Cリーグ’05 第1戦 岐阜大会in木曽三川公園

〜衝撃のCリーグ、デビュー戦〜

LOVE・WING うっちゃん

4月23日

  Cリーグ、西日本を中心としたサイクルロードレースのリーグ戦。ロードレース、やってみたくてしょうがなかったレースの一つ。クライムではダメでも、スプリントならどうだ?これまでに無い短距離決戦、10kmってことで迷わずエントリー。それがこの衝撃的な一日のはじまりだった。木曽三川公園に現れた特設コース。聞こえはいいが、実はコーンで区切っただけの河川敷の車道。1周2kmの周回コースは長いストレートを30mくらいの直線でつないだ長方形。ガチンコスピード勝負のコースね。面白そう。プレステージは雪のためキャンセルだったとのこと。この第1戦岐阜大会がCリーグ’05の開幕戦だってさ。ピリピリしたムードかと思いきや、意外にものんびりしている大会本部。会場近辺には続々と選手が集まりつつある。和やかな開会式、BGMが流れる木曽三川特設会場で、’05のCリーグが開幕した。

  試走。コースを1周してみる。コンクリートの道の先は景色が揺らいで見える。快晴、あつい戦いになりそうだ。オープニングは4kmのタイムトライアル。本戦前のお楽しみみたいなもの。他選手の話、「レース前のアップ代わり」とか「別にここで疲れても結果はそんなに変わらないし」とか。みんな思い思いにエントリーしているようだ。「定員に余裕があるので、当日エントリーも可」だってさ。公式戦でそんなのあり?!

  未体験のロードの世界。今日の相手はどんな奴らだ?一番下のクラスでエントリー。レース初めての人たちがエントリーしている、はず。なのに、何なんだ?!こいつらの体つきは。明らかに筋肉の付き方が違うぞ?スタートの整列は適当。10分くらい前から早いもん順。20名弱しかいないので、場所取りは特にこだわらない。できれば先行したいので、前の方で。普通に譲ってくれるあたり、位置はそんなに関係ないということか。DJのお姉さんがスタート時間までの10分ほどをトークでつなぐ。「みさなん、どんな作戦で行くんでしょうかね?」、「今日のシーズン開幕から、パンツの日焼け跡ができちゃうんですよね」、「これがまた毎回パンツはくたびに微妙にずれてったり」なんて感じ。緊張感がないのは、素人のスタートだから?

  スタート30秒前、会場に流れるBGMがフェードアウトしていき、河川敷が静けさに包まれる。ペダルに足をはめてスタンバイ。DJのカウントダウン、「10秒前・・・3,2,1、行ってらっしゃい!」。スタートの号砲とともに、こんな声に送り出される。のんびりと動き出し、隊列が整う。19人の選手が一団なって、徐々にスピードが上がる。全然余裕。これで流れが落ち着くなら、行ける。前に出てペースを作り、逃げてスプリント勝負に持ち込めば、勝ち。妄想するだけなら勝手だ。

  第1コーナーを先頭で曲がり、1kmを通過。「これなら・・・」行ける、と思った折り返す直線の入り口。レースが動く。インからアウトから次々に前に出ていく奴ら。えっ?と思う間もなく、左右から抜かれ、離される。不意をつかれた。慌てて追う、が速い。どこまでスピードを上げれば?差は縮まらず。むしろ全力じゃないと置いて行かれる。1周目の通過、2kmで先頭と30mくらい離された。2kmの通過は想定どおりのタイム。自分的には決してわるくない。が、先頭グループはもっと速い。2周目のストレートで次々に前を行かれる。抜かれる度に後ろに付くが、スピードが違う!粘る4kmの通過は完全なオーバーペース。それでも差は縮まらない。もう先頭は見えなくなっている。ここでレースは終わった。最後の一人にも抜かれ5km手前で最後尾に・・・。

  全然話にならない。レベルが違う。スピード勝負なら分がある?寝ぼけてた。自分に呆れてしまう。4周の最後で周回差のトップにとどめをさされる。せめて完走を、との思いもむなしく、周回差のスプリント勝負に負けて、DNF。19人中唯一のリタイアだ。先頭は時速42km、それに対して私は?競技・種目は違えど、レースにおいて人生初のリタイア。ショック・・・。だけど、身体能力だけで何とかなるほど自転車の世界も甘くないということか。その身体能力だって最近じゃ疑問符だし。

  複数カテゴリーのあるこの大会。1レースが終わるとそんなに間がなく次のレース。DJの「いってらっしゃい!」とともにスタートする。午前中だけで6レース。どれも見ごたえがあった。中でも、女子中学生が大人相手に8位に入っていたのには驚いた。いくら中学生チャンプ?とは言え、14,5歳の女の子が!衝撃的というかショックを隠せないというか。そんなレベルじゃなく、なんか笑うしかないよね・・・。

  最後尾のバイクから「後ろ余裕あるよ!」とか「ギア1つ下げて!」とかアドバイス。本部付近ではみんなからの声援も。「苦しくない苦しくない!」、「最後まで!」などなど、ギャラリーからというより、チームメイトからの応援みたいだった。レースに出ている人以外は、スタッフも観衆もみんなが選手のサポーターって感じ。ちょっと変わった雰囲気だ。レース中のBGMも大会を盛り上げる。走ってる人は集中してて聞こえないかもしれないけど。ユーロビートからルパンのテーマまで、ノリノリのBGMが流れ続けていた。

  見どころは他にもある。選手から50cmも離れていないコース脇での観戦。ゴールにも人が集まる。陽炎の彼方で揺らぐ選手達の姿。右に左に振って、激しい駆け引き。「内○番、外から○番、差すか、逃げるか、どっちだ〜!?」って、DJの実況もレースを盛り上げる。走り抜ける風を感じ、選手の呼吸が聞こえる距離で見られるゴールスプリント。迫力ありすぎ。マジ興奮する。全然知らない誰かのゴールなのに、思わずシャウトしてしまう。みんながそうなんだから盛り上がらないわけがない。レースの合間に表彰式。「あなたは見かけによらずめちゃ速かったです!」、「いつもかわいい笑顔が素敵です!」などなどに笑いが沸く。プレゼンターの演出が表彰式も楽しませる。

  お昼休みを挟んで、午後も学生・実業団等、よりハイレベルな選手たちのレースが続く。丸一日楽しめる大会、というよりイベントか。公式の大会でこれだけ盛り上げられるネタが豊富なのは、元がヨーロッパのスポーツだからか?「楽しむ」ということが全面に押し出されていたように感じる。全然知らない自転車の世界だけど、これはハマりそうだ。ていうかもうハマった。選手としても観客としてももっと楽しめるように、もっともっと練習・勉強しようっと♪ど素人にも温かく対応してくれた大会関係者には感謝。もしかしたらあまりの素人ぶりに向こうは驚いていたかも。でも裾野を広げるという点においてはいい大会だ。私がこうやってロードレースの世界に足を踏み入れられたんだから。新鮮な驚きをいっぱい味わった一日、自転車を愛する人の仲間入りだ。でも、このリベンジは必ず果たすぞ。いつか決めるトップゴールに、みんなシャウトしてくれ☆

おしまい

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