◆ ワイナポトシトレッキング
場所 |
ボリビア、ラパス |
おすすめ度 |
★★★★★ |
お手軽度 |
★★ |
費用 |
US$90/人 |
所要時間・日数 |
1泊2日 |
実施日 |
2010.12.24〜25 |
世界最高所の首都ラパス。実はボリビアは登山者にとっても高所登山に挑戦できる、クライミングパラダイスだったりする。ラパスの街中には、トレッキングツアーを扱う旅行会社が数多くある。
2010年のクリスマスをありえない標高で過ごそうと組んだチームJAPANのメンバーは5人。他の日本人が利用していた“travel
tracks”という会社でラパス近郊の6000m峰、ワイナポトシへのトレッキングを手配した。
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必要な装備のほとんどがレンタル可能。インナーや靴下など一部は自分で用意するが、ラパスではたいていの物は揃う。前日に装備を確認し、一日目に食材の買出しと山小屋まで。二日目に山頂へのアタックと下山という日程。
ラパスから標高4000mのエル・アルトへ。
9時半の出発で、当日の買出し。
メンバー5人に対してガイド3人、合計8人のパーティー。
エル・アルトからはワイナポトシへ向かって未舗装路を1時間以上。先に見える雲に覆われた山々が目指すワイナポトシだ。
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ベースキャンプ、標高4700m。
山小屋が一軒あるのみ。ここでランチして出発。
シュラフ、ピッケル、プラブーツ、クランポン、ハーネスは各自で。
水やジャケットと合わせて、ザックの重量は15キロ以上はありそう。一般的に重いので、基礎体力は必要だ。
初日はハイキャンプまでの標高差450m、2〜3時間の行程。それほど大変ではない。天気さえよければ。ただ、さすがは標高4700m、スタートから息が切れる。1時間ほど登ったところでまさかのチェックポイント。
入山料Bs.10を今さらのように払う。
おばちゃんがしょぼい小屋で徴収していた。
この時点で雨が強くなりレインコートを着る。
レンタルのアウターは防水がいまいち。
ハイキャンプまでの残り1時間は風雨とたたかいながらの登り。
標高が5000mを越える頃には雨は止み、雲が晴れ、周囲の雄大な景色が見渡せた。ハイキャンプまで2時間半。おやつを食べて、のんびり高高度を楽しんで、17時に夕食。
18時過ぎには就寝。翌日のアタックに備える。
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ガイド3人、ただの道案内でしかなく、諸々の説明もなく、ガイドとしては三流。ボリビアの一般的ガイドはこのレベルかも。全くの素人は苦戦すると思う。
山小屋にはウチらを含めて6人のみ。
クリスマスに登山する人は少ないらしい。だからこそ、印象に残るクリスマス。
二日目、日付が変わる前の23時半起床。まだ真っ暗な中で準備。朝食とか準備とか全く考えずにとにかく出発しようとするガイド。三流なので、自分のペースは死守で。彼らには登るときに活躍してもらおう。
0時45分、スタート。
山小屋から100mくらいですぐにクランポン装着。
ガリガリの雪山登山で標高差900mを登らなければならない。
ガイド1人に対して2人、ザイルで3人繋いでのアタック。ここからは完全な雪山登山。各人のペースでアタックする。ライトの明かりのみが頼りだが、天候次第で難易度は激変する。
5300、5500、5700といくら上がっても多少の息切れ以外は問題無し。体調面では文句なしの出来。
雪が弱くなってきた5850mを超えたあたり。頂上にライト一つ。誰かが登頂したらしい。が、それを見てすぐに天候悪化。
明るくなり始めた6時過ぎ、吹雪。
ワイナポトシ、標高5900m地点、クレバスを前に撤退を決める。
時間的にはまだ行けたかもしれないが、諸々の状況を考慮。
この高さにいて体調は問題なし。
完璧に高度順応しきっていたし、間違いなく冷静な判断だったとしておこう。
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結果的にこれは好判断。
この後、完全にホワイトアウトになり、下山はルートがわからなくなるような状況。
ホワイトクリスマスならぬ、ホワイトアウトクリスマス。
日が出たはずなのに吹雪で全ての景色が白一色。
ハイキャンプまでかなり苦戦して下りて来た。
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こうなると登山経験の無い人ではどうしようもない。この後年末まで登れるような天候にはならなかったそうだ。
6000m峰の登頂は魅力的だったが、別にそれはただの通過点。
そう捉えて今回は見送ってやろう、くらいのもの。
いずれにしても標高5900m地点は二人にとって今までの最高到達地点。
吹雪で心配だったが、5人全員、無事ハイキャンプに帰還。別グループの欧米人も登頂。今日は6人アタックして3人がピークへたどり着いた。登頂率50%。この天候にしてはいい方だと思う。
結局ハイキャンプからベースキャンプまでの下山も全て雪。5000m以下では止んだものの、積もった雪で歩くのも大変だった。今までのクリスマスで間違いなく一番ハードなクリスマスになったことだけは間違いない。この思い出が何よりのクリスマスプレゼントか。
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