夢のかたち

〜第1回 東京マラソン2007〜

LOVE・WING うっちゃん

  東京凱旋。そんな気分の2月18日、悪天候にもめげずに、東京のど真ん中を3万人のランナーとともに駆け抜けた。東京マラソン、第1回大会。前日の東京ドームでの受付からテンションが上がっていたが、当日の天気は残念ながら雨。2月の雨は寒いなんてもんじゃなかったが、その盛り上がりには感動した。

  早朝の都庁前、チームメイトに見送られ、スタート地点へ。シャイニング☆ウエマティ、みさとさん、LOVE・WINGひらの3人と合流し、6年ぶり3回目のフルマラソンに挑む。スタートを待つ様はまるで救助を求める人々にしか見えず。隊列に入ったら実はそこは陸連登録者のスタートゾーン。今さら戻ることもできず、そのまま待機。オープニングセレモニーやら都知事のあいさつやらも上の空。早く走りたくてしょうがない。

  9時10分、号砲。紙吹雪が舞う雨の都庁前をスタート。東京を駆け抜ける42kmが始まった。十分に冷え切った体が温まるまでは様子見で、上がるテンションを押さえながら、新宿のビル群を抜ける。序盤から多くの観衆の中を、冷えきった体でトイレを我慢しながらの走り。 交通規制された靖国通りを走るのは気分がいい。中央分離帯でみんなが左側を行くのに対し、誰も居ない右側へ。どっちも交通規制されてるんだから堂々と走らせてもらう。大集団を率いる先頭気分をちょっとだけ味わった。5km手前、最初の給水ポイント。この雨の中、迎えてくれるボランティアの声が外堀通りに響く。

  今日は陸同のユニホーム。またこれを着る日が来ようとは、夢にも思わず。「早稲田がんばれ!」の声が他の全ての音よりも際立って聞こえる。笑顔で応えながら皇居へと向かう。走っている人数は多いが、道幅も広く走りやすい。日比谷公園で10kmのゴールを横目に通過し、応援に来てくれた母へ、感謝の寄り道。LOVE・WINGの旗が目印になった。

  そのすぐ後にシャイニングの応援がいよいよやる気を出させる。我慢できずにトイレに寄ったのや、周りのランナーと会話をする余裕があったのはご愛嬌。ふくちゃんから田町でウィダーを受け取り、品川を折り返して反対側でゴミを返す。20km手前、ラブTと旗でLOVE・WINGのみんなを発見、こんなにいっぱい来てくれて・・・と涙する間もなく、かずえからウィダーを受け取る。寒空の雨の中、応援に来てくれたみんなの前で情けない走りは出来ない。ハーフの通過までトイレ1回を含めてもいいペースだ。

  銀座四丁目の交差点で反対側の沿道からかおりんに名前を叫ばれる。東京のど真ん中を走り、左右の埋め尽くす大観衆を目にして、震えるほどの感動。短距離では無いと知りつつも、エンジ色のWで東京の街を走るということ。着ているユニホームこそ違えど、叶わなかった、忘れかけていた、いつかの夢。今、それがかたちを変えて実現した。

  反対車線を走るトップ集団への声援を自分への声援だと妄想しつつ、上位を走るケダマとセンターラインを挟んでのハイタッチ。名前だけしか知らずに、初めて会うきり(早大同現役)とのすれ違い。迷わず名前を叫び、振り返って合わさる視線。印象に残る1シーンだ。なんかお互いにかっこよかった。

  ソフィアのチアにめいいっぱい応え、浅草付近の給食、人形焼に引かれるも、間違えて手に取ったのはレーズンの塊。2回目のトイレは予定外だったが、浅草の折り返し、陸の孤島からのなおぴんの声援にまだまだ行けると息を吹き返す。再び戻ってきた銀座にエンジ色の輝きが似合ってるんじゃない?!

  早稲田への声援ってすばらしい♪早大同好会のユニホーム効果、すごすぎ。いつか夢見た絵とは違えど、妄想じゃない現実。思わず涙しそうになった。佃大橋の手前でのLOVE・WINGの応援には気がつかないという追い込まれようながらも、陸同同期対決は後半での逆転劇。ライバル、わだを35km過ぎにかわした。

  LOVE・WINGとシャイニング☆と、陸同と早稲田。このマラソンに、陸上に関わってきた今までの多くが集まったかのような一日。全ての応援に後押しされ、激しさを増す雨の中、終盤まで声援に応えながら走り続ける。結局40kmまで粘ったものの、最後2kmは応援不足、いや力不足でバテた。それでも飽きることなく、こんなに楽しい42kmを走らせてもらえることに感謝。

  雨さえもランナーたちを祝福するシャンパンシャワーのように、最後まで感動して迎えるビッグサイトの ゴール。2001年の河口湖以来のフルマラソンは、目標のサブスリー30にちょっと届かない自己ベストで駆け抜けた。ウエマティにはちょっと前を行かれ、みさとさんとはゴール後の着替え中に遭遇、ひらがゴールする頃には晴天だったそうだ。

  ビックサイトから出てきたら暖かい日差しにびっくり。最初からこんな天気ならよかったのにとみんなが思ったに違いない。きっとこれが完走者を称える光か。応援してくれたみんな、本当にありがとう!あの応援が、あの顔が、あの姿が無かったら、こんなに楽しく走ることはできませんでした。銀座のど真ん中を駆け抜け、大観衆に感動した瞬間の、あのときめきよりも眩しいほどに、みんなのゴールの笑顔は素敵でした。次回はみんなも一緒に走りましょう!

<記録>
タイム:3時間34分44秒 26:09 - 24:27 - 25:29 - 24:29 - 24:14 - 26:15 - 25:02 - 25:57 - 12:42 ベスト
(ネットタイム:3時間33分58秒、ハーフ通過:1時間45分59秒)
男子総合順位(グロス):2634位/19494人 (フル25〜29歳男子:248位/1431人)

おしまい

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