ロングライド三河湾一周115km

〜ツール・ド・あいち・2006 第1ステージ〜

LOVE・WING うっちゃん

4月9日

  南知多町豊浜漁港に自転車を積んだ車が続々と集まってくる。シーズンの開幕を待っていたサイクリストたち。豊浜漁港から走ること20分、師崎港で受付、そしてフェリーへ乗り込む180余名の人々と自転車。向かうは伊良湖港。渥美半島先端から知多半島先端へ、時計と反対回りに三河湾一周115kmのサイクリングが待っている。春の日差しと肌寒い潮風の中、ツール・ド・あいち・2006、開幕。

  今回は会社自転車仲間、Hさんとともにエントリー。定員100名のところへ150人がエントリー、当日参加が30人、計180人の参加。定員オーバーも気にしない。過去最高の人数とのこと。初参戦の人がけっこういるらしい。みんなデビュー戦だ。フェリーで洋上開会式。決まってるのはスタートとゴール、そして適当なコース。注意事項は「ちゃんとゴールに帰ってきてね」。海沿い、街中、丘陵地帯、迷子、休憩、おやつの時間。何でもありのロングライド。すげーおもしれー!

  スタート前の空気はちょっと緊張気味。寒さ対策や食料など、ザックを背負った私の姿に、「にいちゃん、余裕だね〜」ってさ。Hさん、「彼のこれはハンデなんで」って、おいおいそんなわけないってば。気分だけは余裕だけどね。楽しみなスタート前。デジカメ片手にるんるん気分だ。

  10時、「行ってらっしゃい!」と送り出され、やる気満々の格好をした自転車マンたちが走り出す。みんなそこそこ速いんだけど・・・。交通規制無しの一般道コースは、信号でストップ&ゴーの運まかせ。離れてもあっさり追いついたり、信号で一気に離されたり。渥美半島を楽しく走って20km。デジカメに気を取られてボトルを落とした以外はトラブル無し。雨が一時ぱらついてブルーになった。Hさんとあっさりはぐれる。

  走りながらみんな頭の中には「ホントにこの道であってるの?」。豊橋へと向かう道で、みんなが迷う。こっちだとかあっちだとか、とりあえず言ってみる。で、行ってみる。結果的には河を渡るためにほぼ同じ道へと向かってた。バイパス脇の歩道へと階段を登ったときにはマジで焦った。「そういえば去年も登ったなあ」なんて声がなかったら、絶対間違えたって思うよなあ。

  40kmくらい走って蒲郡の街へ。何かいい街並み。12時過ぎ、多くの人が休憩しているコンビニ発見。コースを確認するためにもピットイン。丘陵地帯へ入る前に、みんな体力回復だ。がっつりコンビニ弁当食ってる奴までいるし。それにしてもまだ40km?もっと走ってない?とか思いきや、「いや〜まだ半分も来てないね〜」、なに〜?!やっぱりまだ40kmくらいなのか。「今、出て行けば間違いなく50番以内だよ」とな?後ろの方を走っていると思ってたのに意外に先行してるっぽい。休んでる横を抜いていく人たちがけっこういるなあ。

  何人か一緒に再スタート。なのにわずか5分で単独走行。街中の声援に応えるも「道に迷いました」とは言えず。迷った!?いや、あってた。後方から「うっちゃ〜ん」ってHさん他4人登場。どこで順番が入れ替わったんだ?トラブルに見舞われていたらしい。しばらく一緒に走るも、蒲郡から幸田、西尾の丘陵地帯を抜けるアップダウンの激しいコース。県道41号の強い向かい風にも負けて撃沈。一人取り残される。

  ここからしばらくきついきつい一人旅。誰もいねー?!道が違うのか?!180人もいて、みんなはどこ走ってるんだ?!疲労と強風にキレ気味になりつつ、登り坂で完全にストップ。50km通過で脚を使い切ったかも・・・。やばい。何とか坂の頂上まで押して登る。と、そこへ後方から次々に自転車が・・・!さっきまで誰も見えなかったのに、いつの間に?!ていうか、お前ら、そんなに速いのになんでオレの後ろから来るんだ?!

  西尾の街中まで来るとあとは最後の方までほぼ平坦な道。前後に10人くらいは居たおかげで彼らと一緒に走る。田園風景の中、体力回復させながら、鼻歌歌いながら。コンビニで休んでる自転車マンには手を振ってあいさつ。街中の女子高生たちからは「がんばって〜」って黄色い声援。これだけ長丁場だと、レースというよりみんな仲間だな。ツール・ド・フランスで見るあの選手たちの一体感がちょっとわかったような気がする。

  平坦とはいえ橋を渡るときがつらい。ていうか河ありすぎ。いくつか橋を渡って衣浦トンネルへ。その側道から歩行者・自転車用のトンネルへ。地下11階?くらいまでぐるぐる階段を下りて、また登って。無駄に体力を消耗。14時半過ぎ、トンネル脱出。さてここからは武豊、美浜、南知多。残り40kmくらい。このサイクリング日和を楽しまなきゃね。

  美浜あたりまで来ると、他のサイクリング集団をいくつも見かけた。愛知は自転車乗りが多いなあと実感。一緒に走ってた人たちも気がつけばまばらに。知多湾沿いの国道に出て、海が見えてくると気分も一転。疲れもたまってるけど、ゴールも見えてきたような感じ。サザンでも口ずさみながら、潮風に吹かれて快走なり。

  「もう10kmは残ってないでしょ?」。ラストの峠前、信号待ち中に4人でおしゃべり。「今年は時間かかったなあ」、「やっぱ風強すぎるでしょ」だって。「最後いっとく?」、マジっすか?「行きましょうか」とは言ったものの、3分で振り切られる。なんだよ、あの3人。全然走力違うじゃん。てか、なんでそれだけの力持ってて、ここでオレと並んでたわけ?!コースの選択とか、道の迷い具合とか。いろんな運でこうなるんだよね。

  100km走ってきた脚に効き過ぎる登り坂をクリアしたら、あとはゴールの豊浜漁港へ下るのみ。コース最後の交差点、右か左が迷ってる1台を発見。「右っす!」とひと声かけて、オーバーテイク。そのままゴールゲートへ。ツール・ド・あいち、デビュー戦、無事完走、思わず出るシャウトは「ツゥゥゥル、Ya〜ha〜!」

  何度か道に迷った以外はトラブルもなく、115km、5時間半のサイクリングを満喫。Hさんも20分差くらいで無事完走。どこかでまた順位が入れ替わってたらしい。実力以上に、楽しむ気持ちが必要なファンタスティックなツールだった。それにしても、フルマラソン以上の疲労度かも。178人中89位。ちょうど半分の順位。「ツール・ド・あいち、どうだった?」、「マジよかったです!」。オレにもツール・ド・あいちを盛り上げさせて下さいってとこかしら。また次のステージで会いましょう!

<記録>
タイム:5時間58分
順位:89位/186人中

おしまい

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