八ヶ岳の中心で愛を叫ぶ

〜2005年 旅の軌跡 八ヶ岳編2〜


【旅のミチシルベ】
◆目的地・・・八ヶ岳連峰、赤岳、横岳、硫黄岳、阿弥陀岳、などの頂上。
◆やりたいこと・・・愛を叫ぶ。
◆泊まるとこ・・・赤岳頂上小屋、赤岳展望荘、あたり。
◆温泉・・・原村ふれあいセンターもみの湯、かな。

【旅の軌跡】

10月21日 深夜

  茅野駅集合。のはずが、152号線沿いのセブンイレブンで、しばらくマガジンを読んだり、地図を見ながら待つ。そのころきっとうっちゃんは暴走していたはず!?あやしい集団に囲まれながらも待つこと15分くらい?やっと合流。そのまま朝ごはんと昼ごはんを、フォー!車の後部座席に荷物を投げ込み出発。一路美濃戸へ出発する。途中道に迷いかけそうになり(いつものこと)ながらも無事に美濃戸口に到着。ここからは林道をしばらく行くことになる。何回か底にぶつかったけれどもそのまま進む。それでようやくやまのこ村に到着し、そこに駐車し、明日晴れることを願って眠りにつく。ZZZ・・・。(by越前守)

10月22日

  美濃戸やまのこ村、車中泊。6時起床、6時半出発。の予定が、7時出発。寝不足です。どんより空模様なり。でも行く。とりあえず行く。合言葉は「赤岳、フォー!」。流行りに乗ってみる。北沢から赤岳鉱泉へ。いきなり計画と反対周り。計画なんてそんなもん。展望はいまいち。体調もいまいち。鉱泉手前で雨も・・・?!小屋で他のパーティに聞くと、結構硫黄岳経由のグループ多し。どうせなら、ね。しかし、天気は悪化。赤岳鉱泉からいよいよ急斜面を登りはじめたかと思いきや雨。いや、雪が降りだした。後に聞いたが、初雪だそうだ。

  しばらく歩くと印旛沼登山会(←勝手に決めつけた)の人と合流することになる。先ほどの赤岳鉱泉で会った人々だ。硫黄岳手前の小屋のところまで一緒に進む。八ヶ岳は初めてと言っていた。しばらく、硫黄岳、フゥー!と、うっちゃんのヒロシのものまね(やってないから!)を聞きながら、本日最初の頂上、硫黄岳に登頂!到頂?見渡すかぎりの白いモヤ。はっきりいって頂上といっても・・・な感がただよう。それに風がすげぇー強い。たまらず頂上をあとにすることにする。20分くらい歩いたところに硫黄岳山荘。そこで暖と昼食をとった。硫黄岳からずっと下りだったが、ここから登りにかわる。11:30に硫黄岳山荘を出発し、横岳に向かう。横岳は鎖や梯子の連続らしい。ということでいきなりメインイベント、かにの横ばいに・・・。ぜんぜん前評判とは異なり、恐くなかったっす。その後しばらく行くと本日2つ目のピーク、横岳に。ここでまた山岳会のみなさま(硫黄岳山荘でのんびりしてる間に抜かれたらしい)と和気あいあい。やっぱり風が強いので先に進むことにする。鎖場とは多いのは横岳→赤岳間。ゆっくりと着実にこなす。

  13:30くらい。一回目の赤岳天望荘に到着。他の人を待つか悩むが、本日の宿である頂上小屋に泊まるため、一路赤岳頂上をめざす。結構急な登りで三点確保をしながら登る途中で会った親子連れは「今晩雪だからアイゼン持ってない人は下りた方がいいよ〜」的なことを言われたらしく、天望荘に向かっているっていうことだった。あら、もしかしてうちらも・・・?ということで頂上小屋で「雪が降るのでどうしますか?」とのこと。う〜ん。とりあえず雪降ったらいやなので高度をおとすことにする。の前に大事なことを忘れていませんか?ということで本日3つ目の頂上、赤岳に到着。うーん、まあ3つ行ったけど、一個もなにも見えなかった。残念。ピークも踏んだし、後は降りるだけなので、ゆっくり下りれば大丈夫だろうとのことで赤岳天望荘へ逆戻りする。バイキングと満天の星空、日の出、最高の展望になればなあと思っていたり思ってなかったり。出てくるときの天気予報、あまりよくなかった(曇り時々雨)ので、あまり期待してなかったのが本心でした。(by越前守)

  14:55頃、赤岳天望荘到着。今日はここに泊まり。頂上小屋に予約してたけど、残念。明日の雪を考えると安全に少しでもおりたほうがいいかもって。赤岳頂上だけ踏んでおりてきた。

  15:50、今コタツに入ってる。練炭のコタツ。この小屋コタツがある!あったけー。どのコタツも人がいっぱい。トークが弾んでます。

  17:30から夕食。なので17時から準備ってことでホールから追い出される。談話室のほうで食事待ち。そんなに人数が多くないせいか、たまたま途中で顔合わせた人が多いせいか、みんなけっこうフレンドリーに話してる。やっぱこんな感じでいろんな人と話せたほうがいいかも。

  夕食バイキング!うめえ。まじうめえ。食いまくり。たっぷり。メニューも豊富。山菜のてんぷらいい!モツ鍋もいい!山の上でよくこれだけ出せるなあ。デザートにおしるこまであった☆こんな夕食、すばらしいです。「モツ鍋片付けてくれる人?」「はいっ」ってソッコー手挙げた。どっさり。みんなにあげるんじゃなくて、ひとりで・・・!?食いすぎました。満腹・・・。

  10月22日(土)18:25、赤岳。夕食バイキングの時、となりにいた女性二人、愛知県蟹江町より来ました。楽しいひと時をワインをいただき、過ごさせていただきありがとう!!(by木下、池)

  食事のテーブルは独り山旅の40代のおじさん、50代のおじさん、おばさん二人組(旦那は高山病でダウン)がいっしょ。一本5000円のワインなぞ飲んでトークが終わらん。茶をすすりながら、19時過ぎくらいまでしゃべりっぱなし。山小屋では話すくらいしかやることないから。コタツも満席だ。

  20:00、いきなり消灯。放送くらいかかるかと思いきやいきなり真っ暗だ。山の夜は早い。今朝早かったから、すぐに眠れるけどね。おやすみ〜。

  ふと目が覚めたのは0時頃。もっとたっぷり寝た気がしたが、そんなに時間は経ってなかった。ごろごろしても眠れず。ちょっと外でもお散歩。くそ寒くてやばい・・・。でも昼間の雲がうそのようにすっきりと無くなり、遠く町の灯りと黒い山影。闇の空に富士山がうっすらと見えている。幻想的な景色。写真には写らないが、心に焼き付けた。こんな夜、八ヶ岳の中心にいたら、愛を叫ばずにはいられないでしょ?!うおー!好きだー!!

10月23日

  昨夜は夢か現実か。5時の起床では頭は寝ぼけたまま。寒い・・・窓の結露は凍ってるし、外は真っ白だし。ご来光どころじゃないってば。朝食まではのんびり寝よっ、そんな朝。みんな起きてたが、曇り空にため息ばかり。外に見に行かなくても、見に行った誰かが「何も見えねえー」って。

  朝食に続々とみんなが集まる。寒い朝には温かいお味噌汁♪6時の朝食に待ってましたとばかりにわらわらと集まる。昨夜の面子が現れ、ないのはワイン飲んだくれのおばさん二人。二日酔いか。遅れて起きてきた。旦那は復活したらしい。何となく明るいから、多分朝もやがかかっているだけ。しばらく待てば雲も晴れるに違いないっ!

  外は夜の雪で地面が凍ってる。ていうか今も強風で細かい雪が舞っている。コタツでのんびりしながら、凍結が解けるのを待ちますか。滑るから。危ないから。マジでやばいから。気温が上がってからね。そんなわけで山小屋でのおしゃべりは続く。昨夜夕食をともにした、単独登山40代&50代のおじさん。愛知蟹江のおばさん2人+その旦那。他にいた人々→20代の女の子2人組。一人はスニーカーで足元寒し。小6の少年とアイスランド人からのホームステイ、バディの家族。アイスランドでは窓の外にオーロラが見えているとか。小6は他にも女の子がいて、二人ともアイスとかプリンとかサービスしてもらってた。女の子のお姉さん「この山小屋いい♪」ってさ。印旛沼登山会のみさなんは実は山口県の山岳サークルの人々だった。遠くから来てるなあ。山小屋の一日スタッフをやっていたのも女の子2人組だ。若い男はいないね・・・。そんな感じでまったりとみんなが待つのは晴れの瞬間なり♪

  おしゃべりにも飽きてきた頃、待ちに待ったこの時!ついに太陽の光がうっすらと雲を突き抜けて差し込んできた!山小屋に居た人々がみんな一斉に外へ出る。雲の隙間から青い空がのぞき、遠くアルプスの山々が、富士山が、浅間山が、蓼科が、そしてすぐそこにそびえる赤岳が姿を現わす。雪が吹き飛ばされる一瞬、氷点下の中で陽光を反射してきらめく光の粒。ダイヤモンドダスト・・・。初めて見た。キレイだ。頂上の肩で見る雄大な景色。「ここが天空の城だ」と思う感動を味わう。待っててよかった。来てよかった。こんな場所に居るんだから、叫びたくなるよなあ。八ヶ岳、フォー!!

  「またどこかで!」、「お気をつけて〜」、「よい山の旅を〜」なんて言葉とともにみんなが山小屋を後にする。うちらは昨日踏んだだけの赤岳の頂上を再び踏みに行く。時間は余裕。どうせ来たなら、絶景を見なきゃね。赤岳、期待を裏切らない展望だった。

  予定は未定。すぐに下山なんて選択肢がありつつも、往路をまた戻ることにした。昨日、景色のない雲の中通った稜線は、晴れた今日はきっと別世界を用意していてくれるに違いない。強風はあいかわらず。でもこれだけの山々を見渡しながらの稜線歩きは楽しい〜!横岳、硫黄岳と2度目の頂上を踏んで行く。ヘリコプターがいくつの山小屋を何往復もしている。物資の補給と閉山の準備かな。大忙しだ。どっから来るんだろ?

  下山し始めると八ヶ岳が壁のようにそびえていたのがわかる。かなり険しい山容だ。登山道はもちろんジグザグだけどね。直登ルートも登ってみたい。またのお楽しみだな。あの山小屋なら、山にあまり慣れていない女の子でも満足してもらえそう。お風呂もあるし!

  急斜面が終わる頃に雲が出てきて、太陽も隠れてしまった。いいタイミングで下りてきたなあ。あとは沢沿いをさっさと登山口まで戻るだけ。紅葉もこの辺りはあまり見られず。落葉樹じゃないんだろうね。林道に合流するともう登山は終わったような気分。美濃戸山荘の屋根が見えたのを合図にラストスパート。一気に駆け出してゴールを先に切ったのは越前守。油断してた。差しきれず。そんなこんなの下山道だった。

  八ヶ岳牧場で下山後のアイスクリーム。牛くさいが牛が遠くにしか見当たらない。濃厚なアイス、うまい。下界の味だ。疲れた体に温泉。これも登山には付きもの。原村ふれあいセンターもみの湯。肌をすべすべにして満足なり。諏訪の市街地でステーキをがっつり食って、帰り道のエネルギーを補給する。家に帰るまでが登山ですから。茅野駅で越前守とさらば。今シーズン最後の山旅(多分ね)。八ヶ岳の中心でたっぷりと愛を叫んできました。

おしまい

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