パラグライダー日本選手権学生予選会

　　８月の鏡山で開催されるも、天候に恵まれず不成立となった学選。その振り替えとして急きょ、足尾で開催されることになったのが、この学生予選会。目的は日選の学生枠選手の決定。つまりは日本選手権の出場権争奪戦。なんとしても決めねばならず、日程は９月１８，１９日の二日間。足尾で飛べないなら、宇都宮に移動しての開催と、とにかく競技成立を目指したものであった。大会での勝負はもういいけど、みんなが出るなら、みんなのバトルをすぐ側で見たい。いっしょに飛べば、一番近くでいい飛びが見られるから。そう思って参加。どうせなら飛んだことのない宇都宮で飛びたいと思っていたが・・・。

　　大会初日、足尾で開会式。しかし風悪し。飛べそうにない。いきなり、移動？！おもしろい展開になった。宇都宮までバン何台かで大移動。かなり怪しい光景だっただろうに。ちょっとしたツアー気分で、宇都宮に着いたのは昼過ぎ。Ｔ．Ｏへのモノラックは一大アトラクション？テンションの高さも加わって、なかなかに面白かった。いい天気にいい眺め。昼寝でもしたくなる。

　　初日は、極端な策をとって、みんなを見送ってから最後にテイクオフ。しかし、がんがん上がっていたのはいつのことやら、全選手中、最短時間でぶっ飛んだ。でも、恭子ちゃん（元早稲田、現筑波Ｍ１のお姉さま）がトップでゴールしたから、何かうれしい。「元のホームエリアだからね」とは言っていたが、さすがの実力だ。同時期に同じ色の機体でがんばったマベ（日大３年）も初級機でいい飛びしてた。見てるだけでも楽しいね。まあ積極的な姿勢はやはり見せたいところ。で、リフライトに上がるも、コンディションは悪化。クローズです。初日からいい感じに、かなりの人が飛べていた。当然私は最下位スタート。

　　帰りは足尾に戻らねば。でもせっかくの宇都宮。夕食は餃子だ。有名店ってことで“みんみん”へ。評判どおりおいしかった。店内がフライヤーでいっぱいになっていたのも何とも言えず。足尾へ戻ったのは何時くらいだったかしら。

　　二日目。前日の予報でなんとなく予想はついていたが、やはり今日も足尾は無理。みんなの意見は・・・当然宇都宮へＧＯ。早くから移動したおかげで午前中のうちに宇都宮へ着いた。今日は一日を通してよく上がり、私も空を楽しんだ。全選手中、真ん中くらいの順番で出たが、ぶっ飛ぶ人がいる中、２時間近く飛んでいた。田子谷さん（電大Ｍ２）の勝利のスパイラルや恭子ちゃんの二日連続ゴールを見届け、自分もタスクをこなしつつ、でも遠くの山々も見つつ、うまい人たちに混ざって競技も楽しんだ。最後に狙った一番離れたパイロンまでの数機での編隊飛行は、なんかいい感じだった。ほんの数分だけ、アスリート気分で自分に酔うが、最後はまた我に返って、夕焼け前の遠く筑波山を見てＬ．Ｄへ。この日は７位。なかなか頑張ったかしら。

　　二日間とも競技成立という見事な大会だった。結果、優勝は田子谷さん、２位に恭子ちゃん、３位に木下さん。４位には卍さんと院生が上位を独占。大学生ではタエの５位が最高。二日目のみ参加だが、ゴールしたタローが６位に入った。私は総合９位。早稲田パラの名を刻むトップ１０入り。楽しめて、これなら十分か。Ｌ．Ｄの栗林で栗拾い。お土産だ。帰ってから食べたらおいしかった。もっと拾っておけばよかった。

　　帰りの夕食は今日も餃子。エリア近くの“正嗣”で。小さい店をフライヤーが占拠。ここも美味し。足尾へはタエの車で院生組といっしょ。普段いっしょしないだけに珍しい顔ぶれとなった。と感じたのは私だけか。学生最後の夏に、パラで本当に楽しめた気がする。さて次なる野望は・・・やっぱ、信濃平か。狙うは早稲田ＣＵＰ？いやいや、山の向こうに見えるはずの景色でしょ。もちろん誰よりも高いところから。

　　大会の成績なんて自分が楽しんだおまけみたいなもの。勝負を楽しむなら陸上で十分。でも、あの景色を見られるのはパラだけ。空からの視点。普通の人には見ることが出来ない、フライヤーだけに許された世界。心奪われる、魅せられる瞬間を味わうために、もう少しだけ飛び続けてもいいんじゃない？

順位	名前	グライダー	大学
1	田子谷　禅	Ω５	東京電機大学（ZIPS）
2	村上　恭子	BANDIT	筑波大学（AIOLOS）
3	木下　悟	SECTOR TX	筑波大学（AIOLOS)
4	友澤　一成	Ω５	日本大学（EPO)
5	藤岡　多恵	ε３	中央大学（中大ハング）
6	小林　泰	SECTOR TX	中央大学（中大ハング）
7	衣袋　隆一	VENTUS	山形大学（YUPC)
8	間辺　恭平	ATLAS	日本大学（EPO）
9	宮川　知己	QUARX	京都大学（ZEPHYR）
9	寺尾　有貴	ε３	東京電機大学（ZIPS)
9	薄井　健吾	PROMISE	早稲田大学（早稲田ハング）