第22回 ツール・ド・八ヶ岳

〜雪の壁の道〜

LOVE・WING うっちゃん

4月13日

  2年連続3回目のメルヘン街道にやってきた。今回はチーム“LOVE・WING”2名で挑む麦草峠。チャンピオンクラスにはおなじみの顔ぶれ。先週の伊吹山を優勝した筧選手、村山選手、他いつも名前を見るスターティングリストだ。全長約25km、標高差1300m。LOVE・WING自転車部、両雄の初対決。本番は富士ヒルクライム。今回はその前哨戦。とはいえ、今の実力を確認するにはいい機会だ。

  スタートは各クラスごとに2分?間隔。チャンピオンクラス、Aクラスに続けて3番目のスタート。こぼれても後方から次々に来るわけだからありがたい話だ。ふくちゃんとお互いの健闘を祈り、いざスタート。このきついコースでは他の人を気にする余裕は無い。とにかく離されないように、前残りで攻める。目標は1時間半。序盤の急坂をクリアすれば斜度が緩やかになるはず。そこまで何とか脚を温存で。

  出だしのフラット部分を無難にクリア。ふくちゃんは無事ついてきてる?上り始めてもまあまあの位置取り、いいペース。が、早くも後続の先頭集団が迫ってきた。隊列の後ろに付くも数十秒しか粘れず。次々に付く人をとっかえひっかえ悪あがき。その甲斐あって別荘地に入っても、まだ縦長の集団に喰らいついている。

  春の訪れを告げるツールに別荘地が沸く。が、観客の居る区間はあっという間。白樺の林の中を抜け、沿道の雪が例年よりも早い段階から見られるようになって、レースが落ち着き始める。縦長の列とたまに来る後続の上位選手。30分を過ぎてまだ7kmちょっと。若干ペースが落ち気味か。こっちがこれだけ苦戦してるとなるとふくちゃんが心配だ。生きてゴールしてくれ。

  八ヶ岳が見えてくるスキー場手前の数kmはフラットになる。ここでいかに稼げるかにかかってる。過去2大会ではこんな展開はありえなかったが、今回は集団を形成していることもあり、クリテリウムさながらのハイスピード。ここで行かずにどこで行く。40キロオーバーで雪の壁を切り裂くトレインに連なり、そのままスキー場へと突っ込む。スキー場15kmの通過は55分、昨年よりも10分早いタイムでの通過。1時間半での完走をまだ狙えなくもない。

  と、微妙な表現になったのはあまりに疲れていたから。声援があるのはここまで。ゲートを通過すると傾斜がきつくなり、いよいよ終盤の踏ん張りどころ。本来ならここから上げて行かなきゃならない。が、ハイスピードの影響が脚にきた。想像以上に筋疲労が激しい。呼吸は乱れていないものの、脚が明らかに鈍くなってきた。左右に迫る雪の壁からひんやりとした空気が流れ出る道で、一気にペースダウン。あがく力もなく、みるみる失速。さっきまでのスピードが見る影も無く。

  メルヘン街道の標高が2000mに達する頃にはまったくメルヘンな気分じゃなく、斜度を増すつづら折りのコースに地獄を見た。後半の10kmは抜かれっぱなし。ラストの500mは意地を見せたものの、それ以外はありえないくらいの失速。まあ先週の伊吹山よりはマシってことで。前半15kmと後半10kmがほぼ同じタイム。それでも昨年よりは2分早い自己ベスト。悪くはないってことか。そしてゴール後、予想以上に早くふくちゃんが現れた。3分差。前半で6分差、後半で3分詰められたらしい。これはいよいよ富士山で本気対決か。麦草峠の雪の壁は身長ほどの高さ。ひんやりした空気が心地いい。なんだかんだ言いつつも一応は自己ベスト更新。またやる気が出たときに八ヶ岳には来ることにしよう。

<記録>
男子Bクラス(26〜30歳)
うっちゃん 55位/75人中  タイム:1:48:04 平均:13.88km/h
ふくちゃん 58位/75人中  タイム:1:51:26 平均:13.46km/h

おしまい

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