1000人抜きの讃岐路

〜第67回 香川丸亀国際ハーフマラソン〜

LOVE・WING うっちゃん

  5年ぶりの丸亀ハーフは以前と違い、10000人規模の大きな大会になっていた。スタートラインの通過までは1分半くらい。Qちゃん人気が激しくてスタートライン前後で大渋滞。金メダリストの人気はすごい。

  申告タイム順に並び、一応90分のグループにいるものの、「お前絶対90分じゃ走れないだろ?!」みたいな奴もいっぱいいて、走りづらい。でっかい仮装してすでに遅いし、みたいなのはホント勘弁して欲しい。盛り上げてくれるのはありがたいが、後ろにからスタートしてくれ。

  などと思ったところで何も変わらない。ここは冷静に無駄な体力を使わずに、いい位置をキープして、近くに居たテラとしばらくは並走。3kmくらい走った程度ではまだ人だらけで何とも言えず。ペースとしては95分くらいの感じ。

  丸亀の街中は朝から多く、沿道を埋め尽くしている。これもエリートランナーが走っているからこそ。5kmの通過は23分ちょっと。引っかかったロスと控えめなペースを考えれば上々の出だしだが、90分で走るには遅い。ここでテラと離れ、本来のペースに戻し、90分のペースランナーを追うレースが始まった。

  そんなにペースを上げたわけではなく、気持ちよく走れるペースに戻した、といった感覚。これは走れている証拠。体も軽いし、今日は行ける。片道一車線の道路になると、トップ集団は早々に折り返してくる。エリートランナーのレースを見ながら走れるのも、丸亀のいいところ。

  一車線しかないコースで10000人もいるとやはり走りにくい。以前は感じなかった窮屈さに、焦らず、ロス無く、じっくりと追い上げる気持ちで走る。それにしても決して遅いペースではないのに、こんなに人が走っているあたり、マラソンブームと市民ランナーのレベルの高さを感じる。自分なんて所詮は中の上程度の一市民ランナーであることを思い知らされる。

  が、それでも自分の目標タイムで走れるだけで満足するのもマラソンのいいところ。たとえビリでも自己ベストなら満足。周りは全て記録を出すためのアシスト。そう思えばこの人込みも少しはマシに見えてくる。

  10kmまでの5kmで21分ちょっと。わるくない。90分のペースランナーもさっきすれ違ったばかりだし、このまま少しづつ追えば、90分切りまで届く。折り返しでテラを探すが、見つからず。そんなに離れているわけがないので見落としたらしい。後続もまだまだ人が多い。

  10kmを過ぎて、ペースが落ちた人と走れている人にはっきりと差が出て、コースが空くようになってきた。と、同時に風よけになるランナーも減り、わずかな向かい風が気になったりするようにもなってきた。自転車じゃないんだから、そんなに影響ないはず、と自分に言い聞かせる。

  後半に追い上げる展開は多分今までにないので、これだけ抜きまくるのは気持ちいい。すでに1000人近く抜いたが、そのほとんどは本来なら最初から後ろにいるはずの人ばかり。人気の市民マラソンの慣例とはいえ、序盤の引っ掛かりが悔やまれる。

  丸亀の中心部に戻ってきて15kmを通過、この区間も21分ちょっと。驚くほど正確なペースを刻んだ。抜いているのは周りがバテているからで最後まで気が抜けない。

  という状況の17km過ぎ、給水でむせてしまい、ペースダウン。まさかの落とし穴だったが、何とか持ち直し、終盤へと繋ぐ。沿道の声援に勝手に力をもらい、直線のはるか先、90分のペースランナーをやっと視界にとらえる。さすがにここまで来ると今までのように抜きまくる展開にはならないが、それでも周りよりは速いペースで追い続ける。

  脚が鈍くなってきたように感じたのは18km過ぎたくらいから。渋滞や給水、コース取りや引っかかりなど、たらればはいくらでもあるが、残り3km、最後までしっかりと走りたい。

  20kmまでの5kmはここも21分ちょっと。時計的には完璧なペースに見えるが、実際には落ちかけたペースを上げて戻したので、上下があった5kmだった。やっとというか、もうというか、丸亀の競技場が見えてきて残り1km、ペースランナーとの距離は詰めきれず、90分切りは厳しいか。それでも最後まで全力で、とこんなに自分に言い聞かせたことはないかもしれない。

  最後だからとペースを上げるランナーをことごとく抜き去る。ここまでのペースも違えば、本来のスピードも違う。讃岐路で抜いたランナーは1000人以上、最後まで気持ちよく抜き続けて、トラックへ。残り100mでQちゃんから「お疲れ様!」とハイタッチ。ホントに疲れた。今回こそは90分切りの記録を残して終わりたかったものの、届かず。走りきれたし、一応正式記録としては自己ベストだし、満足しておこう。

  最後に一人抜き返されたが、後半で抜かれのはこれを合わせても3人だけ。今までにない追い上げる展開でこれだけ走れれば、まだまだ記録は伸びそうだ。それでも30代半ばの今、私がこだわるのは短距離。100mでの満足できる走りをするために、しばらくはマラソンから離れよう。とりあえずは今シーズンはこれでおしまい。丸亀ハーフ、いいレースをありがとう。

  ゴール後、1分と待たずにテラもフィニッシュ。速くてびっくりした。学生時代のパラのエース同士が、今はマラソンでいい勝負。これもまた面白い。あの頃、一緒に飛んだ仲間たちと今度はマラソンを一緒に、なんてツアーもいいかも。

<記録>
タイム:1時間31分12秒 23:07 - 21:13 - 21:11 - 21:14 - 4:47
ハーフマラソン一般男子:446位/8121名中
ハーフ一般男子30歳代:167位/2499名中

おしまい

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