’07 ロングライド三河湾一周115km

〜ツール・ド・あいち・2007 第1ステージ〜

LOVE・WING うっちゃん

4月8日

  渥美半島、伊良湖へと向かう船上での開会式で幕を開けたツール・ド・あいち2007。今年も開幕戦から盛況の130余名のエントリー。伊良湖港でフェリーから次々に自転車が現れる様子に、乗船待ちの人々は驚いている。チャリジャージにヘルメット、やる気満々のサイクリストたち。ゴールは知多半島豊浜。道に迷わなければ115km。「スタート10秒前・・・3,2,1、行ってらっしゃい!」、三河湾一周のロングライドが始まった。

  スタート直後に、いきなりざわめく。昨年は曲がった最初の交差点で、今年は曲がらず。私も一瞬「えっ?」と思ったけど、これはツール・ド・あいち。決まったコースなんて無いんだった。走りたい道を走ればいいのさ。桜が散り始めるこの週末、ちょうどいいサイクリング日和だ。今回、デビュー戦となるニューマシン。走り心地は快適。ていうか、すげー。渥美半島ののどかな景色の中を、時速40キロオーバーで悠々と走る。速過ぎ。公道でこんなスピードって普通じゃないな。

  ほぼ平坦な道を行く渥美半島もわずかなアップダウンあり。すると前を行く二人組が「ここで曲がるよ〜」と国道から外れ、海沿いへ。坂となる崖の上を行く自転車と目が合う。「なんでそこ走ってんの?!」と、あっさりお先に。合流地点でいきなり前に現れたウチらに驚く反応が面白い。「若いの、付いてきてる?一緒に来れば、あと2回、ラクな道行けるぞ!」ってこのおじさん、ずっと引きっぱなしなのに速い。付いてかないわけにはいかないな。

  再び坂道の手前で国道を外れる。静かな海岸線を快適にサイクリング。「いいだろ、この道も」なんてしゃべりながら走ってたら、いつの間にやら後方に自転車の集団。どうやら曲がるとこを見てたらしい。「あれ〜見つかっちゃったかぁ」って、みんな少しでもラクな道を?!考えてるわけね。それでも坂を登ってる人たちからは「そんなのあり〜?!」、ありなんです。いい道を見つけたんで。

  坂を二つ回避したことでかなり上位へ。追い上げてきた集団と一緒になって20台程が一団になった。すれ違うツーリングのバイクもびっくりの縦列走行だ。自然と速くなり、スピードメーターは40キロを超えている。ゆるい下りではさらに速くなり、50キロオーバー。ブレーキでタイヤがあっさりロックしたのには焦った。前後の人も焦ってた。巻き込まれるかもって思ったんだろうなあ。新しいパートナーは思ってた以上に扱いが難しい。

  3回目のラクな道は交通量の少ない旧国道。こっちに来たのは私を含めて4人だけ。「こっちは近道じゃないよ?」けど「走りやすそうだから」とのことでお供させてもらった。間に畑を挟んで、向こうに別の集団。合流はこちらが優先道路になっており、これでまた前に出た。「ラクな道はここまで。あとは実力勝負」ですか。渥美半島を走り終えたところで、みんな思い思いの道へと散っていった。

  昨年の記憶を頼りに、途中で集団から離脱。みんなとは別の道を行く。が、結局5kmも走らないうちに陸橋超えで合流する。「どこ走ってきたの?」、「(近道に失敗して)ちょっと寄り道を」と。純粋に迷ってる人もどこかにいるんだろうなあ。豊橋から蒲郡へと向かう国道23号。ここはみんなが走るところ。自然とサイクリストが集まってくる。横断歩道の向こうで「ラクな道」を教えてくれたおじさんが追いついてきた。「また一緒になったね〜」、ホントだよ、ずいぶん先に来たつもりだったのになあ。

  陸橋をいくつか過ぎると蒲郡の街並が見えてくる。走行距離50kmくらい。まだ半分も来てない。昨年のイメージだとここまでで結構バテバテだったけど、今年は余裕たっぷり。海沿いの景色を楽しみながら走ってたら、ガコンって嫌な音。道路の溝にハマった。パンクだ・・・。気を抜くなってことだな。集団から脱落。路肩で応急処置だ。おかげで誰もいなくなっちゃったよ。

  市街地に入る手前でコース一番激坂が待っている。その手前のコンビニへピットイン。みんなここで休んでる。パンクで集中力が途切れたから仕切りなおしだ。後ろも続々とピットイン。「パンクは付きものだからねえ」とはいえ切ない。ここから市街地に入り、三が根の丘陵地帯へ。たまに来る後続に抜かれる以外はほぼ一人旅が続く。休んだせいで脚にきたのか、前半がオーバーペースだったのか。60km過ぎて完全にスピードダウン。走り始めて2時間が経過し、エネルギーが切れたらしい。桜の花を見ながらののんびりサイクリングに変更だ。前も後ろも全然他の人が見えないし。この道で合ってるのかもわからないし・・・。

  西尾に入ったあたりで、後続が現れる。どうやら道は間違ってないらしい。が、70kmを過ぎて2度目のパンク。集中力が切れてるらしい。のんびり走っているはずなのに段差にやられた。歩道で座り込んで修理。抜いていく人たちはみんな声をかけてくれる。ありがたい。それでも2度のパンクで体力以上に気力を消耗。75km地点でおやつ。コンビニにピットイン。レース中に電話、そんなネタもやっておきたくて携帯&メールで休憩。他にも数人ピットインしたものの、早々に出ていった。逆行してくる人たちもいた。道を間違えたかと思いきや「パンクで停まってる人、見ませんでした?」、どうやら仲間に呼ばれて助けに戻るらしい。

  いくつかの橋を越えて、衣浦トンネルへ。地下13階の階段を下り、また登って。いよいよ残りは25km。最後の峠を除けば、平坦な道が続く。長い直線で見えるかぎり自転車の姿は無い。序盤一緒に走った人たちが帰るのとすれ違う。「ずいぶん遅れたね〜がんばって〜」、一緒に走ってたはずなのにずいぶん早いっすね。結局そのままゴールまで一人旅。終盤は完全に飽きてたな。ゴールの豊浜漁港内では何人もの人たちから「おつかれさま」。ホントにお疲れだよ。まあせめて笑顔でゴールってことで。「おかえり〜」と迎えられる中、感想は「マジきつかったっす」。

  パンクと休憩で昨年よりも1時間以上遅いと思っていたら、10分と変わらず。どうやら序盤の貯金がかなりきいたらしい。先頭は同タイムで4人、3時間半でゴール。3秒遅れで2人。先頭4人の内、1人はパンクもしたとか。チームプレイでお互いに引きながら、来たそうだが、信号有りの一般道でこのタイム。平均時速40キロ以上?!化け物だ。

  82番目でゴール。速くても遅くても、楽しんだ者勝ちのツール・ド・あいち。115kmはやっぱり長いなあと思いつつも、ニューマシンの走り心地に満足。ゴール後に感想文を書いておしまい。こうして、今シーズンもちょっと変わったツールが開幕した。

<記録>
タイム:6時間06分
(走行時間:5時間10分)
順位:82位/131人中

おしまい

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