【第２０回早稲田ＣＵＰ２００５パンフより】

オレは今日も飛んでいる

第２０回早稲田ＣＵＰ優勝者（予定）　うっちゃん

　　２００３年卒、エース、ウスイです。自分で言うなって？そんなこと言わずに少しだけお付き合い下さい。私が早稲田ＣＵＰに初めて参加したのは２０００年。初飛びのひと月ほど前のことだ。もちろん選手ではなく、サポーターとして。あれから５年、数多くのフライトを重ね、いくつもの空を飛び、いろんな合宿・大会を経験してきた。そして今日、６度目の早稲田ＣＵＰ。信濃平のテイクオフに立っている。

　　今大会で早稲田ＣＵＰは２０回を数える。学選や日選の歴史と比べても遜色のない、伝統ある草大会と言っても、早稲田ハングにとっては言い過ぎではないだろう。各代の幹部陣が、サークルメンバーが、そして何よりフライヤーが支えてきたこの大会。ここ数年の衰退傾向は否めないが、あつい学生たちの力で、毎年ほのぼのとした空中決戦が繰り広げられている。ＯＢもＯＧも現役も他大生も、そんなとこで見てないで、みんな早稲田ＣＵＰに来ちゃえ♪

　　私の飛びに対する姿勢はひねくれている。だって飛ぶのはそんなに好きじゃないから。きっと、空を飛びたいと思って始めて、飛ぶのが好きだから、ハング・パラが好きだから飛ぶんだよね。でも私は違う。じゃあ、何で飛ぶのかって？それはそこに空があるから。多分、授業があるから学校に行く、とか、お金が欲しいからバイトする、とか言うのと同じような感覚。そこに空があるから、飛ぶ。私の「そんなに好きじゃない」は、その辺でくすぶってる奴らの「好き」よりも上だと思ってる。

　　飛びへの想いや感じ方ってやつは人それぞれ。１０分飛んで上げられずにおりて不満。でもその隣には、５分のぶっ飛びで「気持ちよかった〜って満足する奴。今は不満そうにしてても、初飛びの５分間には感動した。ソアリングしたことない人がトップアウトすれば、わずかな時間でもうれしいよね。２時間飛んで自己記録。でもライバルは２時間経ってもまだ飛んでいる。大会で３時間飛んだけど入賞できず。優勝した人は４時間飛んでいたから。でも１０位の人は自己記録の１時間オーバーに喜んでる。レースで２時間飛んでいた。スタートも切れなかったけど。トップは１時間かかってないってさ。あいつは３時間かかってやっとゴールした。初ゴールに嬉し涙を流してた。見たことのなかった山の向こう側が見えた。雲の上を飛んでブロッケン現象が見られた。あの場所まで行ってきた。こんなに長い距離を飛んできた。今日は空でみんなと絡めた。一緒に飛べて楽しかった。いつと違う場所で飛んでみた。新鮮に感じた。山で飛んで、いい景色を見た。海の上を飛んだら、もっといい景色が見られた。昔は飛びまくっていた。数年ぶりに飛んだ。２度目の初飛び気分。やっぱり空は気持ちよかった。初ソアリング？おめでとう！自己新記録？すごいなあ。ついに初飛び？！新しい世界が待ってるよ。

飛び続けなきゃいけない。そう思ったらやめたくなるときがあるかもしれない。でも、次の一本で飛び人生はおわり。そう言われたらおわりにしたくなくなるかもしれない。そのときのその一本。どんな飛びも、飛んでいる時間も、飛びに行ってみんなと過ごす、何気ない日々も大切にして、そして全力で楽しんで欲しい。 　　ハング・パラのサークルだからって飛びだけにこだわる必要はない。楽しいことをいっぱいやっていこうよ。やりたいことやってさ。みんなが笑顔でいられるサークルっていいでしょ？私がいた頃っていうとちょっと前の話になるけど。当時はそれなりに飛びにも行っていたけれど、それ以外にもいっぱいサークルメンバーで企画してさ。海や山登りに行ったり、学園祭にお店を出したり。２４時間リレーマラソンなんてイベントに参加してみたり。スノボー・スキーはもちろん、スポーツ雪合戦に参戦したことも。飛びだって、全国各地の合宿や大会に参加してさ。飛んでる人も飛んでない人も、誰もが楽しめるサークルっていうワセハンならではの雰囲気で。学生時代をワセハンとともに全力で駆け抜けたなあ。今もそんな感じ？大切な思い出だ。その中にこの早稲田ＣＵＰも刻まれてるよ。 　　みんなに伝えたいこと。生活環境が変わること、気持ちが変わること、いろいろとある。ハングやパラで飛ぶっていうことは確かに大変だし、飛び続けることはもっと難しいかもしれない。でも、みんなに飛び続けて欲しいし、飛べなくたっていつまでも仲間たちが集まれたらいいなって思う。たとえ遠くにいたって、仕事が忙しくたって、時間が作れないわけじゃない。だから、これからもみんなが笑顔で会えたらいいよね。

第２０回大会　パラ初優勝！

　　ここにみんながいなくたって、同じ空の下、きっとどこかで、みんな何かにがんばっているはず。だから、オレは今日も飛ぶ。いつかの日か振り返ったときに、あの日の自分を誇れるように。ワセハンを誇れるように。翼に込めた夢を想いながら。みんな、オレについて来い！！

続け