バイクナビＧＰ２００９　春のひたちなか７

〜ひたちなかの奇跡〜

ＬＯＶＥ・ＷＩＮＧ　うっちゃん

５月２４日

　　雨のひたちなか特設コースにＬＯＶＥ・ＷＩＮＧから２チーム参戦。自転車レース初参加のとみー、そめ、ごろーを加え、それぞれ３人（ＬＯＶＥ☆ＷＩＮＧ：かずえ・ごろー・うっちゃん、ＬＯＶＥ★ＷＩＮＧ：ふくちゃん・とみー・そめ）で７時間走るというなかなかハードな耐久レースだ。

　　雨模様の中、とみー＆かずえで最後尾からスタート。ウェットな路面と序盤の混雑っぷり、それに安全のため序盤は控え目に。７時間の長丁場、無理なくレースを進めることが重要との判断。雨の荒れたレースの中を、抜群のピットワークとリレーで後方から様子を見る展開になった。

　　その後方を走るはずのとみー＆かずえ。大集団を見送りながら応援していると、かずえがまさかのピットイン。まだ何も準備してないんですけど・・・。スタートがホームストレートとは違う場所だったせいで、かずえは勘違いして２回目のホームストレートでピットインしてしまった。まだ１周ちょっとしかしてないでしょ。慌てて自転車にまたがり、心の準備もなく発進。まだ雨だし、とりあえずは体が温まるまでは様子を見ながら。

　　朝からの雨で濡れに濡れまくった路面はトラブルを連発させる。落車して数人が巻きこまれてたり、すぐ前の人が低速コーナーで転んだりと散々な状況。無事に走ることに集中して、ストレート以外は慎重に走る。いやでも前の人のしぶきを浴びるコンディションに序盤はペースが上がらず。おそらくはどのチームも同様展開。雨が止まないまま、１時間半が経過。３位、４位に付ける両チーム。トップ以外の２〜６位は混戦。これは面白いレースが期待できそうだ。

　　初レースの３人、とみーはドロップハンドルのロードバイクをうまく乗りこなし、マラソンで鍛えた体力でいい走り。ごろーはクロスバイクで雨を切り裂き、見た目どおりパワー系の力強い走りを見せてくれる。そめは雨と風とロードの集団に飲み込まれながらも何とか無事に走っていた。そんな３人を含む６人で、雨の中、応援とピットワークと写真を楽しみながらのレースが進んでいく。

　　２時間半が経過。１位は独走、２位が少し抜け出した。３〜６位は依然として団子状態。ＬＯＶＥ☆ＷＩＮＧは３位をキープ、ＬＯＶＥ★ＷＩＮＧは差の無い５位。路面はウェットなままだが、雨は止み、視界はクリアになってきた。周回を重ね、体も温まり、どの選手もペースが上がってきたか。大集団も縦長になり、上位からこぼれたソロの選手と、チームの選手でいくつかの小集団ができてきた。

　　ホームストレート手前、周回差で先頭集団が後方から来た。個人ではかなわないが、こちらはチーム。行くならここ。集団のスピードに合わせ、流れに乗る。３，４番目に付け、先頭交代から集団を引く。７時間の中の一部であれば、互角に競える。スプーンカーブからの立ち上がりで集団に飲まれるも、再び上りで先頭へ。そのままバックストレートまで前方で先頭交代を展開。縦長のトレインを率いたこの周回でチーム最速ラップを記録。もう数秒攻めていれば、チームの部の最速ラップを取れていた。

　　２チームで走るメリットが中盤の集団からこぼれたところで生かされた。一時は４位に転落するも、ふくちゃんがかずえを引く場面もあり、ＬＯＶＥ☆ＷＩＮＧは徐々に上位との差を詰める。５時間が経過して、２位と４分差の３位までＬＯＶＥ☆ＷＩＮＧは上がってきた。４位以下は３周回以上離れ、ＬＯＶＥ★ＷＩＮＧは前後１周差で５位に。混戦に思われた２〜６位だが、時間が経つにつれて２４時間を知るウチらのペースに、いや、体力にレースの流れが傾いてきた。

　　路面が乾いてきて、集団もばらけ、ハイペースを維持する人と疲れて流す人とに完全に分かれてきた。もはやどこがトップで誰が競り合う相手かもわからず。ただ近くの選手と協力し、ひたすら限界まで走るのみ。女子の中でも際立ったスピードを見せるかずえ、クロスバイクで頑張るごろー、見えない２位を捕えるべく、全員全開。

　　残り４０分、ここでついに２位の背中を捕らえた。目の前を通過して行く２位のゼッケン。ごろーの追撃が差を縮め、この日一番の勝負どころで私にチェンジ。ピットアウトから一気に猛追、早々にとらえ、上りであっさり抜き去る。が、ここで頭をフル回転。選んだのは心理戦。あえて待ち、話しかけた時点で勝負。相手はここで追いつかれたことを知る。聞けば、残りは彼が走り続けるとのこと。「ウチは次に切り札が控えてるんで」と言い残し、ペースアップ。彼がバテ気味なのは確かだが、かずえが確実に逃げ切れるリードをあと３周で作らねば。長いコーナーから全開で、ロングストレートをぶっ飛ばす。勝負どころ。終盤でもハイペースを維持する小集団に付き、後続の視界から消えるまで逃げ、なおもハイペースで勝負を決めにかかる。この３周は間違いなく好タイムのラップを刻んだはず。最後のピットイン、後はアンカーのかずえに任せた。

　　このまま逃げ切れば２位。プレッシャーのかかる状況で、タイムアップまでかずえは手を抜かず。２４時間を知るウチらにとっては、７時間の長丁場はむしろ慣れたもの。ペースの落ち込みも少なく、見事にかずえが走り続ける。後続は完全に脚が無くなり、ファイナルラップではすでにセーフティーリードを稼いでいた。７時間経過直後、２番目にかずえ。「これでゴール！？」といまいち締まりの無いフィニッシュで締めくくった。

　　結果、序盤の遅れを挽回、７時間の長丁場を見事なペースで走りきったウチらＬＯＶＥ☆ＷＩＮＧは２位表彰台！ふくちゃん、とみー、そめのＬＯＶＥ★ＷＩＮＧも後続から逃げ切り、５位入賞！大荒れのレースを見事な逆転劇で盛り上げた。他のチームが４、５人で回す中、ＬＯＶＥ・ＷＩＮＧはどちらも３人でフル回転。大健闘の７時間だった。この楽しさ、走った人にしかわからない、うれしい初表彰台だった。

おしまい