第10回 Mt.富士ヒルクライム

〜10年目のスバルライン〜

LOVE・WING うっちゃん

6月2日

  3年連続8回目の富士ヒルクライムは、ふくちゃんと初出場のふじ、応援でかずえが参加し、第10回の記念大会を走ってきた。この第1回大会に参加したくて自転車を始めたので、今はもう10年目。そして、帰国して3年目。ブランクはあれど、個人的にも節目の大会だ。

  天気に恵まれれば、景色は最高のスバルライン。長い上り坂では一番多く走っている。 朝は寒かったけど、スタートする頃にはなかなかのいい天気になり、走るにはいいコンディションだ。万全の仕上がりで臨んだはずのレースは、なぜか最初から脚が回らず。不調ではないのに何か違和感を感じたまま、我慢の序盤で始まった。

  距離表示がないのことが多いので、手元のメーターを頼りに5kmのラップを刻む。我慢の序盤とはいえタイム的にはわるくない。いよいよここから、というところで気持ちを切り替えるが、何となく不自然なペースアップ。とにかく脚が回らない。回らない分、呼吸はラクだが、このペースでは物足りない。加えて、距離表示がちょっとずれてる。どうせ表示するなら正確に表示してほしいところだ。

  紛らわしい距離表示は無視。違和感を何とか立て直そうとするが、流れに埋もれて打開できず。10kmまでそこそこのペースでカバーするも、タイムもそこそこで来てしまった。まだ半分以上残っているし、ここから何とかわるい流れを変えたいところ。周りを牽いてでもペースアップを狙うが、ここでも脚が動かず。ここ一番って舞台で外すことってそうそう無いのに、今日はいったいどうしたことやら。これが帰国して3年目の結果かと思うと、何か無性に悔しくて、でも何もできずに、ただただ笑うしかなく。

  こんなはずじゃなかったのにと、きっと多くの人が思うように今日はそんな気持ち。徐々に上がる標高とともに広がる景色を見ていたら、なんかレースなんてどうでもよくなってきた。ただこのスバルラインを、富士山を五合目まで自転車で走るっていうだけで心ときめいた10年前を思い出しながらのレース中盤。第2関門の太鼓の音と声援が心地いい。

  わずかな意地を見せたい20km地点からの山岳スプリット区間。ところが、いつもと計測区間が違う。しかも距離表示もあきらかにおかしい。もはや自分の調子も含めて、何もかもがちょっとおかしい感じの今日。ここまで来ても回らないままの脚で淡々とゴールへと向かう。

  フラット区間前の坂を力でねじ伏せ、そのままフラット区間でペースアップ、といういつものパターンにもならず。回らない脚はフラットになっても回らず。すでにベストのタイムさえも出ないことが確定。トレインからもあっさりと遅れ、次々と後続に抜かれてしまうような状況。天空のゴールへと駆け込むはずの終盤も、トンネルを抜けてゴールへ突っ込むビクトリーロードも、流れる景色を目に焼き付けながらの淡々としたペースで走り続ける。最後はバテた人をあっさりかわし、追いすがる後続をあっさり突き放し、とりあえずはひと区切りのゴール。

  脚は残っている。でもそれを出しきれなかった。力はある。でも脚が回らなかった。原因はわからないが、追い込まれることもなく、終わったレースのゴール後は、チームメイトを待っての、ゴール前で観戦&応援。風は冷たかったけど、暖かく感じるくらいの気候。コンクリートに横になってると風にも当たらず、アスファルトの温かさで快適だった。

  今までになく不自然な不調で、不完全燃焼のまま終了。いや決して不調じゃないのに脚が回らず。ペースも上がらないので、余力を残したまま終盤まで行ってしまい、競り合うこともなく、淡々とゴールという、なんか変な感じ。きっと自転車の楽しさを思い出しながら、自分の世界で走っていたので、タイムとかどうでもよくなっていたんだなとか、納得するしかない。

  そんなに息を切らすこともなく、1時間25分弱で完走。調子も仕上がりもよかったし、タイム的にもそんなにわるくはないが、もっと上を目指していたし、自分自身も期待していただけにショックは隠せない。が、結果は結果。これが自分に課した帰国3年目の目標を達成できなかった、区切りのゴールであり、自分にとっての富士ヒルクライムだったということ。

  女子準優勝、咲子さんの姿は全く見えず。抜くつもりが、ベストをさらに更新した彼女には離された。きっと数年後には、かずえがやっつけてくれるはず。玲奈さんはゴール後に捕まえた。第2回大会のときにゲストで参加してて、そのときも一緒に写真撮ってもらった。あの頃はお互いに若かった、と。ノリのいいお姉さんだ。

  ふくちゃん、ふじとも無事にゴールしてほっとした五合目。ウルトラマラソンの疲れが癒えぬふくちゃんはペースが上がらず、こちらも淡々としたゴールだった。初出場で最終グループから集団に埋もれながら上ったふじは、こちらも余裕に見えるゴール。チームで走ってるときの方が、みんな激しいヒルクライムを繰り広げる気がする。とまあこんな感じで、どんな結果であれ、五合目まで自転車でたどり着いたゴールは、それはそれで達成感を与えてくれる。10年目の富士スバルラインと、10年目の自転車。ここで刻んだ思い出を胸にまた次の10年先まで楽しく自転車に乗っていたいと思う。山麓で暇していたかずえは、やはりヒルクライムは走るものだと、次の一戦に向けて闘志を燃やしていた。

<記録>
総合・ロード男子30〜34歳
 うっちゃん 944位/5529人 132位/607人 タイム:1:24:46 (1:11:00 - 3:35 - 10:11)
  (山岳スプリット賞区間19〜20km 3分35秒)
 ふくちゃん 3094位/5529人 359位/607人 タイム:1:47:13
  (山岳スプリット賞区間19〜20km 4分23秒)
 ふじ 4448位/5529人 499位/607人 タイム:2:14:51
  (山岳スプリット賞区間19〜20km 5分50秒)

おしまい

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