バイクナビGP2007 ツール・ド・新城

〜プリンス・オブ・エンデューロ〜

LOVE・WING うっちゃん

7月7日 土曜日

  2年連続の参加となるバイクナビGP、ツール・ド・新城。早朝から雨が降りしきる新城総合公園特設コースで激しいレースが繰り広げられた。参加カテゴリーはルーキークラス。実力的にも妥当?でしょう。レースは直角カーブと坂を含んだストップ&ゴーの狭いコース、1周1.3kmを時計回りに10周回。昨年、落車転倒で下位に沈んだ因縁のコースだ。

  雨と濡れた路面のためにここまでのレースは全て縦長の展開ばかり。スピードも控えめだ。今回は同レースにチームメイトのHさんもいる。展開次第ではお互いにアシストを期待できる。タイミングよく止んだ雨にテンションが上がるが、久々のスプリントレースにちょっと緊張も?いやコース脇の女の子たちの声がよく聞こえてるから、そんなことないな。朝一で太鼓パフォーマンスを疲労してくれた女の子たちだね。

   9時25分、ツール・ド・新城、リベンジレースがスタートした。集団中程からゆっくりと流れ始める。濡れた路面を警戒して最初のコーナーまで一団のまま。タイヤがロックする選手もいてちょっと焦った。直角カーブ、一番の低速ポイントで早くも縦長になり、ここからの登りでレースが動き始める。基本的にいつも先行する私は、今回も前から勝負、1周目から早くもアタック。後半での勝負ポイントの様子見のつもり。登りで一気に5,6台を抜いて、8番手へ浮上、そのまま1周目のホームストレートを通過する。実況で名前が呼ばれ、沿道の女の子から「今8位だよ〜!」って先頭見えてるし。

  2周目、雨の影響がないと感じたか、全体のペースが上がった。コーナーさえ気をつければまだまだ余裕。上りで勝負できる。と、早くもイエローフラッグ。直角コーナーで転倒発生か。1周目でドジった奴がいたらしい。今日は間違いなく滑りやすい。が、同時にこの直角コーナーからの出口が勝負どころ。再び登りで一気に3,4台を抜き去り、そのまま先頭を狙う。

  が、ここでアクシデント。右足太ももに電気が走り、力が入らなくなる。レース前から懸念していた負傷の影響がもろに出た。登りきる前に失速し、今度はごぼう抜かれ。ホームストレートはぎりぎりまだ先頭の列に続く。3周目のストレートで、スピードに乗り出した選手たちについていけなくなる。コーナーで再びイエローフラッグ、今日はなんかかなり危険な展開だ。とか思いつつ、私のレースは正直ここまで。力が入らずに登りや加速が全くダメだ。それでも遅れ始めた私になぜか黄色い声援が。「がんばって〜!」とか言われちゃうと、がんばらないわけにはいかないよなあ。ダメでもダメなりにベストを尽くさねば。3周回で勝負は終わったレースだけど、明日につながる走りをしなきゃね。

  次々に抜かれながらも後ろに付いては粘る走りで周回を重ね、平地ではそこそこのスピードで耐える。得意の登りを封じられ、落ちる一方だけど、それでもホームストレートを通過する度に、太鼓パフォーマンスの女の子たちが応援してくれる。うれしいことこの上ない。次は必ずトップを走る選手を応援させてあげるよ。そう心に誓い、今できる最大のパフォーマンスで応える。雨上がりの悪路に終盤まで転倒・落車が相次ぐ。巻き込まれないように、かつ自分もドジらないように。9周目に沿道に軽く手をかざし、ゴール直後には手を振って、女の子たちに感謝する。

  33人中7人リタイア、私より後ろは何かしらのトラブルがあったらしい。1分以上離れていた。カテゴリー22位、タイムは転倒した昨年よりも遅かった。まあそんなこともあるさ。チームメイトのHさんも落車。何とか完走したものの、自転車・からだともに負傷。24位でフィニッシュした。明日のエンデューロへの影響が心配だ。応援してくれた女の子たちにお礼を言おうと思ったけど、レース終了後にすぐに帰ったらしい。また来年も大会を盛り上げに来てね。ありがとう。いいとこ無しのチーム“LOVE・WING”に思われたが、レース後のプレゼント争奪ジャンケン大会で見事に勝利。メッセンジャーバッグをゲットして、気分上々。気を取り直して挑む明日のキング・オブ・エンデューロ。今夜、天の川は見えるのかしら。

7月8日 日曜日

  天気予報が外れ、今日はいい天気。自転車のエンデューロは初参加の“LOVE・WING”。ピットロードに陣地を構え、準備OK。今回の参加種目はキング・オブ・エンデューロ、男女・車種混合の部。メンバーは、満を持しての登場MTB越前守、昨日負傷したHさん、現役女子高生Mきちゃん、そして私の4人。スターターは様子見も兼ねて私から。

  昨日のレースとは逆の時計と反対回りにホームストレートに並ぶ。隊列は超縦長。スタートは安全なところまでは先導車が付いてのローリングスタート。公園外の公道も使用した1周2.6kmのコースを時間の限り走り続けるエンデューロ。長く下って、激しく上るなかなかハードなレイアウトだ。チームメイトに見送られて、ゆっくりと後方からスタート。

  先導車が外れて、動き出した最初のレースは3時間の部。このスピードで?!驚かずにはいられない飛ばしっぷり。細かくつなぐ“LOVE・WING”は積極的に攻める。昨日のダメージが気になるが、1周してそれほど影響がないことを確認。昨日の不完全燃焼分を登りで見せる。クライマーの脚だけはそこそこイケてるででょ?!とはいえ、下りが多いせいで全体的にペースが速い。このスピードって危険すぎる気がする・・・。それでもそこそこ付いていかなきゃ話にならないエンデューロ。1走としてはわるくない立ち上がりでしょう。

  2走越前守、3走Hさん、4走Mきちゃんの順番で回すことにしてキング・オブ・エンデューロ、最初の3時間が動き出す。けっこう慌しく感じるのは慣れないせいか。それともリレーしすぎ?3周程度で回していくとピットレーンでのロスが大きいかも。それでも4周以上で回すよりはペースがいいと判断しての、というか適度に楽しめるペースってことで次々に回していく。

  Hさんの満身創痍の3周回、Mちゃんのコース間違いによるありえない場所からの登場、越前守のロード狩り、などなど初のエンデューロはネタ続きだ。エネルギーの補給もそこそこにあっという間の3時間。3度くらい出走したっけ。30分のしないうちにコース全体が自転車だらけになったのが、にぎやか過ぎて見ている分には楽しかったな。走ってるときは、かなりの地獄絵図。ペースもバラバラ、車種もバラバラの集団がコースの全てを埋め尽くすってのは激しすぎる。コスプレがほとんど居なかったのが驚いた。みんなマジ?Mきちゃんには女子高生の制服で走ってもらうつもりだったのに・・・。改造ママチャリの、そこまでしてママチャリの部で優勝したいのかって奴が笑えた。

  さて、最初の3時間の部、ここで終わる人は終盤はペースアップ。とはいえ多くの人は疲れ気味。まず最初の締めは越前守にがんばってもらう。エンデューロの最後は24時間リレーマラソン的なルールが一般的。でもその指示を忘れてた。おかげで越前守、スパートも空しく、あっさりゴール。おつかれさま。見た目の順位なんてさっぱりわからず。発表を待つのみ。結果、大健闘の7位!入賞まであと一歩及ばず。いい感じだ。

  なんて盛り上がってるうちに休む間もなく、今度は2時間の部がスタート。キング・オブ・エンデューロを目指す人たちに休息は無い。さっきまでの続きでHさんからスタート。ここまででバテてる人たちと、やっと出番がきた2時間の部の人たちで、さっきまでよりも激しくペースが違う。周回コースをひたすら走り続ける自転車の集団はある意味見ごたえありすぎ。そして走ってる方は走り応えありすぎ。実業団トップ選手に抜かれるってのもなかなか体験できないから良しとするか。余裕があれば一瞬でも競り合いたいものだ。

  そんな楽しい時間はあっという間。必死な走りの中にも楽しさを求める外国人。「お姉さん、がんばって」とか「兄ちゃん、かっこいいね」とかあやしい日本語でみんなに声をかけながら走ってる。観客にも応援を求めてたり。こういうのって、個人的には好きだ。日本人ももっと盛り上げるパフォーマンスも見せてほしいな。欧米か!?でも、コイツはちょっとうざかったので、がんばって振り切る。私の後方で盛り上げてくれ。4度目の出番でプロデューサーは走りながらもレースを組み立てる。みんなと体力と周回数と残り時間でベストにするにはここで私が何周回するのがいいか。脚の回転以上に頭をフル回転。4周行っておけば、どの展開でもわるくないはず。

  レース終盤、ほぼ狙いどおりの展開で私に回ってきた。これがアンカーになったのはうれしいし、当然それに応える走りを見せなきゃね。みんなの体力的にもいい落としどころでしょう。あとは1周でも多く回るのみ。目標は時間内に5周回。エンデューロに参加のチームはカテゴリーに関係なく一人でも多く抜く。この2時間はそこそこみんながんばったはず。もしかするともしかするかもしれないからかなり本気。とはいえ、観客へもついつい応えてしまう。「あ、昨日の人だ!」ってホント?!応援してくれた子が見に来ていたらしい。止まる余裕はないけど、通りすぎてから応えてみた。歓声があがったので、本当に私のことだったらしい。土壇場で黄色い声援が力をくれるたりする。

  3周回後、タイムアップまで9分30秒を残してホームストレートを通過。1周4分45秒なら2周。レース終盤にきてそんなタイムが出せるのか?いや普通に無理。でも行くしかない。スパートをかける。2周行ければ良し。無理でもタイムアップ前のゴールラインを早く通過しておいて損はない。個人でバテバテの選手とチーム参加でスパートする選手とでペースにバラつきがある。アンカーを任された私は後者。このエンデューロ最速のラップをたたき出すべく、前後の数人と爆走。最後の上りを一気に駆け上がる。勝負を決めるクライマーの力を見せつけ、力尽きてのゴール。ファイナルラップで5分10秒は上出来だ。

  泣いても笑ってもフィナーレまではあと4分20秒。それでもまだ手を緩めずに走り続ける奴らが数人。エリート選手ならもう1周も可能だが、ここに来て4分前半はかなり厳しいはず。それでも行くか。どうあがいても私には無理な残り時間。それならあんたらをアシストしてやるよ。もう1周行く気のある奴ら、ついてこいっ。いくらテンションが上がっていたとはいえ、ここで“スペシャル”をかますことになろうとは自分でも予想外。レース終了まで流す選手たちが避けてくれる中、全力で後続を引く。半周は引っ張ったぞ、後は自力で行ってくれ。何人かはゴールラインまで辿り着けただろ、多分。私もピットロードへと誘導される数秒前にゲートを通過。すでにタイムアップだけど、最後はやっぱりホームストレートを、ゴールラインを走り抜けたいでしょ。

  多くの選手たちを迎える観衆の中、悠々と凱旋気分のゴール。結果、キング・オブ・エンデューロ、3位。初入賞に喜ぶ。が、キングの名にふさわしく、表彰は1位のみ。2位はクイーン・オブ、3位はプリンス・オブ・エンデューロ?!最近流行りの○○王子、ウチらはエンデューロ王子ってとこか。3時間の部で7位、2時間の部で5位と、5時間通して見事な走りを見せた“LOVE・WING”。この楽しさ、走った奴にしかわからないぜ♪

おしまい

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