とかいう野辺山を通過。八ヶ岳の東斜面を見ながら、佐久甲州街道を北上。雰囲気は高原の別荘地から始まり、田園風景の田舎道、そして未開の土地へ。大会前日の受付は八千穂高原スキー場。偏狭の山道から峠近くへショートカット。17時にぎりぎりセーフで受付終了。実力に自信ありの自転車マンたちが集まってきているのか?ツール・ド・八ヶ岳、スタート前日は嵐の前の静けさか。

  ビビっても今さらしょうがないので、いつもどおり山の後の温泉へGO!迷い道の途中で発見した秘湯の趣き漂う稲子湯へ。信州秘湯会の宿だそうだ。湯治場みたいな宿で、静かな場所。お風呂は源泉かけ流しの内湯。味は・・・鉄だ。味はともかく疲れたからだに染み渡る。いい湯なり♪

  外は雨がぱらついてきた。明日は荒れるのか?いや晴れる。と信じたい。じゃなきゃやばいから。まだ雪残ってるし・・・。コースの下見もかねて、国道299号、メルヘン街道を下る。それほど急には感じないが、なんとも言えず。睡魔が勝ってたから何もわかんねー。危うくコースアウトしそうになり、越前守焦る。自分でももっと焦る。ていうか助手席、起こせ。

  夕食は八千穂村の定食屋さん。お手ごろ価格でボリュームたっぷりのしょうが焼き定食を食う。うまい。満腹になって睡魔倍増・・・。明日に備えて、スーパーで明日のお買い物。私はレース、越前守は登山でそれぞれ八ヶ岳にアタック。果たしてその結末は・・・!!

4月17日

  寒くて目が覚めた、のは越前守。スキー場駐車場での車中泊。標高は1800mくらい?寒いに決まってる。いつの間にやら自転車を積んだ車がいっぱい。緊張してきた!「八ヶ岳はオレのもんだぜ☆」って感じで、越前守は一足先に麦草峠へ。アイゼン持って還らぬ旅にならなければいいが・・・。八千穂高原からスタート地点へと下るメルヘン街道はサイクリング、やっほーぃ♪山岳道路を自転車で下るのって楽しいっ。

  イベント的な盛り上がりというより、真剣勝負の空気ピリピリ?!なんだ、この場違いな空気は。ていうか何?このリアルアスリートな奴らは?!何かやばい気がしてきたぞ。目指すゴールは、あの山か?!その頃、越前守は北八ヶ岳の迷走へ・・・。

→ → → 第19回 ツール・ド・八ヶ岳

  レース後は閉会式に参加。女子のMTB五輪選手と12歳の少年が印象に残った。この子にも負けたわけね。豚汁でちょっと生き返ったものの、足はガクガク。芯まで疲労がたまってる。2度目の参加はありえねー。って思ってても、しばらくしたら?まあそのときはそのとき。疲れを癒す温泉は通り道にあった「灯明の湯」。染み渡っても回復しないくらいの疲労度。信州に沈む夕日を背にした八ヶ岳は見事にそびえる壁。八ヶ岳すげえ。けど、ここを自転車で駆け登る奴ら、もっとすげえ。

  長い冬が明けて、新緑の季節を前に、こんな山旅。次は普通に八ヶ岳に登りに行こうか。また自転車でも、いいけどね♪

おしまい

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