夜明けに向かって走る

〜第1回 文の京12時間リレーマラソン〜

LOVE・WING うっちゃん

  夜明けに向かって走る、このたすきをつないで行こう。仮装のまま飛び出して、あのたすきを持って行こう。これは競技じゃないんだ。かといって遊びだけでもない。速い奴ばかりじゃないけど、遅い奴ばかりでもない。ロマンチックな夜空に、あなたと走っていたい。街の風に吹かれながら、シュールな夢を見ていたい。見えない記録がほしくて、見えない時を刻みゆく。本当のゴール教えておくれよ。

  ブルーハーツの“TRAIN−TRAIN”に乗せて思い起こすなら、こんな詞になるんだろうか。初開催となる記念すべき第1回大会。小学校の頃によく遊んだ公園が舞台とあっては、地元として参加しないわけにはいかない。文京区教育の森公園、茗荷谷駅からすぐ。ウチから自転車で10分足らず。ここで文の京12時間リレーマラソンが開催された。

  ウエマティ率いるシャイニング☆を中心に、東洋大関係者と愉快な仲間たち的な寄せ集めメンバーで3チーム、“陸・海・空”を名前に掲げ、夜6時スタート。微妙な時間帯の盛り上がりで12時間が始まった。

  小さい頃の記憶がよみがえる懐かしいコースを周回。約1.2kmのコースといえど、下りきって上るのみというコースレイアウトはなかなかにハードな難コース。それでも脚自慢のランナーは快走していた。最初は3時間個人の部が混じって走っているため、ランナーもそこそこ多く、速い人、ゆっくりな人、入り乱れてのレース。チームとしては同じ区内の、文京学院大、中央大、そして我らが東洋大が名を連ね、レースを盛り上げた。

  諸々の事情で途中2時間ほどレースを離脱。この分は後でおつりが来るほどに働いたのでよしとしよう。ただ走るだけではもったいないので、ウチらは勝手に、シャイニング☆の記録会も兼ねてみた。セットタイムとタイムアタック。しゃーんの驚異的な走りに、思わず本気で勝負。いちおう面目躍如のトップタイムを出したが、マジできつかった。1.2kmという距離ではウエマティをもしのぐとは、しゃーん、お見事。

  都心部の公園が会場ということもあって、夜間はあまり騒げないという微妙な制約。買物や仕事後の参加など、便利な面もある反面、都心の夜という微妙な会場を配慮しながらの盛り上がり。それでも係員の人たちは静かな住宅街でのコース誘導に尽力してくれ、また会場となったスポーツセンター内ではお茶やコーヒーなどのサービスから、おしるこなどの給食まで。文京学院大生スタッフによるマッサージのサービスもあり、身も心も温まるサポートが夜をバックアップしてくれた。

  夜間の休憩には体育館を利用。スポーツセンター内での待機が可能だったこともあり、待つ方は、寒さや雨も気にせずに、快適に過ごせた。おかげで爆睡した人も多かったのでは・・・。レースの模様は写真で綴るのが一番。女の子の仮装が一番会場を盛り上げた気がする。ハロウィーンのかわいすぎるコスプレですから。

  深夜、私の走る☆海☆チームは前を行く☆空☆チームを逆転、8〜12位争いは混戦に。また6位入賞圏内を走る☆星☆チームも接戦、1時間毎に張り出される途中経過が楽しみな展開だった。面白いのは24時間を知っているウチらはこの12時間を短く感じるということ。また夜を走ることを知っているせいか、深夜になって徐々に順位が上がっていくのも見事なものだった。24時間の走り方を知っていることは大きいらしい。トップを行くのは中大同好会。別格の走りで飛ばしていた。

  東の空が明るくなってきた頃、12時間を走っているのは15チーム。コースに散らばるランナーがそれぞれのファイナルラップを迎えていた。出し惜しみすることなく、終盤はコスプレの乱れ打ち。明るくなって仮装が見えるようになってきたこともあり、今までで一番の盛り上がりだ。ラジオ体操や犬の散歩など、5時を過ぎて沿道にも人が出てきた。

  夜明けに向かって走る。6時を過ぎ、ゴールゲートに帰ってくるアンカーを待つ。ゴール手前に並び、12時間一緒に走った他のチームのランナーたちに声援を送り、ハイタッチで迎える。ファイナルラップ、ウチら3チームのアンカーが並んで帰ってきた。なんだかわからないけど、笑顔になる楽しさ。12時間のゴールは夜明けとともにやってきた。6時がレースの終わりかもしれないけど、それがウチらにとっての本当のゴールか?いや、レースを盛り上げ、みんなで楽しみ、走って思い出を作る。この繰り返し、かもしれないけど、本当のゴールはまだまだ先にあって、そしてきっとまだまだこんな日が続いていくんだろうな。こうして一緒に走る仲間と共に。

  でもとりあえずはお疲れ様。☆星☆チーム、6位入賞。私のとこは9位。もう1チームは11位。寄せ集め的なチームで大したものだ。何より3チームとも、他のどのチームよりも楽しんだに違いない。私にとっては地元開催のリレーマラソン、ぜひまた参加したいと思う。次はみんなも一緒にどう?都心の夜を走って過ごす、なんてのは。

<記録>

12時間チームの部
順位 チーム名 人数 周回 記録(km)
6 東洋大学☆星☆ 8人 113 139.56
9 東洋大学☆海☆ 9人 107 132.15
11 東洋大学☆空☆ 9人 106 130.91

おしまい

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