ワセダ色に黄色い声援

〜第61回 香川丸亀ハーフマラソン〜

LOVE・WING うっちゃん

  朝の曇天と強風はいつの間にか澄んだ青空へ。ランシャツでも寒くない日差しはこの時期にしては珍しい。スタートの整列でお互いの健闘を祈り、散る3人。前方に登録のケダマ、中盤にカオリン、後方に私。一般の整列はゼッケン番号順=申し込み順。締め切りぎりぎりで申し込んだため相当後ろの方。振り返ると隊列の最後尾はすぐそこだ。東京マラソン組(油谷とか)が参加するっていうからマネして直前にエントリー。そんなノリ。

  10時35分、第61回丸亀ハーフマラソン、スタート。当然すぐには走り出せない。ネットタイムで測ることにして、スタートラインまでのんびり歩いて、スペースができるを待つ。「先頭の通過から時間が開き過ぎると計測できませんので早くスタートして下さ〜い!」だってさ。先頭から2分遅れでスタートラインを通過。

  序盤、大渋滞。高速コースと言われる丸亀で完全にストップ。前の方はともかく、後方は悲惨だな。右に左に動く人が多いが、体力の無駄。引っかからない程度に流れに乗って我慢する。行きたい気持ちを抑えるのは難しいが、嫌でも詰まってしまうのはむしろ助かるかも。3kmまで超スローペース、やっと走り出した頃にはまっすぐな道のはるか先まで人で埋め尽くされていた。今回は嫌でも追い上げる展開か。

  やっと走るスペースができてきた5kmの通過は27分台。遅すぎ?まあ仕方ない。ここからどこまで上げられるか。慣れない追い上げの練習にはちょうどいい。人に引っかからないように、かつマイペースで走るのは難しい。

  8km地点くらいで早くも先導車が反対車線を走ってきた。トップは山梨学院大のモグス。想像以上に速い。異次元の速さ。しかも後方が見えない。独走だ。何なんだ、いったい?世界新か?箱根の悔しさを爆発させたか。行ってくれ、世界へ。

  思わず折り返して追いかけたくなる衝動に駆られつつ、後続を待つ。ありえないほどの差で、2位集団が10人ほど。以降、断続的に社会人・学生の登録ランナーが続く。折り返してきた反対車線の上位選手を、すれ違いながら観戦。よそ見しっぱなしだ。都庁のエース、ケダマの脚は軽快なり。

  女子の上位選手の姿も男子に混じって見られるようになってきた。福士、弘山に、デンソーの田辺、加藤、若松の3選手も発見。名前まで呼んで応援したんだけど、聞こえてないんだろうなあ。ちょっと離れてアールツーの“パイタッチ”カオリンもすれ違う。が、残念ながらパイタッチハイタッチならず。

  よそ見してた区間でペースが若干落ちた。ような気がしただけ。実際にはむしろペースが上がり気味。学生ランナーの激走を見てたら燃えてきた。これもワセダ色のスピリットか。出だしの渋滞でベストは諦めていたが、ここからでもまだ行ける?!根拠は無いけどノリで。10km通過でこの5km23分台。キロ4分半で行けばまだ可能性はあるかも。

  折り返しを過ぎてやっと自分の走りに集中。序盤のスローペースのおかげか、脚のキレもわるくない。追い上げる走りにも慣れてきて、ロス無く走れている。バテて全体のペースが落ちる中、快調に走っていれば抜くばかりだ。何百人抜きってのも気持ちいい。給水で取ったコップがスポーツドリンクで手がべとつく。すかさず水を取り直して洗い流す。飲んだのはほんのちょっと。そんなもん。15km通過、この5km22分台。追い風に乗って、いい感じ。

  反対車線の観客も復路側の沿道に集まり、応援の声が増える。エリートランナーが通り過ぎてもこうして応援してくれるのはうれしい。お子さまが手を出すからタッチして応えてあげる。背後で歓声が聞こえた。それを見ていたボランティアの地元高校生も手を出してきた。「わ・せ・だ♪、ワ・セ・ダ♪」、喜んでパイタッチハイタッチ。なんか楽しくなってきた♪

  同じ位置を走る人に比べたら、全然スピードが違う。抜く一方の陸同ユニホームは目立つわけだ。多分「早大」の部分しか目に入ってないんだろうなあ。道路の反対側から手を振ってくれるコたち。振り返したら「きゃー!がんばって下さ〜い!」ってさ。黄色い声援がうれしい♪「ワセダがんばれ!」「どうしたワセダ!?」、ユニホーム効果大。学生じゃなくてごめんなさいっ。

  ひたすら追い上げてきた脚も残り3kmを切って重くなってきた。100分ペースで走る人たちの後半なんてみんなバテバテ。それでも遠くに立派な競技場が見えてきたら、もうひと粘りする気になったりもする。次のレースのための調整?練習代わり?私程度のレベルにそんなのは関係ない。ベストは無理だけど、それでも最後まで全力。気持ちよく走ろうぜ。

  こんなに見事な競技場が、20kmを走ってきたランナーたちを迎えれくれる。ゲートをくぐって競技場内へ入る快感。残り200m。かと思いきや、さらに内側を走る人たち。あと600mだったか。一瞬脱力するも、メインスタンドに思わず手を振りたくなる衝動を抑え、トラックを1周半。ラスト100mの直線、第2レーンを走る気分はウイニングラン。爽快にゴール☆

  序盤の渋滞がなければ間違いなく自己ベスト。それでも「楽しかったからいいんじゃない?」と思えてしまう。いつでも速く走れるっていう余裕か、たっぷりと黄色い声援を浴びた満足感か。コースと体調次第でまだまだ記録は伸びるだろうなあ。そしたらもっと楽しく走れたり?

  男子の優勝はモグス。日本記録以上のタイム。かなわないわけだ。女子優勝は福士、2位に弘山。デンソーからは4位に加藤さん、5位に若松さん(第55回大会優勝、旧姓永山)。社会人になって初の自己ベスト更新のケダマ。一般男子20才代4位(3位まで表彰)のカオリン。黄色い声援欲しさに陸同ユニホームで走った私。レースの楽しみ方は三者三様。走ったランナーの数だけネタがあるってことだ。さあ、次はいよいよ東京マラソン。大観衆の声援を浴びて駆け抜けろ♪

<記録>
タイム:1時間44分03秒 29:29 - 23:39 - 22:35 - 23:10 - 5:10
(ネットタイム:1時間42分07秒)
ハーフマラソン一般男子:820位/2530名中
ハーフ一般男子20才代:115位/364名中

おしまい

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