PARAGLIDER STUDENT FESTIVAL IN 足尾

パラフェスタ実行委員 会計 うっちゃん

  学園祭のように参加者全員で盛り上げる大会。それがこの大会、パラグライダー・スチューデント・フェスティバルである。茨城県足尾エリアにて開催した今大会は、エキスパートクラスでは学生日本一と日本選手権への出場権がかかっているというなかなか重みのあるものであった。それにもかかわらず、とにかく華やかな大会にして、みんなで盛り上げようという雰囲気が全面に押し出されており、ちょっと変わった大会でもあった。
3月12日、公式練習日。早朝から雪が降り始め、雪の多い地方から来た人たちは「雪を見ないためにここまで来たのに…」と渋い顔を見せていた。天気が良くないせいか受付を始めてもすぐには参加者が集まらない。「選手があまり来ないのでは…」という心配もあったが、当日のエントリーもあり、35人の学生フライヤーが集まった。開会式が始まるころには、雪は完全に上がり、選手たちはテイクオフに上がった。フライト条件はあまり良くなかったようだが、みんな思い思いにフリーフライトを楽しんでいたようだ。大会関係者と選手には、参加賞として名札と名刺を配った。フライト後にはランディングで、名刺交換が楽しそうに行われており、話すきっかけやネタになってかなり好評だった。北は青森から、南は九州まで、人数は少ないながらも全国から学生が集まり、なかなかの盛り上がりを見せ、フェスティバルの名にふさわしい雰囲気になっていた。

  しかし、13日、大会競技1日目。残念ながら朝から風が強く、とても飛べる状況ではなかった。競技のかわりにこの日はフライトセミナー。せっかくのフェスティバルなのだから安全講習会では聞けないようなちょっとおもしろい話題で盛り上がった。「彼氏彼女に『私とパラグライダー、どっちをとるの?』と聞かれたらどう答えますか?」という質問には、みんなが頷けるような見事な答えを教えてくれた。パラコレの取材が来てくださったのは、学生のみんなにとってはとても楽しいイベントになった。「これがきっかけで芸能界デビューしたらどうしよう…」などといらない心配をしている人もいて、笑えた。結局、一日中風がおさまることはなく、この日は不成立。午後から筑波山に登りに行ったり、大洗の海を見に行ったりと、茨城県の観光をみんな楽しんだようである。

  14日、大会競技2日目。朝は比較的弱い風で、どうにか飛べそうな感じだった。選手のみんなは早めにテイクオフに上がり、飛ぶチャンスを待っていた。が、徐々に風が強くなり大会のゲートオープンは危ぶまれるようになってしまった。とりあえずウインドダミーの二人がテイクオフしたが、ものすごい勢いで上昇はするものの機首を風上に向けると殆ど前に進まないぐらい上空は風が強かったようだ。上級機でこんな状況だったものだから、当然ゲートはオープンしない。風がおさまるまで選手のみんなはテイクオフで待機。すると、誰かが回収セットからロープを取り出し、突然なわとびが始まった。坂でやりにくいながらもみんなでおおなわ。別の所ではマイムマイムを踊り出す人なども現れ、テイクオフは大会の雰囲気から一転、遊び場と化した。ランディングでも音楽を流しながら、フリスビーやパラカイトで遊びだす。たっぷり遊びおわっても強風がおさまることなく、大会はこの日も不成立になってしまった。選手のみんなはテイクオフで、それ以外の人はランディングでたっぷりとお喋りができ、それはそれで楽しめたのではないだろうか。

  この日は夕方からレセプション。競技が出来なかったせいで、体力は有り余っていたようだ。こちらで騒ごうとばかりに選手も役員もキャンプファイヤーとバーベキューを満喫。3月のこの時期、まだ日が暮れると肌寒い。そんな中、裸におむつという体を張った芸でみんなをいきなり笑わせてくれた人がいた。一気に盛り上げてくれたおかげで、火を囲むように自然に人も集まり騒ぎ、バーベキューでは6キロ用意した肉もあっという間になくなってしまうほどの勢いだった。参加賞の名札と名刺でちょっとしたゲームを行い、同エリアのハンググライダーの学生たちも混ざっていっしょに盛り上がっていた。

  15日、予備日だったが、この日も飛べず。3日間の内で一番の強風だった。誰一人としてフライトが出来ず、午前中に閉会式を行った。そうそう賞品が余ってしまったので、ランディングにばらまき、みんなでダッシュして争奪戦を繰り広げた。賞品の多くは仮装道具だったので、それを着けて記念に写真も撮りまくった。結局大会は強風続きで残念ながら3日間とも競技が出来ず、不成立だった。それでもみんなそれなりにフェスティバルを楽しんでくれたみたいで、次回の大会が楽しみになったのではないだろうか。

おしまい

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