バイクナビGP2006 ツール・ド・新城

〜先頭を突っ走れ〜

LOVE・WING うっちゃん

7月8日

  テンションのあがるBGMとぎこちないDJで開幕したツール・ド・新城。午前中だけで5レース、そのうち4つ目のレースに出走だ。土曜にクリテリウム、日曜日エンデューロと二日間たっぷり自転車漬けのイベント。昨年に引き続き、2回目の開催だ。西のCリーグに対して、東のバイクナビ。だけど、このバイクナビGP、なんかずいぶん盛り上がってるんじゃないの?!

  3つ目のレースが終了し、チームメイトが燃え尽きて帰ってくる。撃沈。リベンジはオレに任せとけ。そんな気分と、ビビった感じと半々。上がってるのはテンションだけか?!雨の予報に反して暑すぎる日差しが、スターティンググリッドに並んだ30人の色とりどりのジャージを鮮やかに照らす。1周1.3kmの新城総合公園内に設置された特設コース。前から2列目に並び、スタートの号砲を待つ。「位置について・・・」、スタートから勝負。乾いたピストルの音が響くと同時に2列目から飛び出す。大外を通っていきなり先頭へ。牽制?様子見?そんなことしてたら、逃げるぜ。

  スタートから続く緩やかな下りであっという間にトップスピードに持っていく。後続が慌ててスピードを上げる様子が背中越しに感じられる。もっとドタバタしてくれたら勝機はあるかも。コーナーを高速でクリアし、トップを快走。念入りに試走したおかげでコースは完全に頭の中に入っている。下りきったとこから一気に坂道を駆け上がる。が、そう簡単には逃げさせてくれない。登りからのコーナー立ち上がりで、インからアウトから次々に突っ込んでくる。このペースで勝負か。1周目のホームストレートを5,6番手で通過。いいね、この風になってる感覚が。

  2周目に入って出遅れ組も追いつき、長い列ができる。このスピードでこのコース。スリルありすぎ。前後左右に気を配りながらのレース。クリテリウムっていう類のレースは初めてだが、かなりテクニックを要するのは確かだ。その証拠に一番きついコーナー、後方で落車か転倒の音が聞こえてきた。これは序盤から荒れたレースになったな。心の中ではチャンスとか思ったりして。先頭集団、7,8人目くらいで2周目を通過。いいペースだ。

  3周目、先頭がペースを上げてきた。くっついていくのがきつい40キロオーバー。落ち着く間なんか無いよなあ。7,8番手から再び加速、今度はインを通って3番手につける。逃げられないためにもここで前へ。積極的に攻めていく。コーナーで差を詰めて、立ち上げりでオーバーテイク・・・のつもりが・・・!

  やばいっ、と思ったときには景色はスローモーション。上半身が外に流れ自転車ごとブッシュに突っ込む。落車、転倒。曲がりきる前の加速で車体ごと外に振られた。コーナー出口でのイエローフラッグ。急カーブで見通しがわるいせいもあり、後続が巻き込まれる。多重クラッシュ?!

  頭が真っ白になった。タイムロスがどれくらいあったかわからないけど、ほぼ最後尾からリスタート。転倒を見てた人たちからの温かい声援に押される。幸い体も自転車もダメージは大したことないらしい。多分問題なく走れてる。が、この転倒以降、攻められなくなったのは事実。ビビらないわけないし、何より1レースで2度転倒したら、立ち直れない。後方の数人には追いつき、周回を重ねるも単独走行ではどうしようもない。

  わずか10周がとても長く感じる。9周目にはトップ数人に周回差を付けられた。それでも最後まで全力で走る。競り合ってくるやつには終始前を走り、格の違いを見せつけたかった。こんなとこで走ってるはずじゃなかったんだよ、オレは。そんな気持ち。結果的にはオレをぴったりマークし続けた奴に差されたが、まあそれもレースだ。スピードくらい見せつけたかったけどね。体の所々のダメージがそれを許さず。

  レースは上位3人がばらけてそれぞれ独走。あのアクシデントで、上手く避けられた人と影響を受けた人でかなりの差がついたらしい。前から3番目の選手が転ぶなよってとこか。ごめんなさい。オレだって、まさか自分が転倒するとは・・・。最後まで応援してくれた人たちと、声を出し続けてくれたチームメイトに感謝。ホントは二人でダブル表彰台なんて言ってたのに・・・。いいさ、この借りはまたどこかで返すから。

  午後、トップアスリートたちのレースを肌で感じ、自分のすぐ横を吹き抜ける風に憧れる。いくつものレースを横目にピクニック気分でお弁当。何はともあれアクシデントも含めて楽しいよ、自転車は。サイクリストたちの熱い週末に乾杯。

おしまい

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