100マイルの軌跡

〜2008年 旅の軌跡 宮古島編〜


【旅のミチシルベ】
◆日程・・・7月3〜7日。
◆目的・・・ツール・ド・宮古島参戦。宮古島観光。
◆コース・・・高松〜小豆島〜丸亀〜今治〜尾道。
◆宿・・・ペンションジロー村。JALパック5日間70800円。

【旅の軌跡】

7月3日

  羽田発6時50分のジャパントランスオーシャン航空で宮古島へ。羽田まで自転車を持っての移動がきつかった。始発での出発で眠い。初のJTA、機内には沖縄のアーティストの曲。出発と同時に爆睡。着陸と同時にお目覚め。9時40分の到着です。暑いっ。

  宮古空港でまずは自転車の組立。飛行機対策で厳重に梱包したため(輪行袋だけど)組立後はむしろ荷物が増えた。空港で街までの行き方を聞き、そのままペンションジロー村へ。荷物だけ置くつもりがもう部屋に入れるとのことでチェックイン。街中にあるのにバンガロータイプ。ツイン一人占め。空港から大量の荷物を抱えて走ってきたのと暑さとで、すでにバテ気味。

  自転車で観光へ。近くのスーパー、サンエーで飲み物補給。おいしいマンゴージュースを発見。1缶45円なり。宮古島、最初の海は砂山ビーチ。南国ムードたっぷりの砂の丘を越えると広がる青い海。白い砂。熱い太陽。暑過ぎ。海に入ってちょうどいいくらい。木曜平日のせいか人が少ない。他に5人くらい。遠浅の砂浜で潜るにはいまいち。30分遊んで次の海を目指す。

  風に乗ってビーチサンダルで快走。島の北、池間島へ向かう。サトウキビ畑が沖縄な雰囲気。おいしそうなお昼を求めて、池間大橋を渡る。エメラルドグリーンの海がどこまでも広がる。感動の景色だ。ここもコースの一部、ツール・ド・宮古島の下見も兼ねての観光か。橋を渡ってすぐのとこ、何軒かあるお店のうち、“海美来(かいみる)”ってとこへ。ゴーヤチャンプルー定食、美味なり。

  池間島を時計回りに走る。南国沖縄のリゾートロードに感動。車が数台停まっている場所はダイビングスポットかビーチのどちらか。灯台の先でビーチへの抜け道を発見。草むらをかき分けて行くと開ける視界。宮古島屈指のさんご礁群が広がる八重干瀬(やびし)にたどり着いた。手持ちのゴーグルでスキンダイブ。遠浅で潮の流れも穏やか。暖かい海で魚とたわむれる。20種類までは数えていたけど、それ以上は数えきれず。とにかくたくさんの種類、たくさんの熱帯魚がうようよしていた。天然のニモも初めて見た。ニモだらけ。先客は数組しか居なくて、だだっ広い海に10数人がシュノーケリング。1時間くらい海を漂っていた。海に入ってないとあまりの暑さに干からびそう。日差しが強すぎてチャリジャージ着たまま泳いだ。

  4人組おじさんとお姉さん、自転車スタイルの私を見て「ツール出るの?暑くてやばいよ?」と「まだ水ある?これあげる」って。残ってた氷と水を全部くれた。お姉さんから「なんかアリが入ってるけど、まあ気にするな、飲めるっ」。レンタカーで来てて、神奈川からの旅行らしい。若い頃に宮古島のトライアスロンを完走した猛者だった。手持ちの水がお湯になっていたのでありがたかった。「健闘を祈るっ」、うれしい応援だ。

  16時過ぎにまだがんがんの日照りの中、撤収。疲れたし帰りも長いから。200mくらい隣に別のビーチも発見。こちらの方が一般的らしい。道もちゃんとあった。人もそこそこいる。でも、私の行ったとこの方が穴場的な海岸でよかったぞ。海で遊ぶ以外にきれいな海を撮りに来てるバスツアーのおじさんおばさん軍団も居た。透き通る海を撮るならこういうスポットだな。

  帰り道は西平安名崎と島尻のマングローブ林へ寄る。夕陽が綺麗に見えると聞いたから行ったが、17時過ぎてもまだまだ日が落ちる気配無し。沖縄の一日は長そうだ。宮古馬の小さな牧場を発見。馬も居るのか。風力発電の巨大風車が3基回ってた。マングローブはちょうど潮が満ちてきたタイミングと重なり、徐々に水が入ってくるのが見られた。が、観光客は一人もいなくて寂しすぎ。マニアックな場所だったか。

  宿に戻って18時過ぎ。やっと夕陽。街中からほど近いバイナガマビーチで19時半のサンセットを見る。日が沈んでいく方向には伊良部島。明日はあそこへ行こう。夕食は宿の隣の食堂で。地元の人が集まるお店らしく20時頃でもにぎやかだった。刺身とラフティーが美味い。料金のわりに得なツアーパックだということがわかった。初日からたっぷり遊んだ。満天の星空も見たいが、暑さにやられ早寝だ。

走行距離 60km

7月4日

  爆睡した。相当疲れたらしい。が、おかげで体力は満タンに回復。10時のフェリーには乗りそこなったが、11時のフェリーで伊良部島へ。20分程の船旅。島民の足となるフェリー、11,2台満車での航行だ。自転車は隅っこへ。船旅はテンションが上がる。

  フェリーから降りるときに真水のシャワーを車にかけていた。バイクのお兄さんと顔を見合わせる。自転車とバイクもそこを通るんですか?!いや、ちゃんとシャワーを止めてくれた。伊良部島へ上陸。いきなりの急坂ヒルクライム。面白い。あっさりクリア。調子はいいぞ。

  伊良部島で一番高いという展望台へ。誰も人がいない・・・。とりあえず来た証拠写真、が、風でカメラが転倒?!壊れた・・・。テンションが一気に下がったので、西側のきれいな海へ直行する。人も車もいない道は自転車のための道路だな。腹が減ってきたけど、店らしい店が無いっ。ていうか集落が無いっ。看板を頼りに集落発見。唯一といってもいいくらいのお店、民宿まるよしの食堂でお昼。観光客3組&地元の人で満席。レンタサイクルの人も居た。

  伊良部島とほぼ繋がってるような下地島。ここにはJALのパイロット練習用の下地空港がある。タッチ&ゴーで練習しまくってた。中の島ビーチでスキンダイブ。今日もチャリジャージを着たまま。「紫外線が強いからみんな何かしら着てるよ」とお姉さん。ダイビングスポットも豊富らしく、バンがいっぱい停まってた。通り池は海底で海と繋がっているとか。人魚伝説の残るダイバーに人気のスポットだそうだ。下地空港の北側で着陸する飛行機を真下から見上げる。この辺りの海は透明ですばらしい。

  下地島とぐるっと回って再び、伊良部島へ。橋らしい橋もなく、どこで戻ったんだか。伊良部島を一周しようかとも思ったが、暑いし、特に観光スポットも無いようなので、フェリー乗り場へと向かう。途中、道路脇の日陰に座っていたおばあちゃんに呼び止められる。伊良部島の天久(あめく)ばあちゃん、飲み物とおやつをくれた。「いつでも泊まりにおいで」だそうだ。息子達はみんな島を出て、一人暮らし。南国らしい石壁に囲まれた平屋に住んでいた。

  思わず足止めでフェリーを一本逃した。せっかくなので、近くのサバ沖井戸へ。水道が引かれた30数年前まではこの井戸が島の命の水となっていたそうだ。階段130段の崖下に掘ってあり、水汲みは大変だったろうなあ。ここからの眺めもさんご礁と青い海ですばらしいかった。島を去る船から見る空がまた青くて広い。

  夕食時、宮古毎日新聞にツール・ド・宮古島の記事を発見。島をあげての一大イベントになってくれたらうれしいなあ。そういえばカメラは勝手に復活してた。ひと安心。

走行距離 45km(合計105km)

7月5日

  大会の受付と会場の場所確認のため、来間島方面へ。もちろん、来間島で遊ぶ予定。会場の下地公園へは特に案内図もなく、軽く迷う。が、道はそんなに無いので、遠回りしただけで着いた。宿から13km程度か。途中、参加者同士、みんな会場がわからなくてお互いに道を尋ねあっていた。スタートゲートが設置され、すでに大会の雰囲気で盛り上がっていた。今日はサイクリングの部が開催される。

  13時以降受付とのことで、先に遊びに行く。来間島西側のビーチ。木々のトンネルを抜けて砂の土手を下りたところだ。外海に面していて若干波が強めか。それでもせいぜい水深2m程度の遠浅な海はスキンダイブで飽きない。穴場らしく、人も少ない。ダイビング以外にカイトサーフィンも盛んなようだ。

  竜宮城展望台は大した高さじゃないのに、来間島全体を見渡せる。サトウキビ畑がいっぱいだ。来間大橋と宮古島、その間の青い海。明日はこの島はパレード走行する。狭い道と軽い起伏だらけ。砂で滑らないように気をつけよう。遅めのお昼に“楽園の果実”って店で“宮古牛のステーキ丼”と“シークワーサーのジェラート”。デザートは券を持っていてサービスです。店員さんからも「明日は頑張って下さい」とな。

  直ったと思ったカメラはここで完全に逝ってしまった。テンションが下がりつつも下地公園へ受付へ。18時だというのにまだまだ明るい。競技説明会に参加して明日へのテンションを上げなおす。帰りに発見したマックスバリューで明日の補給食をゲット。朝ご飯用にフルーツグラノーラ、あとはウィダーとかカロリーメイトとか。スーパーではやっと牛乳を買えた。おそらく宮古島では生産してなくて、入荷に2,3日かかるんだろうなあ。

  明日は4時半起き。宿の人が早めに朝食を用意してくれると言ってくれたが、5時には出たいので諦めた。自走だし、余裕を持って会場入りしたいし。宮古島三日目が終了。毎日暑い中を走りまくっているせいか、気候にも慣れてきたような気がする。

走行距離 55km(合計160km)

7月6日

  早朝5時に宿を出発。薄暗い中を13kmほどのサイクリングで会場入り。自走で会場を目指す人がもっといるかと思ってたけど、ほとんど見られず。出発が早すぎたようだ。会場近くになって後ろから続々と現れてきた。7時、いよいよ100マイルのスタートだ。

→ → → 第1回 ツール・ド・宮古島 ← ← ←

  ゴール後、前後でフィニッシュした人たちとともに芝生の上で燃え尽きる。長い時間一緒に走って生まれた友情、みたいなものと、同じコースを走破した一体感。みんな意外と苦戦していたり、途中で自販機へ寄ったり。あのおっさんがどうだったとか、あいつがすごかったとか。感想はいくらでも言えてしまう。同じ自転車に乗るクライマーのK井さん、家が近い池袋のHさん、北海道から唯一の参戦K竹さん、お疲れ様でした。また一緒に走ることがあったらそのときはよろしくお願いします。

  15時からの完走&表彰パーティーを18時くらいまで楽しむ。女子100マイルは完走者は全員入賞だった。6位には2児の母。途中で2度パンクするも根性で完走したそうだ。母は強し。完走率は60%切るくらいかも。相当きついレースだったことは言うまでもない。

  小泉ニロって女の子のボサノバのコンサートを聞きながらアフターパーティ。ファンライド細沼氏にもゴール後にあいさつ。途中でこぼれたのを抜いたときに軽く話したので、その続き。普通に走ったら勝てることなんてまずないので、貴重な先着ということで記念写真。ウチの後輩によろしくお伝え下さい。

  帰りは再び、マックスバリュー。お徳用のちんすこうをお土産に買う。バニラ、紅イモ、パイナップル、黒糖の4種類が入ってるやつ。宿に戻るとものすごい疲労感。夕飯を終えるとともに爆睡。今夜は夢の中でレースの余韻に浸りますか。

走行距離 190km(合計350km)

7月7日

  100マイルの疲労は一日寝たくらいでは回復せず。それでも体はだいぶ軽い、気がする。ここ数日の大量使用により、日焼け止めをあっというまに使い切った。薬局が開くのを待って同じやつを購入。この強い日差し、日焼け止め無しだったらやばいぞ。

  最終日の今日は再び池間島へ。初日と同じルートを辿るもレースで島を走りつくしたせいか、意外と近く感じる。穏やかで潜りやすかった八重干瀬で宮古最後の海を満喫。昼飯も同じく“海美来”でさざえそば。道中、昨日の大会で使ったボトルを2本ほど回収。畑に落ちていた。補給用に大量にばら撒いていたボトルもほぼ回収したらしい。使用済みボトルを投げる場所もこれからは考えよう。

  のんびり過ごす時間はあっという間に過ぎてしまう。別れが惜しいが、さんご礁の青い海にさらば。市街地へ戻り、お土産を物色。例のマンゴージュースを二缶ゲット。自転車だと荷物をろくに持てず大変だ。

  1時間以上前に空港に着き、自転車を預けるといよいよ旅の終わりだ。宮古最後の食べ物は“飲む極上ライス、ミキ”とかって栄養ドリンク。甘酒の冷たいやつみたいな味かなあ。またいつか走りに来ることを誓って搭乗。宮古島19時30分発。飛行機が15分ほど遅れて宮古島にさらば。夕陽が切ない。羽田到着予定は22時15分。機内では隣の席がツールに参加したお姉さんたち。寝たいのにトークが続き、最後の力を振り絞る。高高度に達すると、飛行機の電気が全て消える。機長が「本日は七夕、上空に広がる天の川をお楽しみ下さい」と締めくくりにうれしい演出。空港で短冊に書いた願いが叶いますように。そう思って爆睡するJTAの機内でした。宮古島最高。

走行距離 65km(合計415km)

おしまい

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